早いもので、もう11月です。
みちのくの某近隣の里山です。
なんてことはない、普通の風景なのかもしれません。でも、その普通があまりにも秋の日本らしくて、つい撮ってしまいました。
山がちの斜面に、こつこつと先祖代々受け継いで守ってきた小さな田んぼ。耕地を余すことなく、隙間隙間には、その時期その季節の野菜を植えて。斜面も大切に利用する目的はもちろん、景観的にも美しい果樹の連なり。刈り取った稲を、最大限美味しくするために、労を惜しまず、天日に十分あてる工夫。その干し方にもさりげない美意識を漂わせて。
たったこれだけの景色の中に、日本人の暮らしが、ささやかではあるけれど、深い智慧が、余すことなく注がれていると思います。美意識さえもが凝縮されて込められているといったら大げさでしょうか。
広大な土地を擁する大陸育ちの方々からすれば、なんて細々とした使い方なんだろうと思われてしまうかもしれない。そんなことも感じましたが、でも、これこそが私たちの国の、私たちらしい景色だと確信します。
日本の里山、誇るべき典型的秋の風景だと思います。
Visits: 126