うちの子が、なぜ! 女子高生コンクリート詰め殺人事件  / 佐瀬 稔 | 二階堂書店の読書ブログ

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読んだ本を忘れないように。
これがこのブログの主な目的ですが、このつたない感想文がどなたかのお役に立てば幸いです。

 

 

凶悪殺人事件があとを絶たない昨今ですが。

 

これも、歴史に残る事件でしたよね。

 

この事件のことは記憶には残ってるけど詳細は知らない。

 

なぜなら私自身まだ学生だったから。

 

私が三度の飯よりスポーツ新聞やワイドショーを見るのが好き、っていうおやじギャルになるのは、この数年後。

それまではニュースや事件にはまったく興味のない子供でした。

 

つい最近『異端者たちが時代をつくる』という本を読みましたが、その中にこの事件のことが書かれていました。

 

で、急にこの事件のことを知りたくなったので、参考文献として名が挙がっていたこの本を借りて

みたのです。

 

『うちの子が、なぜ!』というタイトル。

 

てっきり、殺害された女性の親御さんの気持ちを書いた本だと思いましたが、いざ読んでみると、

なんと4人の加害少年側の話なのでした。

 

まぁ、確かに…。

 

あなたのお子さんが殺人を犯しましたよ、とある日突然言われたら『うちの子が?』って、

なりますよね。

 

 

加害少年は4人。(いまは50歳になっていますが)

うち、2人は事件までに両親が離婚しています。

でも、堅気な職業に就くご両親のもとに生まれた子もいます。

 

そして、少年本人もそれぞれスポーツが得意であったり、頭がさえたり、リーダーシップがあったり、弁がたったり。

まっとうなことにその才能を活かせたらよかったのですが、犯罪に加わる手下を統率するのに

リーダーシップが生かされたり、知恵をしぼって強姦する相手をゲットする方法を考えたり。

(コンクリート事件の被害者は、少年たちの自作自演にひっかかりました。)

人をひきつけるトーク力は警察から言い逃れるための詭弁に用いられたり。

なにより、ありあまる体力を強姦に使ったり…。もったいない限り!

 

どこかで運命のいたずらがなければ、あんな事件は起こらなかったかも知れませんね。

 

少年たちは、あれほど凶悪なことをしていても、所詮は年端のいかない子。

法廷や尋問の時、泣きじゃくって話せなくなる子が3人もいたそうです。

 

身長180センチ、柔道にあのまま進んでいたらね…っていうほどの、体の大きな子も泣いた

方のグループ。

 

ほんのボタンの掛け違えでこんなに人の人生は狂っちゃうのかな。

 

そして殺害女性は近所でも有名な美人で。

タレントとか女優にでもなれるだろうってほどの美貌の持ち主。

 

今頃は、素敵な旦那様と結婚し、かわいい子供に恵まれ、幸せな人生を謳歌できていただろうに…。

もしかしたら、もうお孫ちゃんの一人でもいたかも知れない。

 

考えてもキリがないけど。

 

それにしても私は怖い。

この事件に限らず、こういう凶悪犯が刑期を終えて出所して、一般人になって自分たちの隣に

住んでいたら…。

 

安易に人を信じられないよね…。

 

本書では4人の少年を一夫、次郎、三雄、司郎という仮名で書いています。

たった一人、再犯を犯していない子は誰なんだろう…。

気になる…。