オスマン帝国外伝シーズン3 52話ハイライト ムスタファが帝都に来る、子供たちの命が危ないと恐れるヒュッレム

ヒュッレムはスレイマンがムスタファが帝都にむかっているときいて、すぐにスレイマンに秘密裏に手紙を書いたが、その配達人が殺され庭にたおれていたことスンビュルがきて話した。

「秘密にことを運べて言わなかった？」

と彼女は怒号する

「私にも全く分かりません。あなたと私以外知る者がいないのに・・・」

と言ってからスンビュルはぼそぼそと何か言った。
それはLa Havle ve La Kuvvete İlla Billahil Aliyyil Azim と言う祈りの言葉を唱えたのだ。スンビュルは良く困ったときに無意識に祈りの言葉を唱えることがよくある。

そばにいたのはニギャールとファーリエ。

ニギャールが

「ムスタファ様側のスパイがいるのはあきらかですね。すべての情報がつつぬけですわ」と

言うと、

「どうしましょうか？」

と困った様子のスンビュルに

ヒュッレムは行き詰って

「ひとりにして。少し考えたいわ」

といった。ファーリエはそれらをきいていた。 彼女が犯人なのに二人とも気が付かない。ニギャールも今はムスタファ側の味方だった。

ニギャールとヒュッレムはいろいろあったので、ヒュッレムは必ずしも彼女を信じているわけではなかったが、ことがことだ。
動揺しているヒュッレムはニギャールが味方敵かなどと考える余裕もなかった。

なんせもうすぐムスタファが帝都に攻めてくるというのだから。

出ていく前に、ニギャールは

「私のもうしたこともお考え下さい。もうあまり時間がございせん。すぐに決断しなければなりせんわ」

というのをわすれなかた。

「私は決断するわ。それがただしいかどうかはわからないけれど、必ずこたえをだすわ」

と力なく答えた。

独りになるとヒュッレムはもうすぐにでも泣き出しそうな顔で

「スレイマン　どこなの、あなたは？

どこ？」

と言い、深くため息をつい手うつむいた。

なんだかあわれだ。


シーンは変わって子供たちのすやすや眠っているようすがうつる。そしてヒュッレムの祈りがナレートされる。

「天に光をあたえる神よ、

地上に光を降り注ぐわが主よ、

私の苦悩と状態をごらんになります。

私の懇願をお聞きでいらっしゃいます。

さけられない災難・・・

あなたの慈悲深さにおすがりします。

どうか慈悲深き手を・・・

彼ら（子供たち）をすべての害悪からお守りください。

どうかお守りください、主よ」


そうなのだ、今回なぜヒュッレムがこれほど追い詰められているのかと言うと、子供たち全員に係る危険だからだ。

今まではヒュッレム個人が狙われた。でももしムスタファが帝都を奪取すれば、彼らの命があぶないのだ。
それも一番頼りになるスレイマンがいないと来ている。

涙をそっとふくと、ミフリマーフがへやへ入ってくる。

「どこにいたの、ミフリマーフ。なぜ出かけたの？」

としんぱいして聞くと、

「シャーおばさまに会いに行きました。」

と答えた。

「あなたに弟たちをみているようにいわなかった？それにそこでなんのようがあるというの」

すると

「弟たちのためにいったの。
彼女は彼らを守ることをやくそくしてくれたわ。
朝つれにくるわ。

彼女のそばでは安全よ」

と答えた。

ミフリマーフは姉として全力を尽くしていた。だがヒュッレムはかの世の肩に手をかけて、ちからなく

「ミフリマーフ、私の月のかけらよ。
あなたになんていいました？
私の他に誰も信じないで

決して信じないで」

というと、

ミフリマーフは困ったように、寝ている弟たちをみた。