夏雲に向かって自転車を走らせた
ゼロから始まった僕はゼロへと還っていく
ゼロとゼロの間をどう生きようか
それが子供の僕に課せられた命題
自転車をこいで砂利道を走るよ
樹々の緑が流れていくよ
瑠璃色の蝶がすれ違っていく
太陽はやがて年老い
赤い巨星となって空を覆う
大地は赤茶けて干からびて
生きてるものなんか何もない
それは40億年後の世界
さあ、ゼロとゼロの間をどう生きようか
僕は涙をぬぐいながら自転車のペダルをこいだ
まっすぐに空まで伸びる農道を走った
自転車で宇宙(そら)まで行けるわけはないけれど
もしも行けたなら僕は流星になろうと思う
そして真っ赤に燃え尽きてゼロに還ろう
(もしかしたら僕は相変わらずなのかもしれない。)
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