gooブログはじめました!

健康的食生活のための情報を発信です。
1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[豚肉] 食生活について語ろう

2020年05月22日 | 美容ダイエット

◎豚肉Pork ぶたにく
  最近では、食生活の欧米化が進み、何かと制限が加えられる肉類ですが、豚肉は、牛肉に比べ価格が安く利用しやすく、ビタミンB1の豊富な食材として知られます。肉1kgを得るのに飼料、餌がトウモロコシで換算して牛肉で12kg~8kg、豚肉で7kg、鶏肉4kg必要だといわれます。飼育日数も半年ほどで肉にされてしまう豚肉、豚について、部位による利用の仕方、栄養成分などについて調べてみることにしました。


  豚はヨーロッパ、アジアでイノシシを家畜化し何千年も以前から食用としていました。アジアでも中国で古くから食用としていたのですが、日本では日本書紀(720年)への記録はありますが仏教の普及によって明治時代に入るまで食用とされることは少なかったようです。牛肉に遅れて関東でトンカツが作られて以来関西は牛肉、関東は豚肉圏として広まっていきました。2006年(平成18年)の日本の豚肉の消費量は、2,383千トン、国内生産量1,249千トン、輸入量1,100千トンで国内の自給率は、52.4%です。

消費量は、沖縄がトップで関東、関西と続いています。利用目的によって精肉用、加工(ハム、ベーコン、ソーセージ)用種に品種改良され、飼育日数も生後10ヶ月で100kgで出荷していたものが7ヶ月未満体重90kgになると加工されています。屠殺後、死後硬直を起こしてのち軟化熟成(エージング)して味に特有の旨みが増すのですが常温では、腐敗しやすくそのため1~3℃前後で3日~1週間、冷却、凍結冷蔵の方法が取られています。

中国では、肉以外にも足、舌、耳、内臓(肝臓〈レバー〉:鉄分13.0mg/100g中)とすべて余すところなく食用とされています。牛肉に比べ寄生虫の心配があるので必ず加熱調理として用います。焼き肉(肩ロース)、炒め(バラ肉)、煮込み(肩肉)、揚げ物(ロース・ヒレ)、しゃぶしゃぶ(ヒレ)、蒸しもの(肩ロース)、汁物(バラ肉)にされます。一般に飼育日数が増えると味は濃厚になって旨味を増すが肉質が硬くなります。黒豚(バークシャー種:英国バークシャー原産)は、旨みがあって柔らかい肉質と好評です。豚脂の融点が28~48℃と低く、飼料によって旨みを左右させ硬めで白く、ややねばりのあるものがよい肉質であるとされています。豚は雑食動物で栄養バランス的に牛の草食動物に比べ良好なのではないでしょうか。

豚肉は、脂身に特徴があり牛肉のように霜降りにならないので脂身を上手に利用します。炒め物に使うとこくを出すことができます。肉の部分では、ビタミンB1(成長促進・糖代謝・疲労回復作用)0.96mg(もも赤肉生)が牛肉0.1mg/100g中(もも赤肉生)に比較して多くなっています。内蔵、臓物では、ビタミンB1の含む量は部位によって差があります。豚肉の、ばら肉0.45mg%、肩ロース:赤身0.82mg%・脂身0.21mg%ですが、精製ラード0mg%には含みません。

 精肉、生肉用種として中ヨークシャー種、バークシャー種(黒豚)、ハンプシャー種、デュロック種があります。部位による、調理方法は、牛肉ほど細かく分かれていませんが、品質基準によって、かた、かたロース、ロース、ひれ、ばら、ももに分類されスーパーでもパッケージによく表示されています。こま切れと挽き肉については部位の非表示が認められています。
これらの部位の簡単な利用の仕方について説明致しましょう。
肩・腕 かた・うで
   肩、腕の部位のことです。よく運動する筋肉部分なので、脂肪分をあまり含まず、腕の部位には筋が見られ色の濃いやや硬めの肉質なので、薄切り、繊切り、角切りにしてシチューや豚汁、ポークビーンズなどの煮込み料理やなどにむいています。ひき肉にもされます。

