【スノーボードと身長の関係③】高身長と低身長の特徴を考慮したカービングターンの技術

【スノーボードと身長の関係③】高身長と低身長の特徴を考慮したカービングターンの技術 カービング

カービングターンをメインにしたスノーボードと身長の関係について考えて、三記事目になりました。

これまでの記事で、

・高身長の方は「板に力が加わりやすい」反面「傾きに時間がかかる」

・低身長の方は、「傾きにかける時間が短い」反面「体重や筋力が少ないと力が加わりにくい」

というお話をしました。

このような特徴はありますが、「やり方次第で、ある程度のことはできる」と考えています。

そこで、今回は「滑り方」に焦点を当てていきます。

滑り方の技術は様々ありますので、自身に合った滑り方を見つけるための一つの参考材料として見てみてください。

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身長による限界はない!カービングターンの可能性

スノーボードのカービングターンにおける身長によるメリットとデメリットについて、以前の記事で細かく書きました。

そして、先程もお伝えしましたが、身長によってデメリットはあるものの「やり方次第で、ある程度のことはできる」と考えています。

さらに現在は、道具の進歩もあり、今まで以上に多くの方がカービングターンの楽しさを感じやすくなってきていることでしょう。

だからこそ、今回は「自身の滑りの可能性を広げるために、身長の特徴を踏まえた上で滑り方を考えてみよう」という内容にしています。

身長の特徴については、下記の記事に書いていますので、よろしければ読んでみてください。

それでは、身長の特徴を踏まえた滑り方について書いていきます。

高身長のデメリットを緩和!雪面に近づくカービングターンもできる

高身長のデメリットの中に、「傾きに時間がかかる」というものがあります。

そのため、「雪面に近づくカービングターンがしづらい」とも言えます。

特にターンを繋げつつ、低い姿勢で滑るのは難しく感じることでしょう。

だからと言って、できないことはありません。

雪面に近づく滑りをすることは可能です。

ということで、このデメリットを緩和するための方法をお伝えしていきます。

ポイントは、「基本姿勢や切り替え時に、低重心を意識する」ことです。

■基本姿勢の高い姿勢と低い姿勢のイメージ

高い姿勢と低い姿勢の画像

上記の画像では、高い姿勢と低い姿勢の基本姿勢のイメージです。

この低い姿勢の状態で、傾いたときのイメージが次の画像です。

■切り替え時の低い姿勢のイメージ

切り替え時のトゥサイドとヒールサイドの低い姿勢の画像

基本姿勢から低重心にしておくことで、高い姿勢のときよりも雪面に近い位置に重心があることになります。

そのため、切り替え時から雪面に近づき体勢が整っていることになります。

しかし、ここで注意点があります。

低重心を意識するあまり、トゥサイドで内倒しやすくなるということです。

内倒する理由は人それぞれありますが、解消しやすいポイントは3つあります。

・上半身と腰の向きを進行方向に向ける
・腰が引けないようにする
・股関節を曲げる

このそれぞれのポイントをもう少し詳しくお伝えしていきます。

■上半身と腰の向きを進行方向側に開く

高身長に限定できませんが、座高が高い場合、板に対して完全に横向きにしてしまうと上半身がターンの内側に倒れやすいです。

座高が高い画と横向きでトゥサイドターンをしたときのイメージ

これを解消するために、意識的に上半身と腰を進行方向側に向けるようにするという方法があります。

これを気にすることで、結果的にトゥサイドターンのときに内倒しづらくなります。

上半身と腰を進行方向側に向けたときのイメージ

■腰が引けないようにする

先程の上半身と腰の向きの話に関連しますが、横向きの状態で腰が引けてしまうと、お尻が板からはみ出しやすいです。

腰が引けているイメージ

上記の画像は、左が正面から見たときで、右が横から見たときのイメージです。

この状態でトゥサイドターンを行っても、腰がターン内側に移動させづらいので板が立ちづらく、バランスも取りづらい状態になってしまいます。

低い姿勢を意識しすぎて上体を前に被せると、腰が引けやすいです。

低重心でも腰が後ろに引けない状態を意識できると、バランス良くターンがしやすいでしょう。

腰が引けていないトゥサイドターンのイメージ

■股関節を曲げる

すでに、「低重心にするときに股関節を曲げている」という方もいるかと思います。

しかし、もしかしたら股関節を曲げれていないかもしれません。

勘違いしやすいのが、「腰から背中にあたる部位」をメインに曲げていることです。

腰から背中にあたる部分を曲げているイメージ

上記の画像では、股関節ももちろんある程度は曲がっていますが、メインではありません。

股関節は、脚の付け根にあたる場所です。

股関節の画

股関節を上手く屈曲できれば、上体を起こしたまま、低重心の姿勢を作ることが可能と言えるでしょう。

股関節を曲げた低重心の基本姿勢

これらのポイントを頭に入れた状態で、滑ることができると雪面に近づきつつもしっかりとしたターンがしやすくなります。

ちなみにトゥサイドターンの内倒解消法は、下記の記事に書いていますので、参考にしてみてください。

ヒールサイドターンで雪面に近づく滑りに関しては、下記の記事にやり方を書いています。

