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自分の子供がいじめにあったら?「ウワサの保護者会」

ウワサの保護者会

Eテレで2019年10月19日放送の「ウワサの保護者会」
テーマは「いじめ 相談してほしいけど・・・」
※再放送は10月26日(土)午後0時30分~

自分の子が学校でいじめを受けていたとしたら・・・?
親としては、一人で抱え込んで苦しまないで相談してほしいって思いますよね。

ですが、多くの子供はなかなか親に相談してくれません。

今回のテーマは、そんなとき「親はどうすればいいんだろう?」「親にはいったい何ができるんだろう?」というテーマでした。
今回は、Eテレの番組「いじめをノックアウト」とのコラボ回ということでMCの高橋みなみさんがゲストでした。

結論としては、相談してもらうために親にできることはほとんど無いということがわかり、愕然としました。

ただ、子供がやっとの思いで親に相談してくれたときに、親はどんなことに注意すればよいかという点は参考になりました。

なぜ親に相談してくれないの?

調査によると、いじめを受けたとき親に相談した中学生は34%。
いじめを受けた経験のある子のうち3人に1人しか親に相談できていないのだとか。

相談できない理由は

  • プライドが傷つく、恥ずかしい
  • いじめられていることを認めたくない
  • 学校でのつらい現実を家にまで持ち込むことになる
  • 親に迷惑がかかる
  • 相談してもどうせ変わらない
  • チクッたと言われる

など、いろいろあるようです。

「相談すると親に迷惑がかかる」というのは、親からすると絶対にちがう!と思うのですが、毎日忙しそうにしていて子供にそう思わせてしまうのかも・・・と反省しました。

専門家として出演していた「NPO法人ストップいじめ!ナビ」副代表の須永祐慈さんは、子供の気持ちをこのように説明していました。

自分の気持ちの器をコップに例えると、いじめられてストレスが溜まっていても本人的には八分目くらいならまだ余裕があると思って言わない。
体調を崩すくらいつらいのはコップが溢れている状態。溢れてからようやく親に「もうダメだ」と言わざるを得なくなる。

溢れてしまう前に相談してもらうにはどうすればよいのかを知りたかったのですが、番組を最後まで見ても、早めに相談してもらうために親ができることはほとんど何も無いように感じました。

言っても解決しないと子供たちは知っている

なぜ親に相談できないかという話の中で尾木ママのコメントがとても印象的でした。

親に言わない子の心理は、親に言うと学校の先生に相談されるんじゃないかとか、話が広がっていく(のではないかと不安だから)。
学校の先生が解決してくれる見通しがあればいいけど、多くの場合失敗しているのを子供たちは知っている。
まだ信じきれない部分があると、なかなか親に言いづらいという気持ちになる。

これは本当にその通りだと思います。

わたしも親として、自分の子供がいじめをうけているのなら相談してほしいと思いますが、では相談してもらったら解決できるのかというと、それは難しいような気がします。

先生に相談しても無駄かなぁ・・・とか、相談してうまく対処してもらえなかった場合、余計にいじめがひどくなるのでは・・・と考えてしまいます。

もちろん、実際そういう事態になれば、あらゆる手段を検討して解決に向けて動きたいと思いますが、今のところ思いつくのは「つらいなら学校に行かなくていいよ」と言ってあげることぐらいでしょうか。

でも、この「学校に行かなくていいよ」という言葉でさえ、いじめを受けて悩んでいる子供には安易に言うべきではないと知って驚きました。

「学校に行かなくていいよ」も子供を苦しめる!?

番組では、中学時代にいじめを受けていた女の子がその当時のことを語っていました。

その子は、いじめに耐えながらも毎日学校に通い続けました。
なぜなら、希望する高校へ進学するには出席日数、内申点が必要だったから。
行きたい高校があって、中学では楽しめなかった分、その高校で絶対に楽しみたいと。
そのためには絶対に成績が良くなければいけない。

