動物や昆虫の能力を模倣した「バイオミミクリー」の発想が興味深い

身体拡張デバイスってご存じでしょうか。すでに実用化しているロボットスーツなどのパワードスーツ(筋力の身体拡張)は、ニュースなどで見たことがある人も多いのでは。その他、聴覚の拡張、コンタクトレンズ型の視覚の拡張装置、脳波を読み取り義手の遠隔操作をする技術なども開発中のようです。

 

少し前にこんな記事を見ました。

 

shiropen.com

 

動物や昆虫の能力を模倣して新しい技術を開発するバイオミミクリーというものがあるのですが、その研究を使い脊椎動物の尻尾を模倣したデバイスが発表されたという記事です。

自然界の生物の仕組みを分析し実用化されている技術はいろいろありますが、蚊の針を模倣した注射針などが有名でしょうか。テラフォーマーズという漫画を見たことがある人はイメージしやすいかもしれませんが、あの漫画では人間に昆虫や動物の身体能力を移す手術を行って宇宙で生きられる身体改造手術を行っていますが、このバイオミミクリーでは生物の構造を科学的に解析して模倣しています。

 

この研究チームが開発した提案装置は、尻尾型のデバイスによって体のバランスが保たれるというもののようです。見た目かなり重そうですが、どうなんでしょうか・・・

慢性疲労症候群というのもあってか、ここ数年疲労が激しいので、背中などの体の芯を支えるものが欲しいなあと思っていました。そこへ、この記事です。

このデバイスは、タツノオトシゴの骨格構造をベースに作成された恐竜の尻尾のような外観ですが、これをネコ科で作って欲しいですね。

ライオン、トラ、またはキツネでもいい。身に着けるものには滑らかさが大切です。

 

以前、ブライダル向けの美しいフォルムの車椅子を見る機会がありましたが、長時間座りやすいかということは置いといて、大変美しかった。身体の一部のように見えるというのはこういうことかと思ったものです。車椅子にしても、杖にしても、身体の一部として利用するからには自分でしっくりくるものを使えたらいいですよね。

 

やはり高い機能性や見た目はそれだけの費用がかかるようですが、必要な人に必要なものが届くようになっていって欲しいです。

 

数年前にはアメリカの大学で「脳内の映像の出力」などもすでに実現しているようですが、SF小説のような未来もいつかはやってくるのでしょうか。ふと、アン・マキャフリーの小説「歌う船シリーズ」のシェルパーソン(殻人)ヘルヴァが頭に浮かびました。生まれつきの重度の障害によって体の成長が望めないが脳は正常な子供が金属製のシェル(殻)の中で生命を維持・成長し、宇宙船を体としてパートナーと共に宇宙探査の任務を行うというSF小説です。

 

脳内の記憶の映像化といえば、清水玲子の漫画「秘密」もそうですね。 

 

バイオミミクリーの技術が進んでいくと、それこそテラフォーマーズのように人間が生きるに適さない環境でも適応できる技術が生まれるのかもしれません。SF小説を読まなくなって10年くらいたつのですが、久しぶりに読みたくなってきました。

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