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本「うつ病九段」先崎学

うつ病九段 (文春e-book)

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将棋の棋士 先崎学九段がうつ病になってしまった闘病記です。

まず先崎九段について。

ここ数十年の将棋界を引っ張ってきたのは羽生九段を筆頭とした同年代の「羽生世代」だったのですが、羽生世代が小学生だったころ、この世代の筆頭は先崎さんでした。

羽生さんは6年のときに小学生名人戦で優勝しますが、先崎さんはそのときにはもう奨励会に入っていました。

まあ要するにかなりすごい人です。

名文家としても知られておりエッセイなども多いのでおすすめです。

読み始めてすぐに原因の一つになったであろう三浦事件の話があるのですが「先輩棋士に呼び出されて詰問された」なんて書いてあって、おいおい大丈夫かとぶっとんでしまいます。さすが先崎さんです。

将棋界は狭い村社会だし先崎さんの先輩なんていったら相当数がしぼられてしまうしこっちが心配になっちゃうくらいです。

さて本題のうつ病ですが大変に誤解されやすい、されている病気なのでその辺に気をつけて読むのが大事でしょう。

まずうつ病は「心の病気」ではなく「脳の病気」である。ということ。頑張れば治るとか喜ばせれば治るとかそんなものでなく、そもそも頑張るとか喜ぶとか悲しむとかということ自体が脳の機能で、それ自体ができなくなっていくのだそうです。

先崎さんのお兄さんが精神科医なのだそうで、その先生が先崎さんに言うのは「かならず治る」「医者の仕事は患者を自殺させないこと」「規則正しい生活と散歩で治る」

先生が素人の患者に言っていることなのでわかりやすく簡略化して伝えているのでしょうがそれだけに大事なことを伝えているんじゃないでしょうか。

先崎さん本人としてはとにかく、自分は必要とされている、尊敬されている、と感じさせてくれることが力になったことを繰り返しています。

実際にうつ病の方と接するときにどうしたらよいのかの参考になるかと思います。

全然関係ないけど文中で室谷女流(現谷口)が現在室谷女流だったりするのがあれながらちょっと面白いけどそう言っちゃ悪いけど。

最後に先崎さんの本を。

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