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金原ひとみさんのエッセイです。
『パリの砂漠、東京の蜃気楼』(著者:金原ひとみさん)
この著者の本を読むのは初めてです。 本の紹介文を読み、そこから伝わる陰鬱さに惹かれて購入しました。
淡々とした文章の中、全体的にほの暗さが漂います。
ご自身の状態を冷静に、客観的に捉えて適切な語彙で書いていらっしゃるその内容は、簡潔に言えば「生きづらさ」でしょう。
ただ「生きづらさ」という、そのたった5文字の中には、 不安 憂鬱 疲弊 絶望 孤独 孤立感 無力感 罪悪感 物悲しさ 死にたさ 破滅衝動 消失衝動 消滅願望 など、あらゆる感情が含まれています。
読み終わって誰もが前向きな気持ちになるような系統の本ではありません。
しかし、この本全体に漂う暗さに惹かれますし、むしろそこを頼りにして今後、心がつらい時に私は読み返すのではないかと思っています。
生きづらさを感じている人に、おすすめします。
印象に残った文章 「どんなに生きづらくてもこの生きづらさが死ぬまで続くのだとしても、あのバンドが存在するこの世に生まれてきて良かった。」(p.130) パリの砂漠、東京の蜃気楼【電子書籍】[ 金原ひとみ ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.08.08 00:10:08
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