高身長のメリットを活かす!反発のあるカービングターン

高身長のメリットと言えば、「板に力を伝えやすい」ことでしょう。

このメリットの理由は、下記の記事に細かく書いています。

このメリットを活かすことで、反発力のあるカービングターンができます。

やり方は色々ありますので、ここではその一部を紹介します。

ここで紹介するのは、

・高めの姿勢で大きく傾く滑り
・低重心で切り替えて脚部を伸ばす滑り

です。

■高めの姿勢で大きく傾く滑り

高めと言っても直立した状態ではなく、ある程度板を押さえられるよう最低限の関節の屈曲はしておきます。

その状態から「速く傾く」ことで、板に力を与えやすくなります。

速く傾くイメージ

ただし、速く動くということは、それだけバランスを崩しやすくなりますのでご注意ください。

■低重心で切り替えて脚部を伸ばす滑り

低重心のため、高い位置からの恩恵を受けづらくなりますが、高身長の方は脚部を大きく伸ばすことができます。

そのため、同じ低重心の姿勢であっても、低身長よりも板に力をかけやすいと言えるでしょう。

しかし、脚を押すように伸ばすにも限界はあります

特に、角付けが強くされた状態ではエッジが引っかかり、板を押すことが難しいです。

イメージでは、壁に向かって必死に脚を伸ばしているような感じです。

角付けが強くて脚を伸ばせないイメージ

そこで、考え方を変えてみましょう。

伸ばすことができなければ、「自身が板から離れればいい」のです。

そのときに「骨盤」を中心に離していきます。

骨盤の位置を板から離すことで、結果的に脚が伸ばせます。

骨盤を離していくイメージ

このように脚が伸びるということは、接地している足元は雪面を押していることになります。

そして、作用反作用の法則により「押し伸ばす」も「離れ伸ばす」も同様の力が支点を軸に加わることになります。

なお、「板を押す」「骨盤を離す」を単体で考えるのではなく、「板を押しつつ骨盤を離す」という合わせた考えもありますので、やりやすい方法を行うのが良いかと思います。

そして、返ってくる板の反力を活かして次のターンに切り替えていくことで、反発力のあるダイナミックな滑りができることでしょう。

低身長の特徴を活かした滑り!角付けをメインに使う

低身長と言っても、子供なのか大人なのか、はたまた男性なのか女性なのか、で感覚は全然違うかと思います。

大人の男性なら、筋力も発達しているため、力強くかつ速く傾くことができるでしょう。

反対に女の子の場合は、筋力がつきにくいこともあり、動きが遅くなることもあります。

これらのことから、人によって感覚は違うかと思います。

しかし、総じて低身長の方は、短い板から長い板まで選べる幅が広いということが言えるでしょう。

また、雪面との距離が近いため、「速く雪面に近づくことがしやすい」です。

イメージとしては、速いピッチのメトロノームのような感じです。

速いピッチのメトロノーム

これらの特徴を掛け合わせると、「低重心を利用した滑り」が、大きな武器になり得ます。

長い板を選ぶと安定感を得やすいので、速く体を傾けることで深めのターンが可能です。

一方で、短い板は操作性が良いという特徴に合わせて、早いタイミングで動作を行うことで、回転の速いショートターンが可能です。

このように、低身長の特徴でもある元々の低重心のメリットを利用するために、「強い角付け」や「角付けのコントロール」など、角付けメインに考えると特徴を活かせることでしょう。

低身長でも力強いカービングターン!ポイントはタイミングとスピード

低身長で力強い反発力のある滑りをすることを考えてみましょう。

ここでも滑り方としては、脚を伸ばして圧をかける方法をベースに考えていきます。

まずは、脚を伸ばすタイミングを考えていきましょう。

板をたわませたいなら、ターン後半に差しかかったところ(時間で言う4時や8時)で脚が伸びきっていることです。

実際には遅くなりやすい傾向にありますので、意識的にはもう少し早くするイメージを持っておきます。

ということで、ターンが膨らむところ(3時や9時)で脚を伸ばしきる意識をしたいところです。

低身長の傾きの速さを活かして、早めに角付けのピークを作る意識を持ちつつ、それに合わせて脚を伸ばしていくことで、実践しやすいかと思います。

なお、角付けが強く脚を伸ばすことが難しければ、逆に板から骨盤を離す意識を持つと良いでしょう。

また、もしさらに板に高負荷をかけたいのであれば、滑走スピードを上げてみましょう。

滑走スピードが上がれば、慣性力(遠心力)も強くなるため、結果的に板に高負荷を与えやすくなります。

滑走スピードを速めたいのであれば、横に膨らみすぎないように、「落下を意識したライン取り」をしたり、「減速要素を減らす」ことを意識すると、滑走スピードを速めることも可能でしょう。

まとめ

今回は、高身長と低身長の双方に向けた滑り方をテーマにしてみました。

なお、今回取り上げた滑りが正解ではありません。

滑り方は創意工夫することで、新しい滑りが生み出すことも可能です。

また、滑り方は人によって相性もあるでしょう。

他の方と全く同じ方法で、同じ効果が得られるとは限らないので、あとは自身の特徴も踏まえて合う技術を選ぶのが上達の近道になると考えています。

色々と試して自身の滑りを見つけてみてくださいね。

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