高輪「高輪ゲートウェイ駅」隈研吾氏デザインの話題の新駅をレポート

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今回はJR山手線・京浜東北線の新駅である高輪ゲートウェイ駅オープン日である2020年3月14日に見学してきましたのでその模様をレポートしたいと思います。
※再訪の追加レポートあり

話題になっているけど、「実際どんな駅なの?」「具体時にどんなところを見れば面白いか?」といった疑問も多い高輪ゲートウェイ駅。
ここではこの駅の見どころやポイントを建築的な観点から紹介したいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・高輪ゲートウェイ駅を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・高輪ゲートウェイ駅の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・高輪ゲートウェイ駅の建築的な見どころや注目ポイント

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1.高輪ゲートウェイ駅とは

まずはじめに基本的な情報からですが、高輪ゲートウェイ駅はJR山手線・京浜東北線の田町~品川駅間にできた新駅です。
JR山手線の新駅としては1971年に出来た西日暮里駅以来49年ぶりとなることや、公募によって決定された「高輪ゲートウェイ駅」という駅名が大きな話題となる中、2020年3月14日(土)に暫定開業が行われました。

今回のオープンは東京オリンピックに合わせた暫定開業ということで、品川寄りのコンコースはまだ整備中となっていて、本開業は駅前に建設される高層ビル群と共に2024年の予定となっています。
また、駅舎の全体デザイン構想は根津美術館、浅草文化観光センター、新国立競技場などの設計者でも知られる建築家の隈研吾氏が担当したことでも大きな話題となっています。

2.設計者の隈研吾ってどんな人?

隈研吾氏は1954年、横浜生まれの日本の建築家です。
小学生の時に東京オリンピックがあり、父に連れられて見た丹下健三設計の代々木体育館を見て感動したことが建築家を志す大きなきっかけとなったという逸話があります。

1990年に独立してすぐに注目を浴びますが、1990年代後半あたりから作風がガラリと変わり、それまでの権威的でモニュメンタルな建築を辞めて自然と調和して街に開くような建築へとシフトしています。
現在は和の大家などとも呼ばれ、今日本で一番有名な建築家といえるでしょう。

ちなみにこのブログでは過去に4つほど隈研吾氏の建築を紹介した記事を書きましたので詳しく知りたい方はこちらも覗いてみて下さい。
・世界で5店舗目のプレミアムスターバックスをその建築と共に徹底レポート
・高尾山口駅がスゴい!高尾山に上る際は要チェックの建築だった
・隈研吾が設計した浅草文化観光センターに初潜入してきた
・栃木県の隈研吾が設計した「超」おススメ建築6選を見学

ここからは早速具体的に高輪ゲートウェイ駅を実際に見学して感じたことや、この建築を見る上での私なりのポイントを紹介したいと思います。

3.大きな屋根と庇は隈研吾氏の得意技

まず初めにこの建築で最初に気になるポイントは、何と言っても駅上部に広がる大屋根です。
これは日本の折り紙をデザインをモチーフにしていて、ジグザグに折れ曲がる白いフレームに薄い膜が張られているのが特徴的です。

単に折り紙=和や、この膜が障子に見える=和というだけではなく、この大きな屋根をかけるということに設計者の隈研吾氏の関心があることはポイントで、隈氏が和の大家と言われるようになった理由でもあります。

ここで少し時代を遡りますが、産業革命後に西洋の進んだ建築が日本に入ってきた当初、「屋根」という要素は実はあまり注目されていませんでした。
石積の壁をいかに自由に、軽やかに変えるかがテーマだった西洋の近代建築でしたので当然といえば当然です。

戦後近代建築の流れが消化された後、そこに注目したのが隈研吾さんらの世代の建築家で、特に隈研吾氏は忘れ去られそうになった屋根を木や竹といった素材と合わせて再び追及し始めました。
(プロフォールに書きましたが、若き日の隈氏は代々木体育館を見て感動して建築家を志したという逸話があります。代々木体育館もダイナミックな屋根が特徴的ですので、屋根に注目したのはその影響も大きくあったのではと思います。)

