『HSP:ハイリー・センシティブ・パーソン』 ってご存知でしょうか?
HSPとは、敏感な性質をもつタイプ(病気には分類されません)で、過敏性症候群と呼ばれています。
相手の言動に翻弄されたり、空気を読みすぎること、過敏な五感で、日常生活に支障をきたしてしまい、
二次的にうつなどを発症することもあるそうです。
人だけでなくコバエ、鳥、魚、イヌ、ネコ、馬、霊長類など、 100種類以上の動物に同じ気質が確認されており、
生物学的に必要な気質であるのは間違いないと言えます。
危険を素早く感じたり、豊かな五感で文化レベルが高い、そのような気質は、種の繁栄にはなくてはならないからです。
空気を読みすぎるツラさ
「HSPと発達障害 空気が読めない人 空気を読みすぎる人」 高田 明和:著 廣済堂出版 では、一見相反する
空気を読みすぎる人 = HSP(過敏性症候群)
が実は脳の性質により、困りごとや症状を抱えた、同じマイノリティーであることを教えてくれます。
HSPと発達障害は似通っている部分があり、グレーゾーンも含め、人によって症状のパターンの違いから
どこからどこまでが〇〇、と専門家でも判別が難しいと医学博士でもある著者は述べています。
HSPと発達障害とグレーゾーン
著者の高田さんは、自分がHSPであることを確信し、これまでの困りごとの理由がはっきりと分かったそうで
過去には2度「うつ」に悩まされ、実は発達障害の要素も持ち合わせているそうです。
HSPは病気には分類されないため専門医がまだ少ない上
個々の症状が違うため、MIXしてるとなかなか判別がつかないことが多いそう。
顕著な例は、ASD(自閉スペクトラム症) の”スペクトラム”は連続体を意味しており、
グラデーションのように展開する症状は、ひとりひとり違うものです。
そして、完全なADHDやASDは存在せず、どの人も症状が混ざり合っていることから
すっぱり分類できるものではなく、対処も人それぞれ。
本人と周りが協力し合ってメタ認知を行い、症状を改善していくしかないといえます。
オススメのポイント
とにかく目の前のことにロックオンしがちな発達障害の人は、一歩離れて自分を見つめるのが苦手、
それを体系立てて考えるのが不得意であることが多いので、
HSPと発達障害《ASD(自閉スペクトラム症/旧アスペルガー) ADHD(注意欠如・多動症)、およびグレーゾーン》、
この二つを比較することで、自分の症状を客観的に把握するのに役立てられるのではないでしょうか。
この本は、あなたの性格に問題があるわけではないし、センシティブ、繊細なのは弱いことではありません。
脳の機能的なことで、世の中の大多数の人と違う発想や言動が目立つわけですが、
表裏一体のその部分を長所として伸ばしましょう。
「苦しさ」や「不安」、「困りごと」は、まず自分自身を冷静かつ客観的に把握することで
具体的なマニュアルを作って対処していけば良いのだと、諭してくれます。