今日は姫路市立美術館で開催中の展覧会を見に行った。それにしても毎度思うのはここの駐車場の価格の異常な高さ。なぜか3時間600円が最低単位になっている。姫路城見学のみならこの価格設定でも良いかもしれないが、美術館最寄りの駐車場でありながら美術館利用者のことを全く考えていない。本来なら1時間200円という価格設定もあるべきである。神戸辺りの都会ならこの価格設定もともかく、姫路は車がないとどうにもならないようなド田舎である。そもそも美術館に専用駐車場がないということ自体がどうかしているのに、何を考えているのか全く理解に苦しむところだ。近くにある「私立」の三木美術館でさえ専用無料駐車場を完備しているというのに。なお本展入場料は三木美術館よりもはるかに高い。
この辺りが観光都市でありながら観光客のことを一切考えていない姫路市のダメさを象徴している。こんなダメダメな自治体だからこそ、あんな日本中にド顰蹙を買った菓子博なんかを「大成功」と自画自賛するような恥ずかしいことが出来るんだろう。もし私が姫路の市長にでもなったら、まずはこのような体質を一掃したいところだ。
「ストラスブール美術館展 印象派からモダンアートへの眺望」姫路市立美術館で1/26まで
ランス地方の都市ストラスブールにある、ストラスブール近現代美術館のコレクションを中心とした展覧会。展示作品は印象派から始まってモダンアートに至る。もっともモネなどの印象派作品も数点はあるが、メインはそれ以降の作品。キュビズムや抽象絵画にまで至る近代絵画である。
前半の印象派絵画周辺には興味深い作品もあり。日本の版画の影響を受け、大正版画的な趣のあるリヴィエールの作品などが印象深いが、点描を用いたアンリ・マルタンの作品なども興味深いところ。またボンヤリとした人物像がまるで亡霊のように見えるカリエールの作品は極めて独特である。
ただピカソ以降の近現代絵画となってくると、私としては興味がグッと減退するのは仕方ない。お約束通りのカンディンスキーなんかも登場するが、色彩感覚と立体感覚には感心しても芸術的感慨とは無縁。シュルレアリスムに分類されているブラウナーの作品などは「なるほどね」と結構笑わされるが、これも芸術的感慨と言って良いものやら。
なお展覧会最終コーナーには本館が所蔵するマティスのジャズが展示されてあり、会場入口のギャラリーではマグリットが展示されていたのは、本展との関連性を考えるとなかなかに妥当な選択。この辺の作品なら私も嫌いではないのだが。
展覧会を終えると馬鹿高い駐車場代を支払って姫路を後にしたのである。さあ、明日からまた仕事だ。