介護現場のイジメ問題

介護現場で「イジメ」はあるのか?


結論から言ってしまえば、ケアする仕事である介護の現場でも「イジメ」と言う問題は起こります。

利用者同士の場合もありますし、介護士と利用者、さらには介護士同士と言うケースも考えられるでしょう。

特に、このブログが中高年からの仕事探しをテーマとしているので、「介護士同士」でどんなことが起こるのか考えてみたいと思います。

こみちが思う「イジメのタネ」は、「正義感の相違」です。

誰しも他人から評価されて嬉しいでしょう。

しかしながら、誰もが評価されるわけではなく、頑張っていても「思うような結果」に繋がらないことも少なくありません。

「こんなに頑張っているのに…」

そんな感情が芽生えてくると、ふと他人を見て「どうして評価されるの? あれくらいで…」と妬みに変わって来ます。

「もっと頑張ろう!」と思える人は良いのですが、少数でも「僻み」に走ってしまうのです。

そんな人は、言いやすい人に「こうしなさい!」とか「ダメでしょう!」と言いたくなります。

自分が偉い人になったように思えるからです。

本当に偉い人は、成長途中の人が抱える悩みや苦しみも経験済みなので、頭ごなしに自分の感情で声を荒げたりはしません。

しかし、評価されずに来た人は、「その壁」を乗り越えていないので、他人の気持ちを察することもできないのです。

つまり、「命令すること」や「叱責すること」のように表面的な態度を真似します。

イジメたがる人に対して「貴方もホンネを分かって欲しかったんですね!?」と傾聴すれば、さらに心の闇を教えてくれるかもしれません。

品格と言う意識


人は「品格」と言うものを持っています。

「プライド」や「誇り」と言う言葉も同じです。

いつも腰の低い姿を見せる人は、何もプライドや誇りがないのではありません。

単純にプライドや誇りが別の目的として存在しています。

中には、組織として重要なポジションにつきながら、新人にも気さくに触れ合う人がいます。

社会経験の少ない若者なら、そんな態度に思わず馴れ馴れしい態度を取ってしまうかもしれません。

実際、トラブルや窮地に立たされた時に、逃げずに解決できることが「人の価値」を決定すると思っています。

どんなに前置きが長くても、いざとなって尻込みする人は「それなりの品格」と言えるでしょう。

その意味では、品格を高めるには、重要で緊張感のある「現場経験」をどれだけ重ねて来たのかが問われます。

何かには、若いのに存在感や頼りがいがあって、「この人なら何とかしてくれるだろう!」と思われる人格者もいます。

そんな例外的なケースを除けば、「品格」は日頃から高める努力をしなければ身につきません。

介護現場でイジメを無くすには?


もっとも効果的な方法があるとすれば、リーダーの存在感でしょう。

「あの人と仕事をしたい!」と部下たちが慕い、さらに横のつながりとして「共に成長すること」を意識づけすることです。

それがリーダーの役割なのですが、部下に対して踏み込めなかったり、「背負う」意識に欠けていると、どうしても部下同士の仲が良くありません。

もちろん、彼らも大人なので、感情的に態度を表すことはなく、例えば「小さなイジメ」があっても個々の気持ちで処理されてしまいます。

リーダーとしては、問題に直視できないので、「何となく上手くいっているのだろう」と思ってしまいますが、各部下の様子を凝視すれば、問題が浮上していることくらい分かりものです。

なぜ分かるのかと言うと、「自分も部下として経験して来た」からです。

逆に、人をまとめる難しさに触れてこなかった人は、いきなりリーダーに任命されて「管理者」になってしまいます。

この記事の最初の方で書きましたが、イジメに走る人は、自己評価に不満があって、他人を見下すことで満足感を得ようとします。

そんな風に書くと、とても寂しい人に感じますが、誰にでも起こることであり、例えば昇進して「管理者」となった途端に部下に厳しく命令したがる人と同じ構造です。

社内でのイジメは、イジメ側の未成熟さがあるでしょう。

「仕事とはこうだ」とか「上司と部下の関係はこうだ」とか、一見考えているようで、実はその結論までのプロセスが狭くて浅いので、もっと多くの問題やトラブルに対処できないのです。

しかし、イジメたい人は、さらに自己否定されることを拒むので、無理にでも突っぱねて、最後はゴリ押しでも相手に強いるでしょう。

相手がイジメたい人に同情すれば、そんなゴリ押しにも応えようとするのです。

身体はストレスで悲鳴をあげているのに、感情で受け入れようとするので、「イジメられた人」はとても苦しみます。

「イヤです!」「やりたくありません!」

反論できないのではなく、イジメたい人の気持ちが分かり過ぎる分、受け止めようとしてしまうのでしょう。

本来なら、第三者が介入し、両者の関係を一度リセットするべきです。

でないと、イジメたい人もイジメられた人も問題解決ができないからです。

社内にそんな組織が設けられていれば良いのですが、ない場合には信頼できる同僚や上司がいると救われます。

どこか1つでも違っていれば解決できた時も、変えることができずに問題をこじらせることがあります。

でもイジメられた人も会社には相談しないでしょうね。

どうしても耐えられない時は別の理由を使って退職や異動するのでしょう。

その意味では、妙に明るい雰囲気よりも、職場の全員が生き生きしている方が健全で、実はリーダーとしても作るのが難しい環境です。

特に経験が少ないリーダーは、どんな雰囲気なのかも知らないので、現状になんとなく満足し、改善方法に気づかないからです。

サラリーマン経験のあるこみちにとって、介護現場は本当に独特です。

それが面白い部分ですが、違和感に気づきにくいのかもしれません。