日韓映画におけるモラルや国民性の違い、『パラサイト 半地下の家族』と「万引き家族」

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『パラサイト 半地下の家族』

ようやく『パラサイト 半地下の家族』を見ました。

おもしろかったです。
さすがアカデミー賞を取るだけある。

貧困問題がテーマの1つとしてあるのですが、社会問題を取り上げながらも暗い雰囲気にならず、ちゃんとエンターテイメントしていたのが高評価。

「万引き家族」

最近の日本映画だと『万引き家族』が貧困と家族の絆をテーマにしていましたね。
『万引き家族』も悪くなかったんですが、終始一貫して暗い雰囲気が漂っていたので、個人的には好みではありませんでした。
ストーリーに抑揚がないというか、嫌な気持ちのまま最後まで終わるというか。

日韓の国民性の違い

また、『パラサイト 半地下の家族』と『万引き家族』登場人物のキャラクターに表れる日韓の国民性の違いも気になりました。

『万引き家族』は、登場人物たちが目立たないようにひっそりと生きているんですよ。
万引きはもちろん犯罪なんですけど、損失を被るのがお店だったり組織だったりするので、被害者の顔が直接は見えにくいです。
もちろん、お店の裏には店長だとか経営者という具体的な被害者が存在はしていますが。

一方、『パラサイト 半地下の家族』では、主人公一家が明確に意図的に人を陥れていきます。
冤罪をでっちあげて金持ち一家のお抱え運転手を追い出したり、冤罪をでっちあげて金持ち一家の家政婦を追い出したり。
そして、追い出したポジションに偽名と経歴詐称で自分が入り込んで仕事につくんですよ。

日本映画だったら、
「運転手が実は裏で悪いことをしている(ガソリンの領収書を偽造して経費を横領しているとか)」

「主人公がその悪事を暴き、金持ち一家からの信頼を得る」

「主人公が運転手として仕事を得る」
みたいな描き方をすると思うんですよね。

『パラサイト』の場合は、
「運転手はまじめに働いている」

「主人公は冤罪をでっちあげて運転手を陥れる、経歴を詐称して金持ち一家からの信頼を得る」

「主人公が運転手として仕事を得る」
という流れになっています。

  • 無実の人間を陥れる
  • 不当な手段で信頼を得る

この2点がちょっと日本人的には受け入れられないなと思いました。

日本作品における犯罪の描写

日本の作品だと、『ルパン三世』とか『コンフィデンスマンJP』とか、主人公が明確に犯罪を犯す場合は、基本的に被害者は悪徳金融業者だったり、麻薬王だったりします。
悪役から義賊(主人公)が金品を巻き上げるという展開ですね。

もしくは、復讐のためだったり、誰にも知られたくない秘密を守るために追い詰められて…
みたいな犯行の動機が存在します。

また、『万引き家族』では、男の子が駄菓子屋でいつも万引きをします。
ある日、妹にも万引きをさせたところ、駄菓子屋のじいさんに
「妹にはそういうことさせるなよ」
とぼそっと言われるんですよ。
そこで、ばれていたけど同情から黙認されていたことを知るわけです。
それをきっかけに、後ろめたさや罪の意識が芽生え、これまでの日常が段々と崩壊に向かいます。

日本では、前提に犯罪=悪い事というのがあります。
そのため、「罪を犯し罪悪感にさいなまれる主人公」「巨悪を倒すための必要悪としての犯罪行為」みたいな描写になることが多いと感じます。

韓国映画は『パラサイト』しか見ていませんが、
「気軽に犯罪を犯しすぎだろ」
と思いました。

「犯罪大成功!やったぜ!」
みたいな描写は、日本とはちょっとノリが違う。

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