すめらぎいやさか。

 

昨年10月に亡くなった女優、八千草薫さんが生前作家の五木寛之さんに贈った手紙の内容

に五木さんが心打たれたと月刊誌、「致知」一月号の(忘れ得ぬ人忘れ得ぬ言葉)で述べられている。

八千草薫さんは老若男女から愛され、慕われた女優さんです。

そして、生涯日本のこころを貫いた女性でもあります。

八千草薫さんは大八洲(おおやしま)を襲った台風19号だけでなく、うち続く災害について憂い、

次のような願いを五木さんに託された。

「激しい豪雨ではなく日本らしい雨期になって欲しいです」と。

 

五木さんは八千草さんの心情を察し、次のように述べられている。

「日本らしい雨」とは何だろう。彼女(八千草薫さん)が予感したのは天候のことだけでは

なかったのではあるまいか。

 この国の人びとの営みや、人間模様が「日本らしい」気配を失いつつあることへのため息をそこに

感じるのは私だけだろうか?

 彼女の死と共に、何か大事なものが失われたような気がしてならない。

 

と五木さんは述べられています。

昭和、平成を経て、令和の御代となっているが、世界から賞賛された民族の素晴らしさは

潜め、劣化していくのが顕著に世情に反映されている。日本人らしい大らかさが消え、

笑顔も消えつつある今日、民族のありかたに警報を感じているのは筆者だけではないでしょう。