そう思って無理して学校に通い続けたストレスを親にぶつけ、限界がくると親に「殺してくれ」と頼んだこともあったそうです。

そんな状態なら当然親は学校なんて行かなくていい、休めばいい、と言いますよね。

その子のお母さんも、希望の高校へ行きたい(から出席日数が必要)という娘の気持ちを尊重して「休み休み学校に行ったらどうか」と提案したそうです。

ところが、

  • わたしは行こうとしてるのになぜそんなに簡単に休んだらというの?
  • わたしの気持ちをわかってないのに言わないで
  • 学校の状況を本当に見たことないのに言わないで
  • その助けはいらない。わたしはただ学校に行きたいだけ

と、返って子供を苦しめることに。

お母さんはこのように語っていました。

親の思いは心配だったり娘のことが大事と思って言ってるけど、娘には伝わらないなと思っていた。
これで本当にもしも死んでしまったら・・・死んでしまうかもしれないけど、これ以上どうしてあげることもできないのがあのときだった。

これはつらいです。

他に何をしてやれるというんだろう・・・と、見ていて苦しくなりました。

では親はどうすればいいの?

この状況について、専門家の須永祐慈さんはこのように解説していました。

子供は、いろいろ葛藤している自分とか、打ちのめされている自分をわかってほしい。
学校へ行った方がいいとか、行かなくていいという話ではなくて、つらくて抱えてしまっている自分を受け止めてほしい

なるほど・・・。

何とかしてやりたいという想いで、どうやったら子供を苦しみから解放してあげられるのだろう、と解決策や回避策を「こうすれば?」と提案してしまいがちだけど、それがそもそも違うのですね。
まずは苦しいよね、つらいよね、と共感して受け止めることが大切ということでしょうか。

ゲストの高橋みなみさんもこのように話していました。

仕事でしんどいことを親に吐き出したときに、「だったら辞めればいい」と言われた。
あふれてるコップに蓋をされた感覚。そんな言葉いらない。だったら黙ってあふれてるのを見ていてほしい。

確かに。
もし自分がつらくて悩んで苦しんでいる状況だったとしたら、あーしたら?こーしたら?と言われるよりも、まずは共感しながらじっくり話を聞いてほしいと思うかもしれません。

いろいろ吐き出して、受け止めてもらって、落ち着いてからでないと「では今後どうするか?」という解決策の方に意識を向けることができないかも。

ついついアドバイスしたくなってしまうので、これは親として気をつけておかないといけないなと思いました。




いじめ問題は親以外の接点が必要

もし自分の子供がいじめを受けているなら、いち早く相談してほしいし、相談を受けたら全力で解決に向けて動きたいと思っていましたが、ここまでの話を聞いて、親にできることなんてほとんど無いのだと思い知らされました。

尾木ママいわく、「いじめの問題は親以外の接点が必要になってくる」そうです。

そこで番組で紹介されていたのがEテレ「いじめをノックアウト」でやっている「マダ友プロジェクト」というネットの掲示板です。


参考
マダ友プロジェクト

「まだ見ぬ未来の友達との手紙」ということで、悩みを書き込んだり返事を書き込めるもの。

見ず知らずの人から、悩みに対して共感の声やアドバイスが書き込まれるだけで、親から言われたのと同じアドバイスが来ることももちろんあります。

でも、親から言われるよりも「見ず知らずの人」から言われた方が心に響くという効果があるそうなんです。

  • 同い年の子から「自分もいじめられたことがある。やっぱり誰かに相談してみるのがいい」と返事が来て勇気付けられた。
  • 親に迷惑をかけてはいけないと思っていたけど、会ったことのない人にそう言われると、迷惑をかけてもいいかなと思えた。

忙しそうなお母さんに迷惑をかけてはいけないと、今まで相談できなかったこの女の子は、「マダ友」に勇気付けられて、いじめられていることを初めてお母さんに打ち明けました。

お母さんはあいづちを打ちながら「気づけなくてごめんね」と言ってくれたそうです。
ずっと溜め込んできたものが全部出せてうれしかったといいます。

ネットの掲示板は危険では?

ネットの掲示板というと、誹謗中傷が書き込まれたり、善人を装って未成年に近づこうとする悪い人がいるのでは?と不安になりますが、この「マダ友プロジェクト」はスタッフがちゃんとメッセージをチェックしてから表示される仕組みになっているので安心です。

こうした安全な相談場所があることを子供に伝えておくことも、親にできる数少ない手助けのうちの1つです。