曽根スウプです
シリーズでお届けしていた
厳選ホラー紹介から一転
今回から
名作だ
と思う
小説ベストをお送りします
背景色もホラー感がなくなり
柔らかくなりましたよ
はいはい
見ていってください
ほら怖くないですよ~
名作というからには
『アルジャーノンに花束を』
を
入れないわけにはいかないと、
恥ずかしながら10数年前に
購入したっきり
まだ読めていない本を
引っ張り出して読み始めたものの・・・
やはり辛過ぎて挫折。
あー、駄目だ。
この手の話は辛い
「いつか読みたいリスト」
に入れて久しいですが、
また先送りに
というわけで、
アルジャーノンは外して
敬称略にてお送りします
『家族八景』
筒井康隆
筒井さんも
どれを挙げて良いのか悩みましたが、
美しき精神感応者(テレパス)七瀬
を主人公とした連作集である
本編に決めました。
七瀬は自分の能力を隠す為、
短期のお手伝いさんとして
様々な‘家庭’に入り込みますが
そこで普段は隠されている
ドロドロした人の心の奥底や、
見なくてもいいような
荒んだ家族関係を見る破目に
なってしまいます。
その辺りの心理描写が
気分が悪くなるくらい見事です。
精神感応能力を発揮する時の
「かけがねを外す」
読まないよう
心を閉ざす時の
「かけがねを掛ける」
という表現が面白いです。
どれも良いですが、
死んでも息子の心を
支配しようとする母親
(今で云うモンスターペアレント)の
凄まじいまでの
(間違った)盲愛を描いた
『亡母渇仰』は、
心底ゾッとしました。
続編の
『七瀬再び』
『エディプスの恋人』
もいいですが、
これが一番面白いです
『ベター・ハーフ』
阿刀田高
短編の名手の作品を
一つに絞るのは難しいところですが、
初めて出逢って
衝撃を受けた記念的作品として
これを挙げたいと思います。
男に隷属する生き方を
良しとしない美しいヒロインは
決して
妥協する事無く生きてきましたが、
共に熱く語った友人の
心変わりに失望します。
理想の相手など
見つからないのだろうか・・・
と落ち込みかけたところで、
運命の出逢いが・・・。
恐らく
映像化不可能な話でしょう。
小説ならではのオチに
ニヤリとしたり、
薄ら寒いものを覚えたり
ヒロインの心情を思って
切なくなったり。
「この後どうなるのか?」
というところで終わる、
こういうラストって好きです
『告白』 湊かなえ
最近の作品では
最も衝撃を受けた話です。
愛娘を殺された
と爽やかな口調で生徒たちに
「告白」
する女性教師の、
少年犯罪や犯罪被害者、
モンスターペアレント等への意見が
「その通り!」
と頷きたくなるくらい痛快です。
こういう事を正面切って
はっきり書かれた作家様は
いらっしゃらなかったのでは、
と思います。
復讐は駄目だとか、
殺された子供は
そんな事望んでいないとか、
そんな話が多かったような。
教師の復讐
二人の「犯人」や
彼等を取り巻く人々の思惑が
入り乱れて引き込まれますが
一番印象に残り、
かつ憤りを覚えたのは
いわゆるクレーマーで我が子を溺愛し
息子の「罪」を知って
無理心中を図った
共犯少年の母親よりも、
自分の夢を
子供に邪魔されたくないと
虐待を加えながら、
最後に綺麗事を並べたてて
去っていった主犯少年の母親です。
一番タチの悪い親だと思いました
この母親さえ
子供をちゃんと愛していれば、
痛ましい事件は
起こらなかったのでは、
と思います。
その辺りをよくわかっていた
教師の復讐は
最も効果のあるものだったでしょう。
今一番気になる作家様です
前回のホラーシリーズ
ランキング記事が
好評で
ありがとうございます
好評いただいたからって
今回もランキングは・・・
あります
なので
またまたご一緒に
今シリーズも
よろしくお願いします
スウプさんの推しが
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11/24ありがとうございます
Special thanks