前回釣りに行った後、また少し腰の調子が悪くなってしまった左衛門佐。

頑張ってもなかなか良くならない腰と脚に心が折れ、

嫁さんに、

 

「もう、魚釣り引退するしかないのかなぁ・・・。」

 

と弱音を吐くと、

 

「あぁ!!そんな!!わたしが釣りに行けなくなっちゃうじゃない!!」

 

「治して!!今すぐ治して!!!!!」

 

と、逆に無茶ぶりされてしまった。

もちろん今でも週一で腰にブロック注射をしているが、

それでもやはりリハビリが重要ということで

ようつべを見て良さそうだと思われるストレッチを

空いている時間のほぼ全てを使って行った結果、

足の痺れこそまだ残るものの、

明らかに症状が改善される兆しが見えた。

やはり筋肉の緊張をいかにほぐすかがカギのようだ。

 

さて、そして週末である。

前回マゴチを釣って上機嫌な嫁さんはもちろん行く気満々。

イケスを覗くと・・・キスが3匹。

名人がまた入れておいてくれたようだ。

しかし流石にキス3匹だけでは足りないので

左衛門佐は昨日の夕方、サビキを持って新居の港に出かけてみたのだが

小さなイワシが2匹と小カマス2匹、ヒイラギ1匹しか釣れなかった。

・・・アジとサバはいったいドコ行っちゃったの??

 

「餌がNEEEEEEE~~~!!!!!」

 

と叫んでいたらいつも貢ぎ物くれる知り合いが

友人だという釣り餌屋からサイマキを20ほど融通してきてくれた。

でもちっちゃ!!

その代わり釣れたらなんかくれとか言ってたけど、

こんな小さなエビじゃ食えるサイズの魚なんて釣れんぞ。

今時期はこんな小さなサイマキ1匹100円で売ってるのか?

こりゃ保険にしかならんな。

 

たった3匹のキスに望みを託して就寝。

そして今日は寝坊することもなく4時半起床。

朝5時出撃。

 

”3匹”ってところがこれまたモメそうな数なのだが

この場合は早いもの勝ちだ。

 

もちろんポイントは競艇場横。

しかし、既に船いっぱい!!

おい、おまいら早すぎじゃ!!

 

おまけに遠州灘に向かうデカいクルーザーがバンバン通る。

アカン・・・、こりゃ釣りにならんわ・・・。

そんな中、釣り開始。

しかし、嫁さんいきなり貴重なキスの針掛けを間違える。

親針と孫針、逆に打っちゃったみたい。

そんなことしたらキス死んじゃうよ!!

 

一流しで競艇場横を諦める。

今日はタコ釣りの船も多いみたいだ。

正直流しやるには絶望的な状況だ。

 

「かあちゃん、どうしよう?これじゃ流しなんてとても無理だよ。」

 

途端に眉毛が八の字になる嫁さん。

 

「奥亀か・・・もうちょい奥、船のいないところまで上ろうか。」

 

「今日は鉄橋南も船と引き波で多分グチャグチャだと思うよ。」

 

釣れる釣れないは別として嫁さんにはもうちょっと穏やかに釣りをさせてやりたい。

大船団に背を向け、船のいない適当なところまで一気に上る。

ただ、浜名湖は奥へいくほど広くなるので

上げ潮の場合、奥へいくほど潮の流れは緩慢になる。

穏やかな雰囲気の中、釣り再開。

案の定、船の動きはスローだ。

 

「今日はちょっと厳しいかもね。」

 

そう言いながら少しでも底潮の効いていそうな場所を流してゆく。

こんな上で釣りをするのは左衛門佐も数年ぶりのことだ。

あまりにも古すぎる記憶を辿りながらも

感覚的にここ、魚居そうだな・・・と思われる場所を流していくと、

左衛門佐の竿先がズモモ・・・と重くなった。

 

・・・海藻?

