バンシーという妖精

うも僕です。

皆さんはバンシーをご存知だろうか。
バンシーとはケルト神話を発祥としアイルランドやスコットランド地方に伝承する妖精だ。

 

特徴

アイルランドでは美少女、スコットランドでは老婆と伝えられているが、他の容姿や特徴に関しては共通している。
バンシー(banshee)のbanは泣く、sheeは妖精または女性という意味で、
服装は緑色のドレスに灰色のマントを着けており、常に目は泣き腫らした赤い色をしているそうだ。
個人的には美少女であって欲しい。

伝承と解釈

普段は姿を現さないが人の死が近づくと姿を現し、泣きながら家の周りを飛び回るという。
その泣き方は様々で、すすり泣くような静かなもや、大音響で叫ぶように泣くとも言われるそうだ。
本来は一家に一台のバンシーだが、死の対象が偉人や聖人のような得の高い人物である場合、複数の姿を現すこともあるのだとか。
だが誰の家にでも姿を現すわけではなく、純粋なケルト系やゲール系の一族の家にしか現れないのだとか。

よく勘違いされるが、バンシーが命を奪うのではなく、あくまで死を予知して亡くなる人の冥土へ旅立ちを想い悲しんでいるだけである。
しかし姿を現せば家人が必ず死ぬため、あまり喜ばれる存在ではない。

またバンシーは人に憑くわけでなく、土地や家に憑く妖精であるため、気分によっては家事等を手伝うこともあるとされている。
なんだか日本にも似たような妖怪の話があるよね。

処女のまま、または子供を産んですぐに死んでしまった女性がバンシーになるといわれ、日本の妖怪である産女に少々共通点がある
このことから、様々な小説やゲームなどでは、アンデットとして扱われることが多い。

北欧神話では妖精と交わると加護が与えられる伝承があるのだが、バンシーも例外ではなく、乳房を吸ったり、口づけをすると契約が成立し願いを叶えてくれるのだとか。
くそ…うらやまけしからんな。

アイルランドに伝わる魔槍の英雄として有名なクー・フーリンの死を予知し、鎧を洗いながら泣いていたという伝承もあるそうだ。

世界の共通する風習

エジプト、中国、韓国、日本、東南アジアなどの国や民族で、葬儀の際に雇われ泣き声を上げる仕事または風習が存在する。
ヨーロッパでも広く点在するロマ族(ジプシー)にこのような風習があり、バンシーのイメージ形成に影響したと言われているそうだ。

 

土着信仰や神話といったものを紐解くと、世界中に共通するものが存在するのは、なかなか面白いよね。
今後もこう言った話を紹介していければと思う。

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