「多次元文章世界」
それなあに?ですよね。
そもそも、この世界が多次元世界の一つ、そう考えている作者にとってこれは当たり前のことなのですが、実に都合のいい世界なのです。
行き詰まると、違う世界、否、違う文章に飛んでけばいいわけで・・・。
かと言っていい加減な気持ちではない・・・本人は真面目にそう考えています。
まあ、「多次元文章世界」をふまえていれば、あっちこっち飛んでいても「エッセイ」という便利な「文章世界」からはみ出してはいない・・・とにかく第一話が始まります。
No1 「あれは誰だ!?」
高2のある日、親友のKと仲良く下らない話を共有しながら家路についていた。
向こうから同じ性別、同じ制服を着た2人が歩いてくる。一人は知らない顔、けれど、もう一人は「俺」!・・・!え!でしょ!?
お互いに相手を視認してからは、スローモーションの時が流れ始めた。誰も口を開かず、色彩さえ薄れて、鼓動が高鳴る・・・。俺もあっちの「俺も」視線を外すことが出来ない。奴の連れも俺の連れも同様の様子・・・。
すれ違ってしまうその瞬間までの時間がやけに長く感じられて、異常な遭遇が終わっても、俺は振り返る事なく歩いた。
「安全圏に達した」何の根拠もなくそう感じた時、俺は立ち止まって連れに言った。
「見たかい?」
「当たり前だろ、シカと出来るはずがない」
「お前、振り返ってみてくれないか?」
Kは返事のかわりにため息をついた。そして振り返る。
「おい、どこにもいないぞあの二人」
何となく、そうなんじゃないか、そう思っていた俺はほっとしたのである。
『これ、ノンフィクションですが、信じるかどうかは当然皆様のご随意に。♪』
今回は「ノンフィクション」のつもりですが「エッセイ・随筆」と思われた方はそちらを、どちらかひとつに 応援のポチを押して下さい。どうぞよろしくお願い致します。