「もうひとつのラスト」  第13話 | ノベルの森/アメブロ

ノベルの森/アメブロ

オリジナル小説、今はSF小説がメインです。今日からは「多次元文章世界」と題して、ノンフィクション(ショート・ショート含む)とエッセイを展開していきますのでどうぞ応援してください。

我が家の引っ越しの為、小説の更新を引き延ばしになったままでした。やっとネット環境も整いましたので再開させて頂きます。留守中、毎日のようにご訪問頂いた皆様、申し訳ありません、そして有難うございました。m(_ _)m (^_^)v
それでは二次小説「もうひとつのラスト」再開です。



                      マトリックスA


前回の文末です。

「言ったでしょ、私は基本的には古風なんだって。続きはベッドで!」
「そんなぁ・・・」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「もうひとつのラスト」   第13話







僕はベッドの中で香瑠を待っている。
僕のことを全部洗ってくれたあと、今、彼女は自分自身に磨きをかけている。もう充分奇麗だし・・・もう待てないってみんな言ってる。(誰かさんと、左手のナイトと、そして僕・・・)その中で一番落ち着きのないのが僕だ。


香瑠を待っている間に傘をさしておいた方がいいのか、それとも雨が降り出してからの方がいいのか?
40歳にしてこの有様。ぼくの今までのセックスライフが、砂漠に雨が降るようなものだったから仕方がない。この10年間ただの一度も砂漠に雨は降らなかったのだから。
でもそれで良かったんだ。これからは毎日だって(確か、むかし、香瑠はそう言ってた・・・)
香瑠と二人っきり。極上の雨の恵みを共にする事となる。あの香瑠と、である・・・。


映画やTVのCMを見て沢口杏奈(香瑠)を知っている男性は、10代から30代の30% 約470万人にも及ぶという。(アルバイトの青木君の話だとそういうことになる) さらに彼女のルックスやその仕草に、思わずみぞおちの辺りを押さえてしまった男性を仮に半分としても、235万人!いいのかなぁ、そんな有名人を僕なんかのステディにしちゃって。といって他の誰かに任せるなんて気は毛頭ないけど。

今年の正月も0.02をコンビニで買っておいた。(香瑠があっちに行ってから毎年、正月に新しいものに買い替えている)
枕の下へ押し込んでいる最中、ぼくの耳がある音を捉えた。それは聞きなれていたが、昨日まではぼくの耳元で聞こえていたあの音。香瑠が顔を出した。彼女がバスルームのドアを開けた音だった。


それにしても香瑠、その恰好は!君はドアの隙間から顔だけ出しているつもりかも知れないけど、そのドアは殆どスケルトンなんだからね。胸から膝のあたりまでピッタリくっつけて、その豊かさと肌の白さをそんなにアピールしなくても、君は充分すぎるほど魅力的なんだから。

ねえ、と言ったあと、香瑠は僕を悩ませ続けながら言った。

「このままの格好でそっちに行って欲しいの?」

え?僕はそれしか言えなかった・・只今脳内混乱中!

「だって、ここにはバスローブが見当たらないわ」

あ!「ごめんごめん!今すぐ、だ、から」ぼくはそう言うとベッドから飛び出し、用意してあった二人分のバスローブの片方を掴みバスルームへ急いだ。幸いなことに彼女はまだドアの向こうにいた。だが、今度は向こうを向いていて、背中からお尻までがくっきりと!せっかくだから拝見しながらドアをノックした。
けれど僕の右手の中指の第2関節は空を切った。香瑠が向きを変え、ドアを開けたからだが?・・・!バスルームの奥の壁面には鏡があった。そうか、香瑠には僕の姿が見えていた・・・悪い子だ。

「お待ちしておりましたわ」


彼女は、してやったりという顔をしてそう言った。

香瑠はバスローブを、ぼくはトランクスのまま。二人は10年前と同じ姿勢でベッドに横たわり、永い、長いキスをしている。香瑠はその長く細い指でぼくの髪をなでてくれている。ぼくは右手を彼女の肩へ回し抱き寄せる。

そして誰かさんは、香瑠の「ご褒美よ」に勇気づけられたのか、いきなり彼女のバスローブの前を開き豊かな胸の感触を味わった後、お尻の探検を始めた。
おかげで僕も鼻息が荒くなってきた。なのに彼女はぼくの唇を離れ、一度大きく息を吐いてから言った。


「浩史、ねえ・・・聞いて」
「今ちよっと忙しいんだけど」

ぼくは彼女の唇が離れて行った切なさに耐えきれず、「誰かさん」のあとを追おうとしていた。

「浩史、聞いておいたほうがいいと思うよ」

「分かった、何のこと?」「私、今日は大丈夫なの」

「それって、あのこと?」「そう、だから傘の心配はいらないわ」

「そうか、なら誰かさんにもそう伝えといていいの?」ぼくは思わず笑みを浮かべた。

「もちろんよ、問題ないわ。それに誰かさんはすでに行動に移ってるし・・浩史も何だか嬉しそうだけど?」

「いや、女の子が気にすることじゃないから」

「そうなの?」  

「そうだよ」

話してる間に、その誰かさんから早速情報が送られてきた!










いつも読んで頂いて有難う御座います。
応援のポチを頂けると励みになります。
どうぞよろしくお願い致します。♪