義務教育って何だっけ | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 不登校をして小中学校に行っていないと、義務教育違反ではないかと言われることがある。インターネットの掲示板でもそういった書き込みが見られる。義務教育だから学校は行かなくてはならないところ。そこに行っていないのは法律違反。精神的に追い詰められて行くに行けない状態の子供がそんな書き込みを見たら、どれほど悲しく行き場のない思いになることだろう。行けるものなら行っている。それができないから苦しくてたまらない。そんな状態の時に、義務教育違反などと言われたら、傷口に塩を塗り込まれるようなものだろう。

僕自身もそんな書き込みを見ると、親としていたたまれない気持ちになった。子供たちは好き好んで不登校になっているわけじゃない。楽しく学校に通えていたらどんなに良いだろう。でも、子供たちを見る目は、やはり学校に通えていない問題のある子なのだ。特に息子は、「自分はダメな奴。」という思いと必死に戦ってきたと思う。結局中学は1日も行けずじまいだったが、定時制高校は風邪で熱を出した時以外は休まず、通信制高校の単位履修生にもなり、3年間で卒業して専門学校に入学した。息子は定時制高校の卒業記念で貰った記念品の印鑑を銀行の届け出印にして今も使っている。「定時制高校は自分が通った学校なんだ。」と息子は言う。

僕は子供に小中学校に通うことを、まったく働きかけなかったけれども、それでも子供たちは学校に通えないことを追い目に思っていた。もっと胸を張れるようにしてやれなかったのは僕の至らないところだった。僕自身ももっと自信を持って子供と向き合うべきだったと思う。それでも息子は今、働きながら通信制大学で学び、未来に向かっている。娘のことはあるが、娘には娘の人生があり、僕は僕で胸を張っていればいい。

義務教育違反についてだが、明らかに義務教育違反と言えるのは、子供の「学ぶ権利」を無視して、親の都合で使役ないし遺棄した場合だけだ。不登校自体は悪いことでも良いことでもない。ただ子供の「学ぶ権利」をどう保障していくかを考えることは明らかに親の義務だ。子供の知的好奇心を妨げることなく、若木が伸びるのを見守るように助力することは親の務めだと考える。学校に行っていることだけで学べているとも言えない。嫌々行っている学校で、「学び」ができているとはいえないだろう。「学び」は既存の学校に自動的にあるのではない。時にはその子に適した「学びの場」を学校に限定しなくてもいいだろうと思う。そのことについてはこれからも折に触れて書いていこうと思う。

 

ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります。


人形・ぬいぐるみランキング にほんブログ村 ハンドメイドブログ 布人形へ
にほんブログ村