肩ロース かたろーす
   肩にあるロース肉で、肉のきめは少し粗いですが脂肪がほどよく入って風味のよい部分です。焼き肉や炒(いた)め物、カツレツ、煮物、焼き豚、バーベキューなどに適しています。
ロース
   胸から腰にかけての肩と腿(もも)の間にある背側の肉で、ヒレに次いできめが細かくて柔らかい味わいのある高級部位です。脂肪が適度に表面に見られるもので主にとんかつ、ローストやポークソテー、バーベキューに料理されます。ロースハムの原料にもしています。
ヒレ
  ロース肉の内部に位置する肉で最もきめが細かく脂肪も少なく淡泊な味わいの肉で、豚1頭から取れる量も少なく直径4cm、長さ30cmほどの塊(かたまり)が左右に一本づつ計2本あります。最も柔らかい最上級部位ですので高齢者に好まれ、ロース肉同様に調理されています。ヒレかつなどに利用されます。
ばら
   腹側に位置する肩と尻に近い腿の間にあるロースを取り除いた肉で、赤身と脂肪が交互に層を形成し脂肪が多いことから三枚肉とも呼ばれています。肉質は硬めですが濃厚な味わいのある部位です。煮込み、焼肉、炒め物、焼豚のような料理に適しています。
腿 もも
 脚(あし)の上の腰に連なる部分です。よく動かす部位で筋肉質で固めの肉質で赤みが多く脂肪が少なくなっています。ロースト、ソテー、焼豚、揚げ物、煮込みなどバラエティーに富んだ料理方法がとられます。
耳、足、内臓など
  日本では、豚肉を多く食べる主に沖縄で煮込み料理として使われています。頭、耳、舌(した)、心臓(はつ)、肝臓(レバー)、腎臓(まめ)、胃腸(しろ:胃ガツ・小腸ヒモ・大腸)、子宮(こぶくろ)、豚足が食用にされています。脚の部分はテビチ(豚足)、ミミガー(耳皮)と呼ばれ特に沖縄県、台湾で伝統的に利用され、じっくり長時間煮込んで調理されコラーゲンをたっぷり含んでいます。豚レバーは、栄養豊富で牛乳、生姜を用い臭みを取り、揚げ物、煮物、焼き物に利用します。


  豚肉の加工は、主にハムにしています。
ハムHam はむ
  ハムは、古代チュートン語で膝の後の部分を意味し、やがて食用とする蓄肉類の腿(もも)の意味に使われるようになったといわれます。そして豚の腿肉の塩漬け、スモークし乾燥させたものをハムというようになったとされています。BC1000年も前にすでに原型ができあがっていたとされ一方で中国の火腿(ホートイ)が起源であるとの説もあります。
元来は、豚のもも肉を塩漬け燻製にしたものをさしていました。今では、プレスハム、ロースハム、ショルダーハム、ボンレスハムなどさまざまの種類があります。加工用にはランドレース種(大ヨークシャー種・デュロック種の純血種を交配)、大ヨークシャー種を主に利用しています。
豚肉は日本では、主に、生肉として利用されていますが、欧米では80%が加工用にハム、ベーコン、ソーセージの加工用に向けられています。オードブル、サラダ、ハムエッグ、サンドイッチ、チャーハンに使われます。

