急に具合が悪くなる / 宮野真生子・磯野真穂  | 二階堂書店の読書ブログ

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読んだ本を忘れないように。
これがこのブログの主な目的ですが、このつたない感想文がどなたかのお役に立てば幸いです。

 

何かを読んでいて、おもしろそうな本に出合ったら

すぐ図書館で検索して予約するクセがあります。

 

なんせ実物を見ないで予約してるので、

図書館に赴き、実際手に取ってみて、

『薄いな』とか『字が大きくて読みやすそうだな』とか

『写真が多めでいいな』とか思うわけです。

 

この本も、ネット記事で知って予約しました。

 

 

 

 

率直な感想は、『思った内容と違う』でした。

 

まぁ、単なる私の予想が外れた、

ってだけですが。

 

急に具合が悪くなる病気を抱えた

さまざまな人の実例とか。

 

あるいははたまた。

 

最近巷では、飲食店に

予約を入れておきながら

当日キャンセルする例が多くて

問題になりつつありますが。

 

そんな感じで、

当日の朝まで元気だったのに

約束の場所に現れない人。

 

どうしたの?とメールすると

『具合悪い』といって

結局約束をブッチする

ギャルの生態を書いたものかと思って

楽しみにしてたけど、

ちょっと違いました。

 

 

一言でいうと、ヘビーでした。

 

ガンを抱えた方と、

その友人(というより戦友?)の

往復書簡です。

 

うーん…。

 

 

もしかして、余命宣告を受けたり、

進行した癌に侵されているような方が読むと

心に染み入るものかもしれません。

 

今のところ病気と無縁の私には

あまりピンとこなかった。

 

そして、こういうのは、

あくまで本人同士の間で親しみや

信頼をもってかわされる書簡であって、

こんなに多くの人に公開する目的で

書かなければならないのは

ちょっと(いや相当)宮野さんにとっては

きつかったんじゃないのかな、ということ。

 

最後の方は病が進み、宮野さんは

仕事に携われなかったという

注意書きが出てきます。

 

今検索してみると、まさにこの本の

刊行を見ることなく、42歳という若さで

亡くなられたみたいですね。

 

人それぞれの死生観や、人生観、

職業観がありますからね。

 

生前の宮野さんが、この本を出すことを

なにより心待ちにしていたのなら

良い本が出来上がってよかったですね、と

言いたいです。

 

 

何回も何回も、

繰り返し読みたい。

申し訳ないけれど、

そうは思わない1冊でした。

 

きっと、著者が私とは住む世界が違う、

崇高な立場にいらっしゃる

お二人だからなのだわ。