アルミナって聞いた事、ある皆さん・・・(ダジャレて御免)。

 

 アルミニウムの酸化物です。アルミニウムは軽量金属としてなくてはならない存在です。

 

 アルミサッシや飛行機の機体などに使われるジュラルミン(アルミニウム・銅・マグネシウムの合金)の材料ですね。このアルミニウムを製錬する過程で造られています。

 

 アルミニウムはボーキサイトを原料としますが、先ずは苛性ソーダと反応させて、水酸化アルミニウム(水アルともいわれます)として取り出されます。

 

 これは、オーストリアの化学者 カール・ヨーゼフ・バイヤー さんが考えたので、バイヤー法と呼ばれています。ソルベー法(ソーダ灰)とともに、化学界では有名です。

 

 そんなこと言ってるバヤイか(ちょっと苦しいな、失礼をば・・・)。

 

 この水酸化アルミニウムを 1,000℃以上で焼成すると、アルミナ (Alumina) 、またの名を、酸化アルミニウム(三酸化二アルミニウム)となります。化学式は Al₂O₃ 、分子量は 102 です。

 

 アルミナを、簡単に言うと電気分解する事により、金属アルミニウムを得る事が出来ます。

 

 アルミニウム製錬の途中過程で製造されるアルミナ水酸化アルミニウムは主に窯業原料(ファインセラミックス、耐火物、ガラス原料)として使用されています。

 

 ボーキサイトは 20~30% のアルミニウムを含んでいます。250℃に熱した苛性ソーダで反応させると水酸化アルミニウムとして、他の成分と分離できます。

 

 しかしここで、厄介な問題が・・・。水酸化アルミニウムを分離した後の残渣(要らない物)は赤泥と呼ばれ、pHの高い産業廃棄物となります。

 

 1972年に批准したロンドン条約の例外として、日本では平気で海洋投棄していたんです。今はそれが許されなくなり、日本のメーカーはバイヤー法での製造を止めてしまいました。

 

 このまま造り続けるのは、「やバイヤ~」ってことですね(こらこら)。

 

 現在、国内メーカーは海外のアルミナメーカーから、水酸化アルミニウムを輸入していますが、昨年、赤泥を河に流出してしまい操業停止となり、原料が入手できず困ったことに・・・。

 

 手に入らなくなると分かると、我先に原料調達に走りますよね。余分に確保しようとすればタイトな状況になり、価格も高騰します。日頃から複数購買しとかんからや・・・。

 

 一昨年は、国内有数のメーカーがこの事業から撤退をしたため、業界全体にタイト感があり、やっと落ち着いたかなと思っておったのですが・・・。

 

 だから、「複数購買しませんか」と散々口が酸っぱくなるほど申し上げたのに、「要らん」と、一言でかたずけておいて、今更、「欲しい」と言われてもね・・・。

 

 「このままじゃ、工場止めんとあかんから、何とかしてや~」と言われても・・・。うちの倉庫にも限りがあるんじゃ、買ってもらえん在庫抱えるに訳にはいかんのや~、残念~。

 

 と言いつつ、出来る限りのことしてやったのに、物が調達できるようになると、「もう要らん」と一言で片づけるな~。余分にとった原料如何してくれんのや~。拙者、切腹でござる。

 

 日本では原料の一貫生産を止めてしまうメーカーが増えています。海外のメーカーでも良いので、一貫生産しているメーカー品をある程度使いこなすことも必要ですよ。

 

 まぁ~、お客様は代官様の様なもので、今もペコペコ頭下げてる私です。残念・・・。

 

 余分な事でしたが、アルミナは耐火性の高い原料です。また、強度が高い事も知られています。だから、ファインセラミックスで゛は欠かせない原料となります。

 

 また、高温で使用される窯や炉の耐熱材料としても重宝されています。また、ソーダ石灰ガラスのガラスの成分調整及び、強度を高める為にも使用されます。

 

 他にも、クレンザーの砥粒として使われる様に、研磨剤としても有用です。また、石油精製で触媒としても活躍しております。

 

 ちょっと話を戻します。水酸化アルミニウム (Aluminium hydrooxide) は、アルミナ水和物 (Alunina hydrate) とも呼ばれます。正確には、アルミナ三水和物 (Alumina tryhydrate) です。

 

 水酸化アルミニウムの化学式は Al(OH)₃で、分子量は 78 ですが、アルミナの水和物として考えた場合、Al₂O₃・3H₂O と書き換える事も出来ます。その場合の分子量は 156 です。

 

 日本では前者が一般的ですが、海外では後者も使われます。輸入品の場合、後者の名称で入ってくることもあり、ややこしい事になります。「頼んだものと違う」ってね。

 

 時には、知ったかぶりをして、水酸化アルミと言う人もいます。いくら訂正しても受け付けてくれません。「表示が違うと受け取れん」と、言われることも多々あります。

 

 間違った名称に変更しなければならない事もあるのです。情けなくて涙が出ます。だって、全て積み替えなくてはいけなくなります。もっと、化学の知識を身につけて欲しいです(泣)。

 

 そうそう、水酸化アルミニウムですが、アルミナの水和物とも言えると申しました。アルミナに結晶水が三つ着いた状態と考えられます。

 

 高温で結晶水が放出されると気化熱を奪います。アルミナ自体は安定した物質です。だから、防火目的で、色々なところで使われます。

 

 例えば、「 僕 ! 、何年生 ? 」。いや違う・・・。難燃性の紙、難燃性の布、難燃性の壁材、難燃性の・・・。結晶水を利用して温度が上がらないようにするという訳です。

 

 この方法は昔から使われています。例えば石炭を放置しておくと、空気中の酸素と反応し、熱を発生します。この熱が溜まりに溜まると、ある温度(200℃前後)になると発火します。

 

 これを自然発火と言います。私はこの自然発火の防止目的に、結晶水を含んだ無機薬品を使用した「自然発火抑制剤」の研究をしていたことがあります。

 

 自然発火に至る時間を大幅に遅らせ、尚且つ、発火温度を50℃上げることに成功し、炭鉱災害の防止に貢献したのですが、日本では炭鉱が全て廃鉱になってしまいました。

 

ノーベル賞貰えないかな・・・。基礎研究じゃないし、一般的な技術じゃないから、残念~。

 

でも、ノーベルさんが発明したダイナマイトだって、一般的なものじゃないのにな・・・。

 

「リチウム電池」と「自然発火抑制剤」、どちらが社会貢献したのか・・・。

 

 人命の方が大事でしょ(いいや、リチウム電池でしょ、残念~)。

 

吉野彰先生 !  おめでとうございます !!

 

 

 

 

 

 

 

 

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