「とてつもない失敗の世界史」
(トム・フィリップス著 2019)
を読みましたニコニコ


1章2章に続いて
3章
気やすく生物を移動させたしっぺ返し
を見ていきます。


本では、いてはならない土地に
私たちが持ち込んだ8つの種
をあげていました。
「猫」「オオヒキガエル」
「ハイイロリス」「カムルチー」
「日本のヒトスジシマカ」
「オーストリアのウサギ」
「マメ科のクズ」「ムクドリ」


「日本のヒトスジシマカ」
を引用します。
(とりわけ鬱陶しく病気を媒介する
かもしれないこの蚊は、
ほかの多くの蚊と違って
いつでも血を吸えるのが特徴だ。
1985年に日本から輸入された中古の
タイヤの積み荷にくっついて
アメリカにやってきた。)


このような種の移動は
どうして起こったのでしょうか?


農業が発展していく一方で、
人類は動物を家畜にし始めました牛豚
最初に動物が家畜化されたのは、
農業の発展より何千年も前の時代です。
けれど、農業が本格的に始まると、
人類は試行錯誤のすえに、
植物にしていることをそのまま
動物にもやり始めました。鳥羊
「動物を家畜化したことで、
私たちは自然の支配者だという
意識を強くもつようになった。」
このことが原因になって、
「しっぺ返し」の元をもたらすよう
になったと筆者は述べています。
他の本でも、エリートやお金持ちは
生物の育成に趣味を費やすように
なると書かれていました。
例のウサギやムクドリは
お金持ちの趣味が原因ですうさぎ


種の移動から「しっぺ返し」を
くらった例として、
中国からスズメを駆除した毛沢東を
本ではあげています。

毛沢東は1958年に四害駆除運動を
開始しました。
「蚊」(マラリアを広める)
「ドブネズミ」(ペストを広める)ねずみ
「ハエ」(鬱陶しい)
「スズメ」(穀物を食べる)ヒヨコ

この結果、
イナゴを食べるスズメを駆除したことで、
イナゴの大量発生が中国の作物を
荒らし回りました。
これは、1959年から1962年の
中国を襲った大飢饉の原因の一つに
なったそうです。

それを受けて、
「スズメ」→「トコジラミ」に
変更されましたキョロキョロ
このように歴史を追っていくと、
その「しっぺ返し」がよく想像できます。


そして、
2004年
中国政府はSARSウイルスの発生を受けて、
ジャコウネコからアナグマにいたるまで、
哺乳類の大量駆除を命じたそうです。
結果は数年先でないと、わかりません。
今世界で騒いでいるのは
新型コロナウイルスですキョロキョロ
武漢の近くの研究所から何かがもれた
とか、コウモリから発生したとか、
いろいろ憶測されていますバイキンくん



筆者は、
このことから学べるものとして
自然を荒らしてはならない。
そうしていいのは、
どんななりゆきになるかが
前もってよくわかっている場合だけだ。
それでも、
おそらくは良いことではない。)
という教訓をあげています。



読んでいただいて
ありがとうございましたニコニコ