原料肉を整形したあと血絞りがおこなわれ食塩、砂糖、香辛料、発色剤などの溶液(ピックル)に漬けこむ塩漬(えんせき)が一定期間おこなわれ、その後、乾燥、燻煙を殺菌のためにボイルしていますが旨みを損なわない為に75℃以下の65℃で30分程度でおこない完全な殺菌温度ではありません。密封してある状態で半月から1ヶ月半の冷蔵庫での保存可能な日数といわれ、開封して切ったものは1週間程度とされます。最近は、食品添加物として結着性、保水性を高めるのに重合燐酸塩が使われています。その他に発色剤(亜硝酸Na)、保存料(ソルビン酸K)、乳化剤が使われているものもあります。主な種類として
骨付きハム
  本来のハムで豚モモ肉を用いている。塩積、乾燥後15~30℃での冷燻が4~5日おこなわれます。オーブンで焼いたりして多人数のパーティ、宴会、行事などに用いられます。ナイフで切り落としながら戴きます。
ボンレスハムBoneless ham
   Bone(骨)-Less (取り除いた、ない)した豚のもも肉の塊(かたま)りを塩づけし、 くん煙した後、ボイルしてつくられるハムの事です。脂肪が少なく赤身が多いため、あっさりして食感はロースハムより肉感があり、色合いも少し赤っぽいピンク色をしています。厚く切ってステーキとして食べられています。
ロースハム、Roast ham ろーすはむ
  豚肉の背肉、肩ロース肉を3~4℃の冷蔵で1週間ほど塩漬けしたものを肉を詰める袋に入れ30~50℃で1~1日半ないし、50~80℃で5時間ぐらい燻煙されたのち70~75℃茹で上げられたもので、ハムのうちの70%を占めています。薄切りにしてオードブル、サンドイッチ、サラダに利用されます。ボイルされてないものをラックスハム(生ハム)といいます。
ラックスハム
  豚のロース、かた、モモ肉を原料として燻煙後、加熱が行なわれず「生ハム」とも呼ばれています。ラックスは、ドイツ語で「鮭」を意味し断面が鮭の色をしているこることから名前が付いたといわれます。
ショルダーハム
  豚肩肉を原料として作られています。
ベリーハム
  豚ばら肉を原料として作られたハムです。
プレスハム
  ハムに似せて作られた食品で屑肉を寄せ集め圧力を掛けて大きな塊としたもので豚肉とは限らず牛肉、馬肉、羊肉、など畜肉を混合させたりして作られたわが国独自の製法とされています。

 ハム以外にベーコン、ソーセージが作られます。
ベーコンBacon
  ベーコンとは豚の側腹部、ばら肉部分のことを意味しています。豚のわき腹肉を主に整形し、塩積、燻煙して作られています。ロース、ショルダーベーコンもあります。加熱処理しないものもあります。ハムとの製造の相違は、ほとんど無いようです。 血絞り後肉10kgに、食塩350g、硝石25gを混合し、肉によくすり込んで冷所で塩積、塩積後水浸、冷燻15~30℃で1~2日行い完成させています。風味がよく炒め物、スープ、シチュー、ベーコン巻き、ベーコンエッグなどに用いています。

ソーセージSausage
  19世紀の初めドイツで最初に作られたという説がありますが、おそらく中世期からあったものと考えられています。本来は、豚肉のハムやベーコンを作ったあまりの肉が腸詰めされたものをいいます。日本では、他の畜肉(牛、馬、羊、家禽、兎など)や魚肉までも使いソーセージとしています。よく挽(ひ)いてあるので消化率が高くなっています。つなぎにでん粉をつかったものは、ヨード反応によって簡単に調べることができます。
 ドメステックソーセージは、水分、風味がよく短期の保存ができます。フランクフルトソーセージ、ウインナソーセージがあり焼き物、煮物、炒め物、ホットドックに使われています。
ドライソーセージは、サラミソーセージがあり牛、豚肉、香辛料、ラム酒を効かせよく乾燥させたものです。おもに、カナッペに用いています。

