沈みゆくままに  うつ病にさからわない | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 うつ病になったときの感覚は今でもよみがえる。今でもありありとよみがえる時がある。

 暗い海の底に沈んでいく感覚。身動きもできないまま海底にゆっくりと沈んでいく。明るい海面はどんどん遠ざかっていく。それはとても怖いことだ。怖くて怖くてどうしようもない。もう自分はダメになっていくとしか思えないから。もう二度と日の当たる場所には戻れないと思えるから。とても怖くて、だからもがく。でも、どれだけもがいてもどうにもならない。

 うつ病は、もがけばもがくほど締まっていく拘束衣のようなものだ。誰だって早く治らなければと思う。早く治って、いつも通りの生活をしたいと思う。でも、もがけばもがくほど拘束衣は締まるばかり。息ができない。動けない。もう人生は終わってしまうのか。もう、絶望しかない。そうしてよけいにもがいていく。それはたいがいろくなことにならない。

 だから、いっそ沈むに任せたほうがいい。いつかもうそれ以上は沈まない海の底に届くから。

 そこは日の光一筋さえ届かない暗闇の世界だけれど、目を閉じて、呼吸を整えよう。そして海底の水の動きにゆらゆらと身を任せよう。暗闇を味わい尽くさなければ、浮かび上がる機会もないと思う。恐怖でもがいているうちは何も手につかめない。暗闇を棲家にしてはじめて、海面を見上げることができる。いずれ体が浮力を感じるようになるだろう。そうすれば、ようやく海面に向かって昇っていくことができる。それはいつ、半年か、1年か、それとも10年先か、と問うのはやめよう。それもまた、もがくことだ。もがいたら、ろくなことにはならない。

 待つ勇気というものも必要だ。これはとても肝心で、とても大切なことだ。でも残念なことだが、周りが待つことを許してくれないことが多い。待つ勇気があり、待てる環境にある人は幸いだ。待たない周りに首を絞められて殺される人がどれほどいるだろうか。これは、うつ病患者だけに限らない。他の精神疾患の人や、ひきこもりの人たちにも言えること。ゆっくり機会を待って欲しい。そして周りもゆっくり見守って支えて欲しい。

 

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