硼砂の化学式は一般的に Na₂B₄O₇・10H₂O(10水硼砂)ですが、Na₂B₄O₇・5H₂O(5水硼砂)や、Na₂B₄O₇(無水硼砂)も目的用途によって、使用されています。
10水硼砂を熱する(約400℃)と無水硼砂になりますが、5水硼砂の作り方が分かりません。これは私見ですが、10水硼砂と無水硼砂を 1mol ずつ混ぜて作るのかな・・・。
だれか解る方いますか・・・、いたら教えてくださいな・・・。
硼砂は塩湖が干上がった場所から産出されます。トルコ・アメリカ・ロシア・アルゼンチン・イタリア・ドイツなどで産出します。最大の産地はトルコで、日本ではほとんど産出されません。
硼酸の化学式は B(OH)₃ ですが、B₂O₃・3H₂O と書き換える事も出来ます。酸化硼素の3水塩とも言える訳です。硼酸は硼砂に硫酸を加えて得る事が出来ます。
Na₂B₄O₇・10H₂O + H₂SO₄ → 4H₃BO₃ + Na₃SO₄ + 5H₂O
一番の用途としてはガラスですかね。一般的なガラスは熱膨張率が高いので、急激な温度変化に弱く、割れてしまうのですね。これを熱衝撃に弱いと言います。
最近のガラスは改善されていますけど、以前はガラスの最大の欠点でした。この欠点を解消したのがアメリカのコーニング社です。パイレックスと言う商標の耐熱ガラスです。
このガラスをホウケイ酸ガラスと言います(ダジャレは封印)。硼素を入れることで熱膨張を抑えるのです。身近なところでは、理科実験のビーカー、試験管、コーヒーメーカーですか・・・。
私が保育園に通っていた頃(50年以上前)、母が魔法瓶(象印だったかな?)を買ってくれました。貧乏でしたが母の愛でしょうね。当時、結構高価だったはず(無理したんだろ~なぁ~)。
水筒の内部に、メッキが施された鏡の様な薄いホウケイ酸ガラスの容器があり、熱いお茶を入れても割れず、熱線が鏡に跳ね返えり熱損失を抑え、保温性を高めたのです。
私は遠足に持っていったのですが落としてしまい、一日でオシャカにしてしまいました。母の悲しそうな顔は今でも覚えています。熱衝撃には強いが、物理的衝撃に弱かったのですね。
今では物理的強度も改善されてますけど、所詮はガラスですから取り扱いには注意して欲しいですね。下手をすると怪我をしてしまいますので、くれぐれも御用心・・・。
ガラスで言うとガラス繊維の原料としても使用されます。硼素を入れると粘性が上がり、繊維状にし易くなるのです(引っ張っても切れない)。グラスファイバーって聞いた事あるでしょ。
断熱材はガラス繊維でできた綿状のガラスウールをとして施工されます。最近はセルロースファイバーに置き換わりつつありますけどね。スピーカーの吸音材としても使われます。
実を言うと、セルロースファイバーにも硼酸が使われます。古紙などのセルロースを綿状にするのですが、解りますよね、もう解るよね。火に弱いので、住宅には不向きです。
そこで、冒頭に申し上げた硼酸の結晶水を利用するのです(水酸化アルミでも説明した通りです)。これにより、セルロースファイバーに難燃性を持たせるのですね。
その他の用途としては、殺菌剤。医薬品としては目薬や目の消毒剤として使用されます。
そう言えば子供の頃、家の薬箱の中にもあったよな硼酸が・・・。良く食べてたなぁ~。5㎜ 程の鱗片状だったと思いますが、食べるものが無いと口に入れていました。
美味しくはないのですが、噛んだ時のシャリシャリ感が病みつきになったのです(ドラ中じゃねえか)。今はしていませんよ。ちゃんと更生しております。
硼素は中性子を吸収しますので、原子力発電の核分裂制御にも使われています。
硼酸は、窒化硼素(BN)、炭化硼素(B₄C)の原料にもなります。ダイヤモンドに次ぐと言われるほど固い物質です。研磨剤・切削工具・戦車の装甲・防弾チョッキなどに使われています。
そうそう、硼酸は防虫効果があり、硼酸団子にも使用されています。解毒機能の無いゴキちゃんにとっては最悪ですね。可哀そうに、私には有って良かった良かった(阿保か)。
木材に浸潤させれば、防虫効果と難燃効果が利用できますね。またまた出て来た難燃剤、
私の若き日の研究が功を奏したという訳です(用途が全く違うやろ)。
忘れちゃいけないのが、段ボールの接着剤です。コーンスターチ(デンプン)の水溶液にアルカリを混ぜて、粘土調整剤として硼酸又は硼砂を加えて造ります。
極身近なところで使われているんですよ。
まだまだ、私の知らないところでも使われてるのでしょうね。
ちぇっ、今回ダジャレが思いつきませんでした。全く面白みのない記事ですみません(この爺~、違うだろ、違うだろ~、ダジャレ披露の為の記事じゃないだろ~)。あらそ~なの。
↓ここをポチッと応援よろしくね