 

メタリア・ライトヒラメM-245の竿先に全神経を集中させる。

 

・・・違うな。

これ、絶対魚だ。

 

最適と思われるタイミングで

バシン!!

とアワセを食らわすが、

一瞬、グニャリをした感触の後、軽くなった。

 

あ~、抜けたかぁ。。。

 

何で抜けるかなぁ。。。

今のは掛かってもよくね?

 

最後のキス。

この1匹だけやたらとデカイ。www

こんなん食える魚、居るんかいな。

 

「どうする?かあちゃん。下戻る?」

 

「戻ってサビキやった方がよくね?今日これ流し厳しいよ。」

 

そんなこと言っていたらまた例の如く、

 

ゴ!!ゴ・・・ッ。。。

 

・・・何か食った。

船の動きが超スローなのでラインはゆっくり出ていくだけだが

確実に何かが食った。

親指でスプールを押さえてほんのちょっとテンションかける。

・・・重い。

 

そのままゆっくり送り込んでいると、

 

ゴ。

 

一瞬だけまた咥え直す感触が伝わってきた。

 

・・・居るな。

そろそろか。

 

”カチン”とクラッチを入れ、

テンションが張るまで待つ。

グィ~とテンションが張るが船の動きがスローなのでまだアワセない。

テンションがMAXまできたところで

 

ガツンッ!!と食らわす!!

 

竿、満月。

まるで根掛かりしたみたいな重さ。

そして次の瞬間、

ガン締めだったドラグが、

ジジ・・・と少し出た。

それを見て驚愕した左衛門佐、瞬時に親指を弾きとばして

ドラグを数ノッチ緩める。

それと同時にジジジーーー!!!と出てゆくドラグ!!

これは・・・デカイ!!

 

凄まじいパワーでジー!!とドラグを引きずりだしていく魚!!

走るけど瞬発的だ。

青物でもバスでも無いな。

底物だと思うが・・・エイでも掛けちまったかな?

 

一瞬そう思ったが・・・でも違う。

エイにしちゃ瞬発力ありすぎ。

これ絶対マゴチだろ。

 

慎重に寄せにかかる。

ヒラメじゃないのに底切ろうとすると凄い重い。

これ、確実にロクマルいったな。

 

「かあちゃん、このマゴチ確実にロクマルいったよ。」

 

嫁さんにそう言いながら左脇でロックした竿を起こし浮かしにかかる。

 

「どうしよう?わたしタモ掬った方がいい?」

 

「とうちゃんが掬うからいいよ。ネット貸して。」

 

何となくだが針掛かりは完璧に思えたので少し強引に浮かせてみると、

久しぶりに見るデカいマゴチの姿がゆらりと見えた。

何の躊躇いもなく、「デカイ」 という言葉を使えるサイズだ。

 

「え??何コレ、ヒラメ?ヒラメなの??」

 

頭がマジでクソデカイのでヒラメに見えた嫁さん。

 

「マゴチだよ、マゴチ。大きいね。」

 

ゆ~っくりと寄せてタモをザブン!!

よし、獲った!!

 

重い!!

これ、絶対2kg超えてるだろ。

 

頭のデカさと横幅が半端ないのでパッと見、ロクマル後半に見える。

ひょっとして・・・とドキドキしながらスケールをあててみるが、

意外と長さは無く、思ったより小さい65cmだった。

 

左衛門佐のレコードじゃないけど、それでも久しぶりに見るサイズのデカマゴチ。

これはいい魚だぁ。。。

 

左衛門佐の1本目。マゴチ65cm。

 

頭デカっ!!男としてもかなり大きい左衛門佐の掌よりも大きい。

 

