ご来訪ありがとうございます。

感染症の世界史の著者、石弘之氏と女優であり多くの学識をもつ杉田かおるさんとの対談の後編です。

新型コロナウイルスの感染者が、増加の一途をたどっています。医学が発達し、衛生面でも格段に向上した現代社会でなぜ、これほどまでに拡大するのでしょうか。

対談では、これらの核心について述べられています。

コロナウイルスが最初に発見されたのは 60 年ほど前のことであり、風邪の患者の鼻から見つかったとのことです。

ただコロナウイルスの歴史は非常に長く、遺伝子の変異から先祖を探ると、共通祖先は紀元前 8000 年ごろに出現していたようです。以来、姿を変えてコウモリや鳥などさまざまな動物の体に潜りこんで、子孫を残してきました。

動画の中で石氏が述べられていますが、ウイルスの唯一の目的は「子孫を残すこと」につきます。地上最強の地位に上り詰めた人類にとって、今も昔も、唯一の天敵が病原性の微生物です。約 20 万年前にアフリカで誕生した私たちの祖先は、数多くの病原体と戦いながら地球のすみずみに広がっていきましたが、とくにウイルスは強敵でした。知られないままに、多くの地域集団が全滅させられたことでしょう。人類の歴史は 20 万年ですが、微生物は 40 億年を生き抜いてきた強者です。

ウイルスと人類との戦いはこれまで  1勝 9 敗ぐらいでヒト側の負けが込んでいるのです。

勝ったのは 1977 年以来発病者が出ていない天然痘と、ほぼ根絶寸前まで追い込んだポリオぐらいと氏は述べられています。

かといってウイルスすべてが悪さをするわけでもありません。

ウイルスが母親のおなかの中で胎児を守ってくれていることが証明されています。また、子どものころにある種のウイルスに感染すると免疫システムが発達することも報告されています。

人間の世界にも迷惑なヤツがいるように、ウイルスのなかにもいます。前後編を視聴することで、これから人類がウイルスとどうあるべきかが参考になるとおもいます。