ニューノーマルな観光&新しい旅行を考える時代へ【企画担当者向け】

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ニューノーマルな観光&新しい旅行を考える時代へ【企画担当者向け】 旅行会社&旅行業界

新型コロナの影響でこれからの観光や旅行の在り方は変わってくるのかな。どういった観光や旅行がこれからのニューノーマルになっていくんだろう。

この記事は、そんな疑問に答えます。

✔ 本記事の内容

  • ニューノーマルな観光や旅行とは?
  • 今までの観光や旅行はどういったものだった?
  • ニューノーマルを作るのは旅行業者自身

こんにちは、ツバサです。

新型コロナの影響で観光業の在り方が大きく変わる時が来ています。

従来の観光スタイルや旅行スタイルではこれからの時代にマッチしない可能性が高く、旅行企画をする人は協力業者を探して、工夫をしていかなければなりません。

スペインが2020年7月から外国人観光客を受け入れると発表した一方で、台湾は2020年10月から受け入れ始めるという出口戦略を発表しました。

各国の基準は異なりますが、日本としてどういった「ニューノーマル」な観光や旅行を作っていくかがポイントです。

この記事では、「ニューノーマル」な観光や旅行を提案してみます。

ニューノーマルな観光や旅行とは?

日本が行っていくべき「ニューノーマル」な観光は6つです。

  • 混載送迎、混載観光からの脱却
  • ビュッフェからアラカルトへ
  • ガイドなし観光
  • 個人旅行>団体旅行
  • 独立型の滞在
  • プライベートジェット

日本のこれからの「ニューノーマル」な観光や旅行は、接触を避けるという意味でも混載送迎や混載観光からの脱却やガイドなし観光が主流になります。

また、団体旅行に参加して大人数で集団行動をするよりも個人旅行の需要が伸びるのは間違いありません。

宿泊施設に関しても大型のホテルよりも他の宿泊者との接触を極力避けることができる独立型のヴィラやコテージの人気は出てくるでしょう。

最後はマーケット自体は小さいですが、ニューノーマルな旅行タイプとしてプライベートジェットのツアーは伸びるでしょう。

今までの観光や旅行はどういったものだった?

今までの観光や旅行を振り返ってみましょう。

混載送迎&混載観光

パッケージツアーの利益の出し方の一つに混載送迎と混載観光があります。

1台の車にできる限り観光客を乗せて、売値は変えず1人当たりの原価を下げて利益を出していくという方法です。

以前は「送迎で利益を出してなんぼ」って言われたほどです。

例えば、旅行者を8人乗せることができる車の手配が1台10000円だったとします。それを最少催行人員を2人と想定して1人当たりの売値を5000円にすると2名でちょうどペイできることになります。売値を変えずに8人まで売った場合、5000円x8名で40000円になり、利益が30000円出ることになります。

これが15人乗りのミニバスなどの中型、大型の車両になるとさらに利益が出ます。

しかし、ニューノーマルな観光や旅行を目指す今となっては、ソーシャルディスタンスの確保接触を避けるという点で混載観光や混載送迎を避けていかなければなりません。

顧客心理としても大勢の中に身を置く、車のような閉塞された空間の中に大勢でいるというのには抵抗があります。

この混載送迎や混載観光を変えていくには、専用車送迎を主流にしていかなければなりません。

ビュッフェからアラカルトへ

パッケージツアーに含まれている食事も今後見直していくことになるでしょう。

例えば、観光中の食事や宿泊先での食事です。

今まではコストの安いビュッフェが多く使われていましたが、接触を避けるという点では今後アラカルトの食事3コースランチやディナーが好まれるでしょう。

パッケージツアーの特典でも今まではビュッフェランチ1回プレゼントなどがありましたが、今後は3コースディナー1回プレゼントなどに変えていく必要があります。

観光は必ずガイドが同行

国内旅行であれば日本語ができる限り観光地で配布されているパンフレットや案内板を理解することができますが、海外旅行で観光をすると必ず現地ガイドが同行します。

現地の歴史やその土地に伝わる話など、現地ガイドから聞く話はとてもおもしろく、興味深いものばかりです。

しかし、ニューノーマルな観光や旅行では、そういったガイドも同行しないで済む観光プランを作って増やしていかなければなりません。

ガイドを同行せずに行える観光プランを作るには、観光地や自治体の協力は必須です。

観光地によってはイヤホンを付けて音声ガイドを使うところがありますが、イヤホンを使い回すのも抵抗があります。

例えば、観光地のスポットごとにQRコードを設置し、読み取ると観光地の説明が表示されたり、その観光地について動画で説明を聞くことができるのが理想です。つまりセルフガイドツアーとして自分自身で観光地を楽しむ導線を作ることが大切です。

