命の次に大事なものとは? | EDオヤジ、67才からのチャレンジ!

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敗走か? 迷走か? 暴走か? 何度目かの壁を破って突き進んだ先に見えたものは、これまで体験したことのない刺激的な世界だった。高齢者ドライバーへの反感が高まる中、それに逆走するエキサイティングなタクシードライブが始まった。

命の次に大事なもの、

なんだと思いますか?

営業所の所長からそれを

教えてもらうことになる事件がありました。

 

 

1週間前の9月8日、京セラドームでドリカムのコンサートがあった夜、

事故ってしまいまったのです。

コンサート終了を狙ってタクシーを走らせる予定だったのですが、直前に藤井寺へ。

戻りも、お客さまがつながり、高速に乗れず、ドームに着いた時には、その喧噪も静まったあとでした。

その余熱を引きずりながら、四つ橋あたりでお客さまを乗せ、

中央大通りを右折するとき、左からオーバーランしてきた

HONDAのN-BOXの側面に左フロントバンパーをこすってしまいました。

 

人身事故ではなく物損事故。

とはいえ初めての事故です。

 

タクシードライバーの約半数は

2種免許を取ってから半年以内に、

何らかの事故を起こすそうです。

 

軽い事故でしたが、

だからこそ、続く危険もある。

 

糸井重里が書いていました。

細かいヤスリのひとコスリもナタのひと振りも同じひと工程なのだ、と。

 

営業所に戻ってから、

所長に叱責されたのは、事故のことではなく、

乗せていたお客さまへの対応でした。

 

事故を起こした時点で、

お客さまを乗せたままにできないと思い、

運賃を精算して降りていただいたのです。

 

問題はここです。

運賃をとるなんて、もってのほかでした。

お客さまの立場からすれば、

目的地についてもいないのに降ろされ、

しかも乗車賃を取られるとは!

と、苦情の電話が営業所に入っていたのです。

 

タクシードライバーにとって、

まわりの人は、みんなお客さん。

でも、一番大事にしなければいけないのは、乗せているお客さん。

そのお客さんへの配慮が抜け、

事故を起こしたことだけで、気が動転して

頭がいっぱいになってしまったことを、

叱られました。

どんな事故処理をしたとしても、

自分のことだけを考えたことになるからです。

 

人はだれでも自分のことを最優先に考えるもの。

だけどね、と所長はいうのです。

「自分にとって、命の次に大事なものはなんだと思う?」

 

「家族やお金とは違う。免許証なんや!」と。

 

「家族のことをどれだけ大事に考えても、そんなこと家族は望んでない。

お金も家族は望んでない。

人に迷惑かけずに健康で、安全に運転してくれることを家族は望んでいる。

それに応えることが一番大事。それができるのが運転免許証や。

それを失うことになったら、家族が大事やなんて、

いくら言っても絵空ごとや。」

 

長年、ドライバーをやってこられた所長だから言える、

深イイ話でした。

 

まだタクシーを始めて2ヵ月。

エキサイティングでデンジャラスなゲームに

夢中になり過ぎていました。

 

そこに慢心があったのではないか。

タクシードライバーに宿る神からの警告のように思う。

 

命の次に大事なもの、

あなたにとってなんですか?

 

タクシードライバーにとって、

免許証であることを思い知った日、

無事故無違反の記録を続けたあと、

その起点として振り返りたい、

僕にとって忘れられない日になった。

 

 

 

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