今年もあと2ヶ月足らずになってしまいましたね?
10月の転職最盛期が一段落したので、馴染みの飲み屋に行ってみました。
最近仕事が忙しくてなかなか立ち寄れずでしたが、そこでも何故か転職の相談を受けるハメになってしまいました。
依頼主は飲み屋の女将さんで、とある泉南の介護施設に就職した息子さんについての相談でした。
就職先で虐待を目撃したが新人で誰にも相談できず
息子さんがその介護施設に就職したのは昨年の4月で、私も現場職ではないにしろ同じ業界人が一人増えた、愚痴を共有と喜びました。
彼が介護職になった理由が「おばあちゃん子だった」からで、性格も朗らかだから誰とでも仲良くなれる人物だったため、私も女将さんも彼なら大丈夫と安心しきっていました。
まさかその彼が1年半後、精神を病んで実家に戻ってこようとは誰も予想だにしません。
彼と久々に会ったのは、飲み屋の20周年記念パーティのこと。
元々筋肉質でゴツいガタイの彼でしたが、しばらく見ないうちに「あれ?誰だっけ?」ってぐらい体重が増えてて、誰がどうみても不健康には見えません。
そんな彼がポツりと愚痴を吐き始めたんですよね。
女将さんがいる手前、大きな声では話せない風でしたが、ボソボソ話す彼の口から「うちの施設で虐待があって…見過ごせなかった…」というのです。
正義感が強く、人の嫌がることを極端に嫌うタイプの彼は、いうことを聞いてくれない認知症のご入居者様を拘束して、虐待している就職先を許せないで、誰にも言えず苦しんでいました。
こういうのが一番苦しいんですよね?
社員は家族と謳う施設はブラックの可能性が限りなく高い
そんな彼の精神をかろうじて支えていてくれたのが、リーダーである歳の近い先輩だったそうだ。
入社時から面倒を見てくれて、些細なことでも相談に乗ってくる兄貴的そんざい。
職場の面々も虐待をする人たちではなく、高校の卒業式にはお祝いパーティを開いてくれ、入社式の夜には一緒にバカをやってくれた。
なんていい人たちなんだろう?
こんなバカやってくれる仲間たちとなら、いつまでも働きたい、どこまでも貢献したいと考えたそうだ。
何でここまでしてくれるんですかぁ?と一度彼は訪ねたらしいが、帰ってきた言葉は「君はもう僕たちの家族だから…」だったそうだ。
「君は私たちの家族」を聞いた瞬間、私は理解してしまいました。
ブラック企業が使う典型的な手法だねって。
そうなんですよと彼が語り出した内容はブラックそのもの。
施設内で行われている日常的な虐待を内部告発したとたん、追い出し部屋勤務を命じられ、正社員にも関わらず時短勤務・時給勤務を命じられ、果ては産業医に銘じて精神異常者の烙印を押され、どんどん追い込まれていった。
誰にも相談できずに。