近代化の中でずっと置き去りになっていながらも日本の歴史的にも気候的にも実は重要だった屋根という要素を自然の素材と合わせて再解釈する隈研吾氏の建築は、今の時代にピッタリとハマりました。

例えば浅草文化観光センターでは家型の箱が積み重なったようなデザインが特徴的だったり、馬頭広重美術館や根津美術館でも屋根のデザインと自然素材の融合に力を入れています。
近作では高尾山口駅では高尾山に呼応するように外に大きく開いた大屋根が、スターバックスロースタリー東京では目黒川に呼応するように水平に流れるような庇がかけられていました。

最新作となる高輪ゲートウェイ駅では高尾山口駅とターバックスロースタリー東京をミックスしていて、高尾山→品川のビル群、目黒川→JRの線路に置き換えることができます。
大きく架けられた屋根とその下に集う人々、そして水平方向に抜ける視線とはまさに日本的な空間のつくり方です。
ただ、ここで屋根を単純に昔の日本建築のように重く重厚感のあるものにしなかったのは、現代の建築として和の空間をつくるという意味では興味深い&大正解だと思います。

高輪ゲートウェイ駅の空間の軽やかさと気持ちよさは体感してみると本当に良いものでした。テラススペースもあるので、時間があればぐるりと回ってみると気持ちいですよ!

スターバックスロースタリー東京

ちなみにこちらが中目黒にある隈研吾氏が外観設計を担当したスターバックスロースタリー東京です。改めてみると共通点がすごく多いです。

4.天井高さの秘密に注目!

高輪ゲートウェイを見る上で2つ目に注目したいポイントは天井の高さです。
大屋根は高さ30メートルもの高さにありますが、トイレや店舗といった部分はかなり天井高が抑えられていることに注目です。

全部の空間が巨大な吹き抜けとなっていては落ち着きません。
こうやって不要な部分は小さな空間にしてスケールを小さくすることで吹き抜け空間に出た時の解放感や抜け感がより強まります。
コストを抑えつつ、空間の効果はより強調される隠れた注目ポイントです。

ちなみにこういった天井高が低い部分は必ず水平方向に開放されて視線が通るようになっているので圧迫感や閉塞感はあまり感じないです。
特にトイレは男女ともに驚くような開放感で外に開かれているので訪れた際は気にして見てみると面白いです。

5.素材とカラーリングにも注目

3つ目の注目ポイントは使われている素材とそのカラースキームです。

実際に訪れてみて気付くのは、「身近な範囲は木材で、届かない範囲は鉄骨で」という法則です。
先ほどの天井高の低い部分なんかは天井まで木材がふんだんに使われていますが、柱の上部をよく見てみると、遠くの範囲はすべて白い塗装がされた鉄骨や膜材が使われています。
(梁の一部は側面に木材が貼ってありますが、初期のパースと見比べてかなり少なめです)

初期に発表されたイメージは大屋根の梁にも木材が使われていましたが、実際は予算や防火上の判断から鉄骨に変更されています。
それでもなんとなく木がふんだんに使われているように見えるのはこんな工夫があったのです。

それに加えて床と天井は明度の高い色で統一されているので、空間の広がりを持たせつつ、一つ屋根の下の不思議な一体感も感じます。駅の床って濃い舗装が多いですが、高輪ゲートウェイではかなり明るめなので注意して比べてみると面白いです。

また、コンコースの中でかなり巨大で目立つ存在でもあるエレベータはガラスで覆うことで透明感を持たせて圧迫感がでないようにしてります。
そこまで大きくない消火設備などはグレーに統一して自然な塊感をだすといった形で工夫されています。

消火設備などは下手に木材で覆うのではなく、敢えて濃いめの金属素材でデザインしているあたりがうまいです。実際消火設備の存在を気にしている人は私が見た限りでは皆無だったのが面白いところです。

6.最新技術の実験場でワクワクする体験を!

