今日は、不登校・ひきこもりの当事者・家族のシンポジウムに行ってきました。僕も短い時間でしたが、たくさんの人たちの前で子供たちの近況について話をしました。それから、ゲストの方の講演、その後のグループ交流。出会いあり、再会あり、考えさせられることあり、慣れない道を会場まで車で2時間はチョットきつかったけれど、行ってよかったです。いっぺんには書ききれないけれど、3回ほどにに分けて書いていこうと思います。
ゲストの方の講演は僕の考えていることにとても近いものでした。ゲストの方は保護犬団体の代表で、できうるかぎり殺処分対象の犬たちを引き取り、保護して、里親を探す活動をしています。そしてなんと、その活動をしている人たちの多くが、ひきこもりの人たちなのです。この団体は動物保護活動とひきこもり支援を結び付けようというユニークな取り組みをしています。
ひきこもっている人たちも、なんとかその状況から抜け出したいともがいています。なにも好き好んでひきこもっているわけではありません。ただ、そのきっかけをつかむことがとてもむずかしいのです。堂々巡りの苦しいループにはまってしまってどうにもならないでいるのです。そんな時、ひきこもっている人に一緒に保護犬活動をしようというこの団体のメッセージを受け取り、犬好きのひきこもりの人たちが集まってきます。それは清水の舞台から飛び降りるような、あるいは藁にも縋るような気持ちでしょう。
代表をはじめスタッフの人たちは、「ひきこもり支援」をことさら全面には出しません。ただ一緒に犬たちの幸せだけを考えていこう。そういうスタンスでいます。「犬の世話をして何になる。」と思われるかもしれません。それよりも働くこと、あるいは勉強をすることを考えるべきだろう。そう思われるかもしれません。でも、小さな命の幸せを考えることはとても大切なことだと思います。そんな活動の中で、今まで気づかなかった自分に気付いて、それを新たなスタートラインにして新しい歩みを始める。最初はなんとか施設にたどりつくのが精一杯。でも、犬たちのために何かをしたいから、少しづつ、少しづつ、自分にできることから始めていく。人によってペースは違いますが、やがてこの場から様々なところに巣立っていく。すべてのひきこもりの人にマッチするわけではありませんが、、ひきこもりの堂々巡りのループから抜け出すきっかけのひとつであることはたしかだと思います。まず就労、就学ありきでは、ひきこもりの人たちを追い詰めるだけだと思います。
どんなことでもいいから、自分の可能性に気付くこと。それが大切だと思います。これはひきこもりの人たちだけのことではありません。自分の生活に違和感を感じ、自分が自分でないような気持にとらわれてどうしようもなくなったら、新たな自分を探しても良いのではないでしょうか。
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