もうすでにご存知の方が多いかもしれませんが、本田秀夫先生の本です。
本田先生は、自分の中では癒し系の 発達障害《ASD(自閉スペクトラム症/旧アスペルガー) ADHD(注意欠如・多動症)》およびグレーゾーンの専門家です。
NHKにもよく出演されており、ご本人の語り口調や雰囲気から、落ち着いた優しいお人柄が伝わってきます。
軽度のADHD、本田先生はそれをADHと形容しています。
ご本人がADHであることを公表されており、 発達障害当事者側の事情をよく加味された上で、世間への認知活動を行なっています。
タイプ別の発達障害
こちらは、発達障害の当事者や、周りの人の困りごとを解決するための本です。
あなたの隣の発達障害 本田 秀夫:著 小学館
生活環境や育ち方で、発達障害の現れ方が違うことが書かれています。
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育ち方の4つのタイプ
- 真面目で信頼できる性格「特性特異的教育タイプ」
- 不信感や猜疑心が強い「放任タイプ」
- 自信や意欲の低下を招く「過剰訓練タイプ」
- 社会人になってからつまずく「自主性過尊重タイプ」
タイプが分かると、困りごとの質や対策も立てやすくなります。
ASDはこうだ、ADHDはああだ、と一括りにして対処策がマニュアルのように載っている本が今だに沢山出版されている残念な状況ではあります。
が、本田先生の本は、個々の症状は全て違い、発達障害は困りごとが出ていないのであれば、障害ではありませんよ、ということが大前提です。
もし実際に問題が出てきているなら、タイプ別で考えて対処し、さらに周りの人にフォローしてもらうことを推奨しています。
たいへん権威ある博識な先生にも関わらず、おごっている感じが全くなく、ADHの特性から考えても、フラットな価値観の方なのかなと思います。
ご自身もADHゆえのルーズなところを、周りにカバーしてもらって仕事をしていると、よくお話しされています。
自主性過尊重タイプ
自分は、典型的な「自主性過尊重タイプ」であるのが分かりました。
自己肯定感は高いが、好きなこと以外はやらなくていいと考えてしまったり、自信と実力が不均衡になったりで悩むタイプ。
周りが見るに見かねて対策を練るので、本人は全然気がつかないで調子にのっている、という人です。
童話の「裸の王様」を思い出してしまいました。 笑
だからこそデザイナーになり、引きこもり主婦を経験することになるのですが。
本をよんで諭される
本の話しに戻しますね。
先生の人柄のような、ほんわかした挿絵と、大きめの文字に行間も緩めで、やはり優しいアドバイスが読みやすく載っています。
ああしなさい、こうしなさい、と押せ押せの内容ではありません。
♠ ♠な事態で困っているなら、タイプ的には♥♥だから、♦♦というようにしてみるといいよ。
周りに♣♣な人がいるときは対処策として✿✿すると事態が落ち着くよ。
といった視野狭窄になっている時に矛先を変えれば道は開ける、そんな本です。
大人の発達障害についてが中心ですが、発達障害のお子さんの育て方に悩んでいるお父さんやお母さんも、子供の将来を描きながら読むのにいいと思います。
疲れちゃっている社会人、困りごとで頭が回らなくなってしまってるASD ADHDの方、優しく導いてほしい人、にオススメの本です。