(「戦場の不思議な夢」からの続き)

 

 朝6時に目が覚めました。昨日の胃洗浄の御蔭で、アルコールは上手く抜けた様です。前回の記事に載せた写真の小汚いバスタブにお湯を入れ、朝風呂と洒落込みました。

 

 湯につかりながら、先程見た不思議な夢について考えてみたのですが、白い石は解ります。それを探しに来たのですから。しかし、少年の言った意味がさっぱり解りません。

 

 時々あるのですが、何かを暗示していたり、全く関係ない場合もありますので、気にしても仕方がありません。それよりも、今日の調査が決戦となります。

 

 上海上陸作戦からここまで、戦場を行く兵士の如き表現をしたのには理由があります。

 

 今回の思い出話は、私が以前勤めていた会社での話です。現在、お世話になっている会社での話ではありませんので、お間違えの無き様願います。

 

 私は入社と同時に、セラミックスの研究所に配属され、その3年後に、この研究所を金食い虫と揶揄する稼ぎ頭の営業部に配属されたのです。

 

 だから、私の立場がどんなものか想像に難くないでしょう。

 

 ある製品のグレードアップの為に原料を探していたのですが見つからず、商社から調査の申し入れがあったものの、当時の中国に行きたがる奴はいません。

 

 嫌な思いをしても、良い原料なんて見つかる訳が無いのです。私が金を使って中国出張した後、何を言われるか想像できますし、その後の立場が悪化するのも明らかです。

 

 良い原料が見つからないにせよ、商社や中国人に馬鹿にされる事なく、誰もが唸るほどの調査報告書を提出し、痛手は最小限に食い止めなければならないのです。

 

 つまり、私にとっては上海上陸から既に戦闘状態と言っても良いのです。商社の上層部と会社の上層部は繫がっており、些細な失敗が命取りになりかねません。

 

今日一日が私にとっての天王山です。

 

 昨日の宴会場であった小汚い高級レストランで朝食です。御粥に搾菜と油条を刻んだものを入れるとなかなかいけます。今回一番旨かったかも。3杯平らげ戦闘準備完了です。

 

いざ、出発です。道すがらの蘄春の朝の風景をどうぞ・・・。

 

 

 商社のNさんには、使えない通訳(王さん)に付いてもらい、私には国営企業の通訳に付いてもらう様、了解済みです。だって、王さんはNさんが調達した通訳ですから。

 

 田園風景を見ながら目的地に到着したのは約20分後、大公郷(村と言ったところ)と言う集落です。ここから緩やかな斜面を徒歩で登って行きます。なんか夢で見た様な・・・。

 

 子供が駆け寄って来ますが、親に制止されこちらを見ています。しかし、何処の子供も同じですね。好奇心が勝ってしまい、親の制止を振り切り私達について来ます。

 

 しばらくして後ろを見ると、子供の後を大人達もぞろぞろと金魚の糞の様について来るではないですか。さしずめ私は有名人の如く、30人ほどの老若男女を引き連れ、斜面を進んで行くのでした。

 

 すると、突然視界が開け、「あっ」・・・

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

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