たとえば、あのこんもりとした杜に棲む者のことを想う。
それは人でもなく獣でもない何か。
それを何と言いあらわすことができるだろう。ただ、
それが、「いるわけがない。」、と決めつけた時、
物語は決して始まりはしない。
「ない」は終わりの言葉。
「ある」は始まりの言葉。
あの丘のような杜に古代の守り人が棲むと考えたら、
何かが始まるような気がする。
なにしろ、この土地の地名の数々はもともと僕らの言葉ではなくて、
まるで後から無理やり漢字をあてはめたように思えるから。
その言の葉を守る見えない者がまだいるような気がするから。
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