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カテゴリ:【本】昔の名作小説
「醜さゆえの孤独」と紹介文に書かれていた本。
フランケンシュタイン (新潮文庫) [ メアリー・シェリー ] 記事タイトルにも書いたのですが、フランケンシュタインという名前は、怪物を生み出した科学者の名前だということをご存知でしたか? 私は、てっきり怪物の名前だとばかり思っていました……。
科学者の名前が、ヴィクター・フランケンシュタイン。 「ヴィクター」が名前で「フランケンシュタイン」は名字ですよね。 人間の名字がタイトルだったのですね。
挿し絵が無く、文字がびっしりと詰まったこの本。 「訳者あとがき」まで含めると456ページもあり、一日では読み終わらず、何日にも分けて読みました。
内容は、主要人物が誰も幸せにならない、哀しい物語でした。 単なる幽霊話、ホラー小説だと思って読むと、拍子抜けすると思います。 それだけ、一言では言い表せない、様々な要素を含んだ複雑なお話です。
「訳者あとがき」で 「本書は実は多重構造を持ち、“若き冒険家の手紙”、“フランケンシュタイン博士の回想”、“怪物の身の上話”、という三つの語りから成り立っている。」 と書かれているように、少し変わった構成をしています。
物語全体として、前置きというか説明というか、細かい描写がとても多いです。 そのため普段から結論を先に求めがちな私は、もどかしい思いをしながら読み進めました。
特に先ほど引用した「“若き冒険家の手紙”」の部分を読んでいると、物語の核心部に早く迫りたい、とそわそわしました。
普段、小説を読まないからなのか、一見余計なように思える描写を回りくどく感じてしまう私は、未熟者ですね。 おそらく、こういう部分こそ味わって読むのが小説の醍醐味なのでしょう。
著者の語彙力が豊富で、読んでいて圧倒されました。 文章量も語彙数も、頭に活字をたくさん流し込みたい時に向いています。 それにしても著者は、これを20歳で書いたなんて驚きです。
加えてこの本は日本語に翻訳されたものですが、昔の作品だからというか、原文が日本語ではないからというか、難しい言い回しでも読みやすく翻訳するというお仕事も、すごいなぁと思いました。
物語の中では様々な地名が出てくるのですが、頭がぽんこつな私には、地理がさっぱり分かりません。 地理の知識があれば、物語をもっと深く味わうことができたのではと思うと、自分の知識の無さが残念です。 子どもの時に学校で習うような各科目の基礎が、こういう時に大事になってくるのでしょうね。 フランケンシュタイン (新潮文庫) [ メアリー・シェリー ] フランケンシュタイン(新潮文庫)【電子書籍】[ メアリー・シェリー ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.16 08:00:17
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