  豚肉に多く含むとしているビタミンB1については、
ビタミンB1 (チアミン)びたみんびーわん
 1910年に鈴木梅太郎によって発見され最初オリザニンと命名されたビタミンで一番最初に見出され結晶化されている。水溶性、弱酸性で安定であるが加工調理によって半分ほども失われる。 ビタミンB1(チアミン)は、腸からの吸収が一定(10mg程度)になると尿中に排出されてしまい常に補給が必要なビタミンとされる。血液の基準値は、35~76ng( 1ng:1ナノグラムは10億[1,000,000,000]分の1g)/ml、尿中、血中ピルビン酸(B1の欠乏により増加)の定量によって欠乏の有無が判定される。
薬理的に5~100mgとして成長促進、糖代謝重要な働きをしており皮膚・粘膜の再生に役立つ。活性型のフルスルチアミンには苦味があるが即効性が強いといわれる。不足してくると 倦怠感、食欲不振、多発性神経炎(脚気心悸亢進)等を起こす。アノイリナーゼ(魚介類の内臓・しだ類に多い)によってB1の分解がされ効力を失う。にんにくなどの辛味の成分アリシンがビタミンB1の吸収をよくする。

ビタミンB1は、糖質代謝に関係し、成人の推奨量を2000kcalとすると、実験により1000kcalあたり0.2~0.3mgで欠乏症状が出現しないことから安全率を考慮し2倍し0.45mg/1000kcalを所要量算出の元にし定めている。ビタミンB群は、一般に腸内細菌によっても合成、ビタミンB1はアノイリナーゼによって分解されることもありこのことから2000kcalで1.0mg程度です。

栄養機能食品としての上限が25mg、下限0.3mgとし示される。多く含まれる食品は、 穀類、豆類、肉類、胚芽、酵母などで成人の推奨量は1.4~ 0.8mg/1日、上限量は定められていない。バークシャー種(クロ豚)かたロース肉のビタミンB1は、100g中で脂身つき生0.70mg、皮下脂肪ナシなま0.74mg、赤肉生0.82mg、脂身生0.21mgとなります。
 豚の臓物,豚足のビタミンB1は、100g中で、舌(した)0.37mg、心臓(はつ)0.38mg、肝臓(レバー)0.34mg、腎臓(まめ)0.33mg、胃腸(しろ:胃ガツ0.10mg・小腸ヒモ0.01mg・大腸0.03mg)、子宮(こぶくろ)0.06mg、豚足0.05mgで牛の臓物の舌(たん)0.12mg、心臓(はつ)0.42mg、肝臓(レバー)0.22mg、腎臓(まめ)0.46mg、胃腸0.02mg~0.07mg、子宮(こぶくろ)0.01mgで臓物のビタミンB1については、大差がないようです。
100g中でインスタントラーメン1.46~0.21mg、鰻蒲焼0.75mg、豚肩ロース0.63mg、干しソバ0.37mg、枝豆0.24mg、国産茹で大豆0.22mg、ライ麦パン、0.16mg、茹で小豆0.15mg、茹で栗0.17mg、茹で芽きゃべつ、0.13mg、やつがしら0.13mg、さつま芋0.11mg、みかん0.10mg、椎茸0.10mg、じゃが芋0.09mg、胚芽米0.08mg、うるめ鰯0.08mg、食パン0.07mg、木綿豆腐0.07mg、納豆0.07mg、精白米、0.02mgを含みます。

 日本では肥満が生活習慣病対策として掲げられています。世界中で食生活に最も恵まれている国に属しています。しかし食料の自給率は、39%以下と下がり続ける一方です。豚肉の自給率は52.4%となっています。畜産農家の方にご協力いただいて、消費者の購入できる肉類の供給に努めていただければと思います。食育はなにも子供たちに限ったことではありません。国民全体の健全な食生活を育てることです。今回は豚肉をとりあげその生育状況、利用の仕方を知ることによって、無駄のない食生活にお役立てできればと思っております。

 

 

ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 

この記事についてブログを書く
« [ルバーフ] 食生活について語... | トップ | [◎佃煮] 食生活について語ろう »

美容ダイエット」カテゴリの最新記事