柿の誤解
季節を意識する色がある。通勤途中のお宅の庭に、よく手入れされた一本の柿の木がある。私にはそのオレンジ色が秋から初冬の色だ。毎年、写真に収めて残しておきたいと思いながら通り過ぎてしまっていた。そんな折、先日いいタイミングで思い出すことができ、道路側から垣根越しに何枚か撮らせていただいた。
そのまま、通り過ぎようとしたところ視線を感じる。スマホから目を移すとお婆さんと目が合った。先ほどから、茶の間の引き戸を開け私の様子をご覧になっていたのだ。「しまった」と思い「柿の写真を撮らさせていただきました」とあわてて声を上げたがすでに遅かった。お婆さんは茶の間のカーテンを閉めて奥に引っ込んでしまう。たぶん、私は不審者と誤解されたに違いない。
FT-8にシフトして間もないころ相手のCQにこたえてのQSO成立後、私がほかの方から呼ばれることがあった。
反射的にPC画面をクリックして、そのまま交信をはじめてしまいCQを出していた方に大変ご迷惑をおかけしたことがある。
定型文を使っての効率を重視したデーター通信では「申し訳ありませんでした」と謝ることもできない。また、SSBと違い私を呼んでいる方に周波数を移動しての再コールをリクエストすることもできない。私が無知なだけでこんな場合の適切な対応があるのかもしれないが、今のところベストな運用方法をみつけられないでいる。
アマチュア無線の世界では、マナーを知らない不審者と誤解を招く事のないように気を付けるだけだ。