これは完全に産卵を控えたメス個体だね。

完全な腹パンとまではいかないが、卵巣はかなり発達していそうな感じだ。

お腹には卵一杯って感じ。

針が見えなかったので飲まれたか?と一瞬焦ったけど口の中覗いたらあった。

ホッ、良かった~。

この子は当然リリースだからね。

これだけの大型個体が放出する大量の卵はとても貴重だから。

どのみちロクマル超えてるような大型魚は食べてもクソマズイだけだからね。

数年後に自分がまた楽しむために百万匹のマゴチの稚魚が産まれた方がずっといい。

ちなみに左衛門佐の場合、産卵を控えたロクマル以上のマゴチと、

40cm未満の小型個体は針を飲まれていない限り必ずリリースすることにしている。

別に押しつけがましく言うつもりは無いが、

マゴチはヒラメと違い、稚魚放流されていないのであくまでも資源量は

天然魚の産卵数に依存せざるを得ないという事実だけは頭の片隅に置いておいてもらいたい。

 

さて、釣りを再開。

左衛門佐はもうこれしかないのでサイマキ。

嫁さんのキスはやはり最初のダメージが効いたのか既に昇天してしまっていた。

あ~あ、勿体ない・・・。

 

「どうする?」

 

と聞くと、

 

「ヒイラギ!!」

 

何ィ!?正気か??この女!!

 

しかしその後は予想通りサーッパリ!!

やっぱ全然ダメ。

・・・でもやっぱキスは凄えなぁ。。。

対ヒラメでもマゴチでもやっぱ浜名湖はキス最強だよ。

他の餌じゃ釣れんときでもキスの餌なら釣れる。

浜名湖でヒラメやマゴチ釣りたきゃキス持ってくのが一番。

 

「戻って港でサビキやろうか?」

 

また南へとバウを向ける。

競艇場横へ戻ってみると、

凄い数の船と引き波でカオス状態と化していた。www

何コレ。www

 

高架下から鉄橋南も半端ない船の数。

やっぱタコ釣りシーズンの船の数半端ないな!!www

 

 

さて砂揚場、港に到着。

夫婦で必死にサビキ振るも何も釣れず・・・。orz

 

「かあちゃんポイントでサイマキで少し流して帰ろうか。」

 

しかし行ってみると意外にも風が強かった。

どうやら西風には強いが東風には弱いらしい。

 

遊び半分で流し開始。

ボ〇ズ回避したい嫁さんは半分本気。

 

「キターッ!!」

 

鬼アワセが炸裂するたびにクソデカい太郎。

・・・まあ、エビ餌だもんな。

 

太郎の猛襲が凄すぎてマダカすら釣れず、

 

「もう帰ろうか?」

 

左衛門佐の言葉にシュン・・・とした嫁さんだったが最後の一流しで見事に掛ける!!

流石は嫁!!

でもちっちゃ!!

この子、ウチの水槽にいる子たちと変わらんのじゃね??www

 

 

「さあ、帰ろうか。」

 

午前9時過ぎ、帰港。

桟橋に着くと凄腕ヒラメハンターのお兄ちゃんや別荘のお兄ちゃんが居た。

しばし談笑、情報交換。

「餌が無い!!」と言ったら、

ヒラメハンターのお兄ちゃんが貴重なキスを少し分けてくれた。

ありがとう、お兄ちゃん。

 

嫁さんと二人、テクテク家へと歩いていると

隣家の師匠がせっせとアサリを剥いていた。

聞けば昨日掘りに行ってきたんだそうな。

秋のカワハギ釣りの為に冷凍しておくんだそうな。

 

「全部剥いたらウチの味噌汁の分が無いだろ!!寄こせ!!」

 

と味噌汁分を強奪して今日の釣りは終了。

嫁さんと二人で、

 

「疲れたね~。。。」

 

やっぱ船多くて引き波でダバダバだと疲れるよね。

そう思わない?

 

まあ今日は1本しか獲れなかったけど、

でも久しぶりのロクマルマゴチだったから満足だった。

ヒラメのロクマルと違ってマゴチのロクマルはなかなかお目にかかれないからな。

 

さて・・・。

風呂入ってビール飲んでまたストレッチしてリハビリだな。

一日でも早くこの不自由な足が治るように。。。