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【Wikiに無い!】メロディック・デスメタル紹介:基礎知識&代表的必聴バンド【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ゴシック
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デスメタルに禁じ手とされたメロディを大胆に導入してシーンに革命を起こし、保守メタラーの意識にまでカタストロフを起こしたエクストリームメタルの重要ジャンル!

スタイル – メロディック・デスメタルとは?

メロディック・デスメタル(以下メロデス)とは、その名の通りメロディ要素の強いデスメタルのこと。

実は、デスメタルへのメロディ導入自体はメロディック・デスメタルの登場以前から行われていましたが、それとは明確に異なるレベルで、メロディーのフィーチャー度が大幅に強化され、サウンドにおけるその重要性がアップしています。

メロディ導入のスタイルとしては、

①…ギターソロなどメロディパートを大幅に増量したもの。
②…メロディアスなフレーズをリフ化するなど基本のリフ自体にメロディを織り込んだもの。
③…もともとメロディラインを持った楽曲にデスヴォーカルを乗せたもの。

…などバンドによって異なりますが、いずれにしてもそれ以前のメロディを意識したデスメタルのスタイルから叙情性,耽美性,エモーションを大幅に強化し、メロディを前面に押し出した作風の曲構成というスタイルを実現している点で共通しています。

これは、頑なにアンチデスメタルのスタンスをとり、「メロディーのない音楽なんかゴミ」,「メロディアスなデスメタルを作れるものなら作ってみろ!(笑)」とコケにしていた、様式美至上主義の保守メタラーにカタストロフが起きた瞬間です。これは保守メタラーの固定観念を半笑でくつがえす爽快なものでした。

これにより、硬直化しつつあったデスメタルシーンに大きな風穴を開けてポストデスメタルの最右翼におどり出し、さらにはこれ以降同様のアプローチを行うバンドも増殖して、北欧シーンを中心に一大勢力に成長します。

バンド紹介は3ページ目からです。それだけ見たい場合は下から次ページへ飛べます!▼▼▼

背景 – メロディック・デスメタルはなぜ登場した?

デスメタルはもともとスラッシュメタルの分派/サブジャンルのひとつとして生まれたもの。
「攻撃性」「疾走感」「重量感」といった、ヘヴィメタル本来の個性を追求して生まれたスラッシュメタルが、さらにパワーアップ・デフォルメを重ねた究極進化系がデスメタルです。

より速く、より重く、より激しく、より複雑に、より凶暴に、より狂的に、より変態的に。
こういったデスメタルの基本的方法論によるエクストリーム進化の流れは、デスメタルが注目を浴びるようになる90年代前半の時点でほぼ完成系にたどり着き、オーソドックスなデスメタルのスタイルは行き詰まり、せいぜいが短距離走の記録更新レベルで手数とスピードを微妙に増していく程度になっていました。

本来、ヘヴィメタルの進化実験的な試みという側面もあったデスメタルシーンですから、先鋭的な感性と姿勢を保つバンドも多く、それらはある時期を境に新機軸を模索するポストデスメタル的展開へとシフトしていきます。

そこからいくつかの分派が生まれ、それぞれの方向で新機軸を追求することになりますが、それがドゥームメタルでありゴシックメタルでありプログレッシヴデスメタルであり、そしてメロディック・デスメタルだったというわけです。

歴史 – メロディック・デスメタルの登場!そのパイオニアは?

前記の通り、メロディを取り入れたバンドは元来メロディ/耽美志向の強い北欧シーンを中心にメロデス登場以前から存在しており、メロディック・デスメタルというカテゴライズが完成するまでは、日本では耽美派デスメタル・メロディ派デスメタルなどとよばれていました。

プログレ的な作風の中でメロディ導入を試みていた初期のEDGE OF SANITY(エッジ・オブ・サニティ)AT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)AMORPHIS(アモーフィス)THERION(セリオン)、耽美的な要素を追求しておりのちにゴシックメタルに移行するTIAMAT(ティアマト)SENTENCED(センテンスド)がその代表格です。

ただしそれらは多く場合、作品に耽美性を与えるためのSEやギターソロ,局所的なフレーズなど、ささやかで部分的なメロディー導入にとどまっていました。

そこに、過去のスタイルとは全く異なる独自の本格的にメロディ主体に据えたスタイルを確立させて、ムーヴメントの口火を切ったのがDARK TRANQUILLITY(ダーク・トランキュリティ)、まさにメロディック・デスメタルのスタンダードとなるサウンドの基礎を作り上げました。

それと並行して、前記のバンドたちもメロディを大幅強化した独自のスタイルを確立、ほぼ同時期に独自のメロディック路線を完成していたDESOULTORY(ディサルトリィ)DARK TRANQUILLITYに倣った弟分IN FLAMES(イン・フレムス)などもそこに加わります。

また、メロディの導入はポストデスメタルの流れとして同時発生的に各地で起こっており、米国ではDEATH(デス)CYNIC(シニック)、英国ではCARCASS(カーカス)などがメロディを追求した作品を生み出し、メロディック・デスメタルのパイオニアに数えられるようになります。

歴史 – メロディック・デスメタルのメジャー化!

90年代中盤になると、日本のマスコミも新たなマーケットとしてメロディック・デスメタルをバックアップするようになったことで、ジャンルが認知されて高い支持を得るアーティストも続々と登場しメロデス戦国時代に突入します。
ここに至ってメロディックデスメタルは、保守的な一般メタルファンも無視できない存在となります。

それに合わせて、ARCH ENEMY(アーチエネミィ)SOILWORK(ソイルワーク)CHILDREN OF BODOM(チルドレン・オブ・ボドム)など、目利きのマニア層の手垢の付いていない新世代グループも登場し、新規リスナーにとっての同時代的バンドとして支持を集めるようになります。

さらには、DISSECTION(ディセクション)CRADLE OB FILTH(クレイドル・オブ・フィルス)NAGLFAR(ナグルファー)DIMMU BORGIR(ディム・ボガー)らメロディック/シンフォニックブラックメタルもそこに参入して、初期のメロディックなエクストリームメタルシーンを活性化させていきます。

これらの動きによってメロディック・デスメタル/メロディック・デスラッシュは次第にシェアを伸ばし、サブジャンルの枠を超えてヘヴィメタルの主流ジャンルのひとつとして大きな存在に成長したのです。

世界にはばたく北欧メロディック・デスメタル!

00年代に入るとアメリカのメタルコアシーンで、AT THE GATESなどスウェーデンのヨーテボリ(イエテボリ)系メロディック・デスメタルのスタイルを導入する流れが生まれます。

これにより、IN FLAMESSOILWORKARCH ENEMYらの北欧メロディック・デスメタルも、米国を中心に世界的に認められる音楽となり、その独創的サウンドが世界中に伝播してゆきます。

また北欧のメロディック・デスメタルシーンでも、逆輸入的にメタルコアスタイルを導入するバンドまでが現れるようになります。

次ページではメロディックデスメタルのスタイルバリエーションを紹介!▼リンクはページ下!▼

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