前の記事の続きですニコニコ


世界のエリートが「美意識」を
鍛える理由の
「正解のコモディディ化」
他人と同じ正解を出す→差別化の消失)
がどうして起こるのか見ていきます。


筆者は
経営の意思決定に必要なものとして、


①サイエンス「様々な情報を分析」


②クラフト「過去の経験を頼りにする」


③アート「芸術、直感、美意識」


という3つの側面があると述べました。
(ヘンリー・ミンツバーグの論考を参照)

サイエンスとクラフトに関しては、
説明が出来るものです。
例えば、
データ分析で予測したり、
自分の失敗談を語ったりできます。


ところが、
アートは説明ができない、と述べます。
「なんとなく良いと思った。」
と言われては、説得力に欠けます。


企業が大きくなるにつれ、
「美意識を大切にする」という
理念がなければ、
説明ができる「サイエンス」と
「クラフト」だけが
大きくなっていきます。
例えば、わかりやすい
「前年比100%をこえよう!」などの
目標です。



さらに、筆者は
「美意識」が育ちにくい理由を、
日本の「空気」によって説明しています。
戦争で敗けが決まっているのに、
日本人が敵に突撃してしまった理由に、
「場の空気」があったと語っています。


日本人は、その反省を生かして
論理と理性と体験の「言葉に出来ること」
を重要視するようになりました。
語ることができない「空気」と
「美意識」を似たものとして
扱ってしまいました。



そして、
「美意識」が育たなかった悲劇として、
「オウム真理教」にも触れていました。


オウム真理教は、教祖のマジックと
見えるような神秘体験で信者を
魅了していました。
が、それだけではなく、
内部では、世間にある会社と同じような
出世のシステムがあったといいます。
これが出来れば次の段階に上れる
という「小乗、大乗、金剛乗」の3つの
ステージを用意します。
これによって、
偏差値の高い人が、
階級を上りやすくしたそうです。


オウム真理教の幹部は、
社会で挫折を経験した偏差値の高い
受験エリートばかりだったようです。


では、
この集団には何か足りなかったのか?


筆者は「美意識」だといいます。
オウム・シスターズの舞いは、
素人以下のレベルだったそうです。
出家者たちの集う僧院も、
工場のような建物でした。


「サイエンス」と「クラフト」を
極端に強化された結果、
「アート」が見過ごされたと
筆者はいいます。


このような事件が起こり、
私たちは説明されてもわからない
宗教に関して、不安に思います。



私たちは歴史から、
説明できないものの恐さを経験します。
それによって、
「美意識」が育ちにくくなると
筆者は述べていました。


もちろん、「アート」だけに
片寄る怖さもあります。
会社で「これがいいと思った!」だけで
商品開発を進めても、
技術が伴っていなかったり、
コストと時間も伴わなかったりすれば、
良い商品にはなりません。


ただ、
本の題名に「世界のエリート」とあるので、
「サイエンス」と「クラフト」を
エリートは持ち合わせていることを
筆者は前提に話していると思われます。


ではどうすれば「美意識」を
鍛えられるのか。
次に見ていきます。


余談ですが、
「サイエンス」「クラフト」「アート」
の考え方は、
自分一人でも自分の中で考える
ことができます。


私は以前
①最大多数の最大幸福
②自由と権利
③美徳の追求
という3つの価値感を自分の中に
持って物事を考えてみました。

けれど、私にとってこれは
使いこなせませんでした。
自分の立場を考えるだけで頭が
一杯になってしまって、
わからなくなってしまうからです。
この3価値は人々全体に対してですが、
3つの意思決定は個人です。


この「サイエンス」「クラフト」
「アート」を使って、
次の記事で私の身近なことを
例に出してみたいと思います。


読んでいただいて、
ありがとうございましたニコニコ