「何か言うことは無いの!」
その威勢に負けることなく僕は余裕の微笑みさえ浮かべて言ってやった!
「勿論、ある!・・・」
第23話 文末
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最 終 話 ・・・・・・もうひとつのラストが・今
「勿論、ある!」
と言ってから多分3分が過ぎた。
「ねえ、浩史。いくら私が物事に動じない女だからって、こんなに緊張を強いたままでいつまで待たせるつもり?・・・あなたのセリフ、だいたい察しはついてるからそろそろ聞かせてくれないかしら」
「そ、そうか。何もわざと待たせているわけじゃない。君に心の準備をする時間をあげようかと・・・」
カヲルはついに深いため息を吐いて空を見上げた。そのあと視線をぼくに戻して言った。
「心の準備なら、14歳の時から出来てる。そしてそのまま、あなたの目の前にいるわ」
(14歳の、あの頃から・・・僕にとってそれは衝撃的だったけれど、もう1秒だって先延ばしにしてはいけないと思った)
「カヲル、結婚しよう」
言い終わるのとほぼ同時に、ケント紙のように艶やかなカヲルの頬を涙が伝わって落ちた。
「こんなに長く待たされたから・・・」
甘い声で、それでも僕のせいだと言いながら、彼女はぼくの胸に縋り付いてきた。
五月晴れのある日、ぼくらは朝一番で区役所に行き、結婚届を提出した。
カヲルはどっちでもいいと言ったが、僕は反対した。「父さんがいたらきっとそう言う」僕がそう言うとカヲルも頷いた。
そして『BENITO』を貸し切り、『CHARLEY』の伊藤夫妻、親友の佑一夫妻とその長女香瑠2世、「ウオーターサイド」元スタッフの青木君、そして新しく「ウオーターサイド」のスタッフとなった鈴音さん、みなさんの祝福を受けて、少人数ながら賑やかに結婚の宴を持つことができた。
これから先どんなことがあっても、そしてすべてが大団円に終わることがなくても、これまでの僕らの恐ろしく高価な思い出が、これからの人生を力強く生きていく為のエネルギーとなることを僕もカヲルも確信している。
これから二人は絶対に離れることはない。根拠はないが、そうなると確信している。
「ねえカヲル、そうだろ」
誰かの祝盃を受けて盃を飲み干していたカヲルだったが、ぼくを振り返ると目を細め、笑みを浮かべて言った。
「何のことか分かんないけど、いつも貴方と一緒よ」
やっぱり彼女は分かってくれている。
fine
今までお読みいただきありがとうございました。
何かと間延びした小説の更新でしたが、これで
終わりとさせて頂きます。
カヲルと浩史のハッピーエンドを勝手に祝います。
いい曲、いい訳詞、いい歌声♪でしょ。(^^♪
MrMoonligttさま、素敵な曲をUpして下さり、本当に
有難うございます♪
最後のお願いがあります。
ポチっと応援をよろしくお願い致します。(^^♪