日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「イタリア中南部の民族舞踊の言い伝え」のセミナーでpizzicaやtarantella su balu tundu等を見てきました(2020.7.5)@吉祥寺LCI

2020年07月12日 | イタリアの歌・音楽
「イタリア中南部の民族舞踊の言い伝え(I balli nell'Italia del centro-sud)」のセミナーでpizzicaやtarantella su balu tundu等を見てきました(2020.7.5)@吉祥寺LCI  


第1回目のセミナー「イタリア伝統SagraとBallo~北イタリア編 」に引き続き 後編に行ってきました 

私はひさびさに学校に出向きましたが zoomでもまた別の日に開催してくださったそうです!


イタリアではそれぞれの地方や村で 土地に根付いたまざまな民族舞踊が世代を超えて受け継がれています
この日はサルタレッロ  ラ・タムッリアータ ピッツィカ タランテッラ
そしてサルデーニャの Su Ballu Tundu について 映像つきで学びました

1. サルタレッロ (il saltarello)
 (上の写真)

古代ローマに流行った「saltatio」が起源とされます これはラテン語ですね
初めて「il libro sull'arte del danzare」(1465年/Antonio Cornazzano)という本に ルネサンス時代の貴族階級のダンスとして書かれました
そして17~18世紀には庶民の踊りとなり 稲刈りやお祭りで踊られるようになりました

求愛の踊り(ballo di corteggiamento)でしたが 当時は男女は互いに触れてはいけなかったため 
ハンカチを介してのみ繋ぐことができたそうです そしてのちに触れてよくなっても ハンカチは残りました♡

当時の楽器は zampogna これはのちにl'organetto(全音階のアコーディオン)が使われるようになったそうです
tamburello   tammorra charamella も使われました

今のサルタレッロは 円になって 男女のカップルが円の中心で踊ります
伝統衣装も見てゆきました 赤いハンカチーフが首やウエストに結ばれていますね

マルケ州のMontecosaro には Li matti de Monteco という舞踊団があります


2. ラ・タムッリアータ (la tamurriata)



カンパーニャ州の民族舞踊で タランテッラに似ています
タモッラ(tammorra)という楽器に由来した名前とのこと ← なんと実物を見せていただきました!!

← tammorra タモッラ
山羊などの動物の革がかなり硬いです~( ゚Д゚)

起源は不明ですがタランテッラよりも古いらしく マグナグラエキア(Magna Grecia)のヘレニズム時代の踊りにさかのぼるかもしれないとのこと
大地への崇拝で 畑仕事や動物を真似た振り付けが多かったそうです
そこで 「La Madonna delle galline」の伝説が紹介されました

16世紀に 宗教戦争で破壊を免れるために埋められたマドンナの聖画像(l'icona della Madonna)が 
なんと めんどり(gallina)が土をつついた場所から発見され 8回の奇跡が起こり 教会が建てられたというものです
そして 普段は黒い布で覆われた聖画像が 宗教行列(processioni)の時だけお披露目されるというのですね

パスクワの翌金曜から月曜までの4日間 タモッラ奏者(tammorrari)やダンサーが教会の広場に集まって 
山羊の皮でできた面を火であたためて柔らかくします ← 触ったらとても硬かったので納得(;´∀`)

日曜の宗教行列では 雌鶏や鳩を捧げたり 赤ちゃんをマドンナ像に近づけて祝福(benedetto)を受けます

 

そして月曜の日の出とともに 教会に入ってタモッラをマドンナの足元に置き 祭壇に背中を見せないように
後ずさりしながら教会を後にするのですが これは敬意を表する(rispetto)ためとのことです

ここでpausa♪


pausa では プーリアのドルチェ スプモーネ(Spumone)をvino dolceとともにいただきました♡  ← 強いので後半のセミナーが...(笑)

     *     *     *

後半です:

3. ラ・タランテッラ (la tarantella)


古代ギリシャの踊りに由来し ディオニソス(バッカス)やアポロ神に由来するとのこと
私はてっきり毒蜘蛛ダンスが起源かと思ってました~(;´∀`)
Tarantoの街で生まれた事象が普及したとのこと

時代とともに 神崇拝から 豊作を祈る踊りへと変わってゆきますが 中世では厳格な教会が なんとこの踊りを 
人々を悪事に誘惑するということで禁止してしまったそうです

