「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語」 田中 修治 (著) ~ベンチャーの成長を妨げる日本の資金調達の壁~

破天荒フェニックス アイキャッチ
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今日紹介するのは実話をもとにした企業再生の物語です

異世界ものばかり読んでるjamさんがビジネス書っぽいのを選ぶのは珍しいですね

うん、、、最近、銀座線の車両にこの本の広告が貼られてて毎朝見てたから

いつも同じ車両に乗っているんですね、、、

サラリーマンの性とでも申しましょうか、、、その話は置いといて

実話を下敷きにしたもの、主要著者が実際の社長という事を最後のあとがきで知って少し驚きました

私は最後までそのことを知らずに読んでいたことの方にに驚きました

いかがでしたか?

面白かったですね!

物語のティザー

2008年2月。小さなデザイン会社を経営している田中は、ひとつの賭けに打って出る。
それは、売上20億円に対し、負債14億円を抱えた瀕死状態のメガネチェーン店「オンデーズ」の買収。
新社長として会社を生まれ変わらせ、世界進出を目指すという壮大な野望に燃えていたが、社長就任からわずか3か月で、銀行から「死刑宣告」を突き付けられる。しかしこれは、この先降りかかる試練の序章に過ぎなかった――。

度重なる倒産の危機、決死の資金繰り。無謀に次ぐ無謀。裏切りに次ぐ裏切り。
何度も死にかける怒涛の展開にページをめくる手が止まらない!

ティザーを読むと池井戸潤さんの小説みたいな印象ですね

実際に物語の前半は銀行の冷たい対応、はっきり言って企業を育てる気などさらさらない様子が詳細に描かれます

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オンデーズ 田中社長

物語は瀕死の状態に陥ったそこそこのメガネ販売店チェーン(オンデーズ)を映像やイベント系のデザイン会社を経営していた30歳の田中社長が個人で買いとるところから始まります。

は、破天荒ですね

売上20億円で債務14億円のメガネ販売店チェーンですので、普通に考えて人件費、仕入れ、店舗の賃借料など売上に関わらず経費がガンガンでていくわけですから無謀です。
当然、即座に資金ショートの危機に直面します。
また全くの畑違いからの出身なうえに、まだ若く茶髪な経営者が突然やってきたものですから創業からの中堅社員の反発は相当なものです。
本当によく買ったものだなと思います。
しかし、そこは若さゆえの妄想の暴走でしょうか。具体策はないものの成功するイメージのみで突っ込んでいってしまった、という感じで待ち受ける波乱万丈の世界に身を投じていきます。

田中社長は間違いなく中二病ですね

jamさんの個人的意見です

この頃のオンデーズに融資する銀行が全くなかったのは当然です。
ビジョンも付け焼刃ですし、何より創業者一族の負の遺産が残っているのですから。
債権焦げ付きリスクを回避するために銀行が冷酷な態度をとられてもやむなしです。

このままオンデーズは資金ショート、民事再生、自己破産(田中社長は資金調達にあたって個人保証を提供しています)の道を辿るのは免れないかに見えたのですが、、、

成功する人間の傍らには、超有能なパートナーの存在あり!

仕事のできる男 奥野さん

メガバンク・投資銀行を経験したのち、オンデーズ再生に参画させられてしまった奥野さん。この人の不良債権処理、再生ファンドの知識がなければオンデーズは即座に破綻していたと思います。本当に綱渡りの資金繰りの連続で、物語前半の白眉です。

この物語の主人公ははっきり言って奥野さんですね

jamさんの個人的意見です

本当にね、銀行は担保がないと貸さないんですよー

そんなの銀行本来の理念に反してるよね?

しかし、財務の正常化のためには一方で売上を伸ばす施策が必要です。
そのためには店舗・顧客対応のシステムの一新、新生の狼煙としてのハウスブランドの立ち上げと巨額の資金が必要になってきます。少しずつ事業内容は改善されてきていても依然として債務超過の企業に融資する銀行は一行もありません。
いよいよ手詰まりか、窮地のオンデーズ。このあとどうやって資金を工面するのか、、、それどころかオンデーズは海外進出にまで着手しようとします。
その第一歩として選んだシンガポールではどんな波乱万丈が待っているのか、、、物語は常に新たな危機を内包しながらテンポよく語られていきます。
さあオンデーズはどうにかできてしまうのか?どうにかされてしまうのか?・・・

父君の教え

『男なら荒れる海を越えていけ。そして自分を試してみろ。広い大海原で思うがままに舵をとれ』
亡くなった田中社長の父君に言われた言葉だそうです。その言葉を体現するかのような突っ走り方です。

オンデーズの成功は田中社長の行動力によるものと同時に人運によるところが絶大です。
超有能なパートナーの存在に、有能な部下の徴用、思いがけない理解者の登場。どの人が欠けていてもオンデーズはたちまち立ち行かなくなっていたことでしょう。
人心も離れて修復不可能になっていたことでしょう。
結果で示すしかないという状況の中でオンデーズを支えた人たちこそが主人公の物語です。

欲を言えば国内編と海外編の2冊にして欲しかったです。
海外進出の様子が国内に比べてわりとあっさりと描かれていたので。実際にはは制度の違いや雇用条件、契約交渉、会計処理などコーディネーターのネゴなしでは到底すすめられない障害がたくさんあったと思います。
もう少し詳しく知りたかったですね。

どうですか?読んでみたくなりませんか?

面白そうです!

約500ページあります

面白くて、読みやすいのであっという間ですよ

ご安心を!

さっき知ったのですが田中社長、8月に「カンブリア宮殿」というTV番組に出演されてたんですね。2018年出版なのに銀座線に広告が貼られてるのを不思議に思っていたのです。

最近、なんとなくつまんないなー、ちょっと疲れてるなーと感じている方。
元気を貰える物語です!是非読んでみてください。

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⇩いつもありがとうございます