なぜ、このメンバーだと仕事がキツイのか?

介護の仕事って何だ!?


このブログは、中高年の方が介護業界に転職する際に知っておいて欲しい情報を伝えるためにあります。

高校から入職した人や専門学校などで資格を取って入職した人ではなく、40代や50代になった人が介護業界を上手に活用してもらうのが目的です。

なぜなら、こみち自身も数年前まで介護業界に入るとは思っていませんでした。

その1つが、介護の仕事は責任が重く、大変そうだと想像していたからです。

実際に仕事をしてみて、確かにそうだと感じる部分もあれば、想像とは異なっていた部分もあります。

そして、入職するまで分からなかった問題点もいくつか見えて来ました。

介護は接客業!?


何より介護が異業種に比べてキツイのは、「相手ありきの仕事」だからです。

認知機能が低下すれば、口で説明しても動いてくれません。それどころか、言い方によっては、不穏な状態になり、落ち着きを失って思いもよらない行動に出ることさえあります。

そうなってしまうと、5分でできることが10分、20分、場合によっては強い拒絶につながることもあり得ます。

そうなれば予定はずれ込み、スタッフの仕事は後手に回るのです。

言われて動くのは、とても大変なことです。何より、やらされている感が気持ちを疲弊させるでしょう。

介護業界の特殊性をひもとく


もう一つの理由は、組織化することを誤解するスタッフがいることです。

効率的に作業を進めるには、チームワークがかかせません。そして、組織化の意味を理解し、それぞれがきっちりと役割を果たすことが重要です。

サラリーマンを経験している中高年の方であれば、年下の上司だからと言って指示に従わないというような暴挙に出ることはないでしょう。

しかし、こみちの働く施設では、特に若い世代のスタッフの中にこの「組織化」を少し誤解している人が紛れています。

「利用者の〇〇さんが、ホットコーヒーを入れて欲しいそうですよ!」

若い同僚から指示として聞いた言葉です。

さらに、その同僚は別の仕事をしているこみちに、好みのコーヒーについて情報をあれこれと説明し始めました。

単純に「そんな説明なんて要らないから、コーヒーを入れてくれたら良いのに!」と思いませんか?

そうすれば別の仕事を1つできて、こみちもその同僚も時間を無駄にしなくて済みます。

介護の仕事は、多くが日常生活の中にあります。

トイレや食事などの介助も日常生活に欠かせません。

つまり、一般的なサラリーマンのように、誰かにしかできないようなことがらはまず存在しません。

もちろん、上手と下手はあって、作業の質やスピードに違いが生じます。

「コーヒーを入れる」ということが、サイホンを使った本格的なものなら、誰が入れるのか重要かも知れません。

しかし、インスタントコーヒーであれば、ある程度の差はあっても、それ以上に何かが起こることはないでしょう。

だからこそ、介護の仕事は疲れてしまうのです。

できる人がひとりいれば、あとの人は見守りをしていれば良いくらいだからです。

しかし、それでは不公平なので、みんなが同じように仕事を分担できるように施設は考えています。

今朝、3人体制のチームで担当した業務が、別の人と2人でした時よりも非効率で骨が折れました。

その理由は、リーダーになった人が、「リーダーは他の人を使う」と誤解しているからです。

サラリーマンをしていたこみちも、かつては部下を持っていました。

「人を使うこと」は自分でするよりも何倍も大変で、あれこれと準備に時間も掛かります。

そんな経験を踏むことで、人の育て方や、効率的な仕事の運び方を学べるように思うのです。

まして、今以上に強いチームを作りたいなら、さらにリーダーはいろいろと気を回さなければいけません。

新人時代、直属の上司や先輩から仕事を学んだ折に、仕事の進め方や相手との間合いなどを教えられたでしょう!?

特に注意点などは、徹底的に仕込まれたはずです。

しかし、介護業界では、ありとあらゆることが同じ次元で存在します。

介護記録をつけることも、オムツ交換をすることも、利用者と談笑することも、すべて同じ次元に存在しています。

違いがあるとすれば、その作業にどれだけの時間を掛けるのかということくらいです。

記録をつけるのも、慣れた項目なら片手間でもできてしまいます。オムツ交換なら、簡単なパット交換と衣類汚染の場合では時間が違います。

利用者との談笑も、意味のある会話なのかはその場では判断できません。

つまり、介護の仕事は結果が見えにくく、業務の負担が可視化し難いのです。

先に紹介した「コーヒー」の時のように、「指示を出すこと」がリーダーの仕事だと誤解してしまうと、非常に無駄なことでも必要な仕事になってしまいます。

介護業界は「人手不足」と言われます。しかし、非効率な仕事をすれば、人手はすぐに不足します。

異業種を経験したからこそ、「介護業界」はとても不思議に感じるスタイルがたくさんあります。

その意味でも、介護業界は今後変化してくるでしょう。

そして、今以上に中高年の方が働きやすい環境のなるかも知れません。

作業そのものに疲れるのではなく、仕事の進め方や役割分担の不明確さに疲れてしまうのです。

利用者の立場を考えると、不備に目をつぶって自分のできることを精一杯してしまうので、仕事が増えてキツくなります。

チームワーク大切にすると言いながら、実際は連携が取れていない関係だからこそ、介護の仕事をキツイと感じてしまうのでしょう。