そうすることで触るのは自分のスマートフォンのみで、消毒などの手間も省けます。

一部観光地ではこういったQRコードを観光地のスポットスポットに設置して、観光客自身に観光案内の情報を取ってもらうようにしているところがすでにあります。

それを多言語化すれば、インバウンド対応にもなります。

これにより、観光地での案内冊子みたいなものも作らずに済み、エコという点でも評価されます。

個人旅行と団体旅行

日本マーケットでは個人旅行も団体旅行も需要がありますが、今後は団体旅行の在り方が問われる時代になります。

今までは添乗員が旗を持って、団体の観光客を引き連れていく旅行をよく目にしました。団体旅行は旅行単価を下げることができるだけでなく、旅行仲間を作れる場でもありました。

しかし、混載観光や混載送迎でも書きましたが、大勢での行動や閉鎖された空間に大勢でいることは、ニューノーマルの観光や旅行では避けなければなりません。

もし団体旅行をそれでも推し進めるのであれば、例えば、バスの車内では1人に対して2席分割り当てることや、客室は全て1人1室利用にする、食事はビュッフェからアラカルトやセットメニューに切り替えるなど、団体でありながらも個人のエリアを確保できるようにするのがよいです。

今後、旅行自体が個人旅行化していくのは間違いありません。

そのため、専用車送迎やセルフガイドツアー、QRコードでの情報案内など全て個人旅行にシフトしていくための仕掛けを準備していく必要があります。

独立型の滞在

今までは特徴のあるホテルやリゾートには宿泊客がたくさんいました。

例えば、一度は屋上のプールに入ってみたいと思ったシンガポールのマリーナベイサンズです。

3棟の宿泊棟からなる超大型ホテルです。屋上のプールにはいつも宿泊客がひしめき合っており、食事会場も混雑していました。

ニューノーマルの観光や旅行では、そういった「混雑」を避ける動きが必要となります。大型ホテルにとっては、人が移動するところや人の集まる所に感染が発生すると言われているため、大きな対策を強いられることになります。

それを踏まえると、モルディブのような1棟独立型のヴィラやコテージに宿泊するプランは今後さらに人気が出てくるでしょう。

プライベート感を保ち、他の宿泊客との接触を極力避け、食事はアラカルト形式、ヴィラ内にはプライベートプールもあって日中過ごすことができる、そんなプランが理想になってきます。

また、宿泊する場所や客室の場所までこだわるようなものになってくるでしょう。

プライベートジェット

意外と忘れてはならないのは、プライベートジェットのマーケットです。

高級ホテルグループではプライベートジェットを使ったハイエンド層のマーケットへのアプローチをすでに始めています。

高級ホテルグループのフォーシーズンズグループが毎年プライベートジェット機を使ってツアーを販売していますが、1人1600万円のツアーが即完売になっている事実はあまり知られていません。

ちなみにプライベートジェット(4人~15人乗り)がいくらするのかというと、一機当たり往復で次のような価格帯のイメージです。

目的地 チャーター代(往復) 距離
東京から台北 約920万円 2124キロ
東京から香港 約1260万円 2904キロ
東京からバンコク 約2100万円 4602キロ
東京からバリ島 約2600万円 5542キロ
東京からホノルル 約2900万円 6195キロ
東京からモルディブ 約3000万円 7687キロ
東京からドバイ 約3500万円 8046キロ

ニューノーマルを作るのは旅行業者自身

忘れてはいけないことは、ニューノーマルの基準を作っていくのは旅行業者自身ということです。

旅行業者は誰かがニューノーマルの基準を作ってくれるのを待っているだけでは、今までと変わらないツアーを販売せざるを得なくなり、トレンドから取り残されていくでしょう。

旅行業者はサービス提供業者や観光地の自治体などにアプローチして、一緒になって取り組んでいかなければなりません。

オーバーツーリズムの時もそうでしたが、旅行業者自身が旅行先を分散させなかったというのが原因の1つにありました。皆が同じところを訪れるツアーを作る、そして同じものを売る、また他の観光地を開拓しないなど、旅行業者自身が新しいものを作れなかったのが大きかったです。

今後ニューノーマルの基準を考えて、ツアーに反映していくのは旅行業者自身です。

以上となります。

今すぐにでもニューノーマルの観光や旅行を考えていきましょう。

それでは、良い一日を!