|
カテゴリ:二次小説
「言ったでしょ、私は基本的には古風なんだって。続きはベッドで!」 「そんなぁ・・・」 第12話 文末
僕はベッドの中で香瑠を待っている。 僕のことを全部洗ってくれたあと、今、彼女は自分自身に磨きをかけている。もう充分奇麗だし・・・もう待てないってみんな言ってる。(誰かさんと、左手のナイトと、そして僕・・・)その中で一番落ち着きのないのが僕だ。 香瑠を待っている間に傘をさしておいた方がいいのか、それとも雨が降り出してからの方がいいのか? 40歳にしてこの有様。ぼくの今までのセックスライフが、砂漠に雨が降るようなものだったから仕方がない。この10年間ただの一度も砂漠に雨は降らなかったのだから。 でもそれで良かったんだ。これからは毎日だって(確か、むかし、香瑠はそう言ってた・・・) 香瑠と二人っきり。極上の雨の恵みを共にする事となる。あの香瑠と、である・・・。
今年の正月も0.02をコンビニで買っておいた。(香瑠があっちに行ってから毎年、正月に新しいものに買い替えている) 枕の下へ押し込んでいる最中、ぼくの耳がある音を捉えた。それは聞きなれていたが、昨日まではぼくの耳元で聞こえていたあの音。香瑠が顔を出した。彼女がバスルームのドアを開けた音だった。
ねえ、と言ったあと、香瑠は僕を悩ませ続けながら言った。 「このままの格好でそっちに行って欲しいの?」 え?僕はそれしか言えなかった・・只今脳内混乱中! 「だって、ここにはバスローブが見当たらないわ」
「お待ちしておりましたわ」 彼女は、してやったりという顔をしてそう言った。 香瑠はバスローブを、ぼくはトランクスのまま。二人は10年前と同じ姿勢でベッドに横たわり、永い、長いキスをしている。香瑠はその長く細い指でぼくの髪をなでてくれている。ぼくは右手を彼女の肩へ回し抱き寄せる。
おかげで僕も鼻息が荒くなってきた。なのに彼女はぼくの唇を離れ、一度大きく息を吐いてから言った。
「今ちよっと忙しいんだけど」
「分かった、何のこと?」 「それって、あのこと?」 「そうか、なら誰かさんにもそう伝えといていいの?」
話してる間に、その誰かさんから早速情報が送られてきた! 新年あけましておめでとうございます。 いつもお読み頂きありがとうございます。 令和2年も、ポチっと応援、どうぞよろしくお願い致します。♪
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[二次小説] カテゴリの最新記事
|