それでも 夏場にはよく女性が毒蜘蛛(tarantola/ragno velenoso)に噛まれたりなどして具合が悪くなりましたが
(毒蜘蛛に噛まれると舞踏病が起こると信じられていたそうです)
蜘蛛の精霊に取りつかれた女性の呪いを解くために タランタ(taranta)の奏者が演奏して何日も踊らせたそうです
実際は 当時の女性は虐げられていたため病気になっていたのだそうですが その毒蜘蛛伝説のためにこの踊りは生き残っていったわけなのですね



il ballo oggi 今の舞踊:

4. ラ・ピッツィカ (la pizzica)


場所で呼び方も変わり カンパーニャ州ではtarantella プーリア州ではpizzicatarantaと呼ばれます
楽器は organetto violino tricche e ballacche mandolino nacchere(カスタネット) tamburello
そして変わっているのが putipù o cupa cupa という スペイン語風の名前の楽器です 

pizzicaの語源は pizzico(蜘蛛が刺すこと)だそうで pizzicaには3種類あるそうです:

pizzica tarantata o taranta  毒蜘蛛の毒を出す狂乱の踊りに由来し 足で地面を踏みつけるのは毒蜘蛛を踏む仕草です
pizzica de core   求愛の踊り カップルで踊り赤いハンカチ(情熱のシンボル)を使います
pizzica scherma   剣の舞 人差し指と中指で剣のかわりにしますが 昔はschermatore(ダンサー)のみに許された決闘の踊りで危険でした 
Torrepaduliで開かれるla festa di San Roccoで スケルマのピッツィカが見られるそうです
 


5. Su Ballu Tundu


サルデーニャのSu Ballu Tunduはサークルダンス(danza circolare)です
いつも日本サルデーニャ協会のfacebookで見ている 上半身を動かさずに足だけ動かす円舞なのです💛

 

異教徒(pagana)のダンスとして生まれ 1700年にキリスト教の教会でのダンスは禁じられますが
教会前の「サグラート(sagrato)」という前庭と 広場では踊ることができました 
上体は動かさずに足だけ動かし 同じ動きを同時進行させますが なんと女性たちはダンスが終わるまで
ずっと頭(こうべ)を垂れていなければいけないのです!!  ←他の人の動きが見られないので大変です!

楽器は サルデーニャ特有のlauneddas(ラウネッダス) そしてorganetto (アコーディオン) 
armonica(ハーモニカ)   flauto in canna(葦のフルート)など...

実はこのSu Ballu Tunduというサルド語が 今取っているカラブリア州出身の小説家カルミネ・アバーテの購読レッスンにも出てくる
「ballo tondo」 (円舞)に似ているので先生に聞いてみたところ カラブリア方言では sonu a ballu というそうです
カラブリア方言までは調べきれませんので 収穫でした~
(サルデーニャ語については サルデーニャ校のブースを担当していた頃に少しだけかじりました)

su ballu tundu は こちら

ダンスまでは自分では踊らないけど(笑) イタリア文化を知るよい機会でした(#^.^#)


     *     *     *

zoomだと 通学も不要で天気の心配も服装の心配もなく(笑) パソコンを切ればハイ おしまい! ですが 
こうしていつも駅までの帰り道を 色々と情報交換したりしながら いろんな初対面の方たちと楽しく帰ってきたことを思い出すと
やはり通学も捨てがたいなぁと思います💛 特に年に数回や月イチのペースであれば...

帰りに高円寺駅の日曜のスタンドで 金時草という加賀野菜を初めて買いました(#^.^#) 
初めて買う野菜を色々調べて料理するのってワクワクして好きです♪

実は3か月くらいステイホームで筋肉がだいぶ落ちてしまい 「筋肉は記憶力を高めるのに役立つ」というのをNHKスペシャルで見て
やはりそうか...と ここのところ記憶力が落ちているのに気づいていたので やはり外に出ないと と感じた次第です(;´∀`)
昨日は質問の時にイタリア語がスラスラ出てこなくて... 気づけばこの2月からイタリア人と喋っていなかったからなぁ~
(購読では話すチャンスはないので)

セミナーのお知らせは こちら

素晴らしいセミナーを開催してくださいましたLCI様に心よりお礼申し上げます



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