最後に高輪ゲートウェイ駅では様々な最新技術が実証実験として採用され、体験・体感できる点にも注目です。

例えば、AIを活用した案内ロボットが導入されていて駅構内や周辺施設、乗り換え案内などを案内してもらうことができます。
ちなみに私は写真左のロボットに「トイレの場所を教えて」と聞いてみましたが、「すみません、分りませんでした」と返答されてしまいました。これはこれでかわいいですが、このあたりはどんどん学習してアップグレードされることに期待ですね 笑
この日は見かけることができませんでしたが、警備やお掃除ロボットも導入されるとのことで、ワクワクする近未来的な駅となっています。

また、ホーム先端では一部写真のような屋根がかかっています。
はじめに見た時は、晴れていたら木漏れ日のような影が落ちてきれいだろうな、と思いましたがこれは太陽光パネルですね。
高輪ゲートウェイ駅では「エコステ」と称して屋根材の工夫や木材の使用によるCO2の固定化などの環境配慮の取り組みも行っていますが、この太陽光パネルもこの取り組みの一環です。

こちらは大型のデジタルサイネージ「鉄道テラスビジョン」今後様々な情報が発信されるのでしょうが、オープン日となるこの日は四季の画像でした。

この他にも、QRコード対応の新改札機が導入されたり、昼と夜で照明の色温度を調節したりと、未来の技術のショールームのような駅舎となっています。

7.特設広場「Takanawa Gateway Festにも注目!【追記】

高輪ゲートウェイ駅前の特設広場「Takanawa Gateway Fest」も着々と準備が進んでいます。※現在は解体済

Takanawa Gateway Festは駅前のつくられた仮設の広場で、約30000㎡の敷地にフードマーケットやイベントスペース、デジタルアートミュージアムなどが併設されます。
設計を行ったのは建築家の永山祐子氏で、「しらなみ」をイメージしたという膜状の屋根やハの字に並ぶマーケットが、波打つ駅舎の屋根と呼応して祝祭感を感じます。
白一色の建物は、ここに多くの人たちが訪れたイベント時には全く違った見え方に見える予感を感じさせてくれます。イベントや訪れた人が主役で、その人たちによって建物が彩られるようなデザインになっています。
また、夜にオリンピックのライブビューイングが行われる際にはこの白いテントが美しく浮きあがって見える光景が今から目に浮かんで楽しみです。

■Takanawa Gateway Fest
設計:永山祐子/永山祐子建築設計
所在地:東京都港区港南2-1
アクセス:高輪ゲートウェイ駅徒歩1分
竣工:2020年
備考:※現存せず

8.無人コンビニやスタバを体験【追記】

また、3月の開業時にはオープンしていなかった無人AI決済システム「タッチ トゥ ゴー(TOUCH TO GO)」を備えた次世代コンビニも体験してきました。
ゲートを入って商品を手にとった後に出口のカウンターに近づくと自動で商品が集計され合計金額が表示される様は正に次世代の店舗。
今は操作方法が分らない人のためにレジ1つにつき1人のスタッフの方がついていたので全く無人ではありませんでしたが 笑
これが普及したら買い物のスピードも感覚も全然変わるだろうなと思わせてくれるコンビニ体験でした。

最後にスターバックスで休憩してフィニッシュです。
こちらはカウンターから駅を行きかう人が見渡せるようになっていています。

電車を乗り降りする人を眺めていると、そこに行きかう人にある様々な人生を想像することができます。
これぞ駅舎建築の醍醐味ともいえる大満足の体験ができました。

夜のライティングも物凄く美しです。軽やかな屋根が強調されて、より建築のコンセプトが浮き上がるので夜の見学もいいですね。
泊りで来る人は近くに宿をとって、夜の姿をじっくり見るのがおススメです。

ちなみに隈研吾氏の東京都内のおススメ建築についてはこちらの記事にまとめていますので、隈氏の建築を訪れる際は是非参考にしてみて下さい。
関連記事
・建築家 隈研吾がデザインした東京都内のおススメ作品30選

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高輪ゲートウェイ駅
デザインアーキテクト:隈研吾建築都市設計事務所
設計:東日本旅客鉄道東京工事事務所、東京電気システム開発工事事務所、JR東日本コンサルタンツ・JR東日本建築設計JV
所在地:東京都港区港南2
竣工:2020年
備考:2020年度グッドデザイン賞
令和2年度鉄道建築協会賞


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