徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

青森に飛んで三内丸山遺跡を久しぶりに見学する

青森訪問のために空港近くで前泊

 今週は青森に飛ぶことにした。会社の永年勤続表彰の旅行ポイントがまだ十二分にあることから、先の大分遠征と共に2ヶ月以上前に決定したことなのであるが、よりによってここに来てコロナが再爆発。浮かれたGoTo利用者が社会的に敵視される風潮さえ出てきた中でいささかの迷いはあったが、既に業務上の休暇も事前に取得済みの上で予定もスケジューリングしていること、さらによく言われていることであるが今更キャンセルが利かないこと(特にパックツアーは融通が利かない)、青森が感染爆発地域ではないこと、また私の体調も極めて良好であること(体温は常に36度以下である)などから決行することにした。

 大阪空港からの午前便に搭乗するので前の晩は大阪空港前のリフテルで前泊。今回はアキッパで予約していた駐車場に他の車が無断で駐車していて急遽駐車場が振り替えになったり、ホテルに入ってから免許証を家に置いてきたことが判明して取りに戻ったりなどのかなりのドタバタがあって出発前に疲れてしまう始末。正直なところ、今回の遠征は実は出発前に何か起こるという予感はあったのであるが、残念ながら的中してしまった。

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大阪空港前のリフテル

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何となく奇妙な部屋

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普通のビジホとは一味違う

 なんだかんだのドタバタがあって無駄に疲れてしまったが、このホテルの無駄に広い風呂(恐らく元々エッチホテルだった時の名残)で体を休めてから翌日に臨む。

 

 

大阪空港から青森へ飛ぶ

 翌朝は6時半に目覚ましで叩き起こされる。まずは毎度のように体温チェック。今日もいつものように体温35度台。体は毎度のように重いし、毎度のように起立性の目眩あり、つまりいつもの体調。のどは乾燥でかさついているが痛み等はないし咳も特に出ない。一渡りの健康チェックを終えるとテレビを見ながら出発準備。

 テレビでは大阪、札幌が一時的にGoTo除外になったとの報を伝えている。当然の対応だと思うが、大阪、札幌からの旅行者は規制していないというのは片手落ち。また東京は除外申請を渋っている模様。しかし自分自身が利用しておいてこういうのもなんだが、もうGoToは大幅に規制をかける時期に来ているような気がする。もしかしたら、先の三連休の影響が近日中に出るかもしれない。

 大阪空港はそこに見えているのだが、例によって歩けば遠い。三連休は空港がごった返していることをニュースが伝えていたが、さすがに今日は平日であることもあってANAのカウンターも空港内もガラガラである。青森便は私の大嫌いなボンバルディア。しばしカウンター前で待っているが、見渡したところ搭乗者は数十人というところの模様。

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私の大嫌いなボンバルディアがスタンバイ中

 狭い機内は搭乗率は5割行かないだろうという状態。おかげで三密対策は出来て有り難いが。私の座席はもろにプロペラの真横。いささかうるさい。飛行機は高度をあげるとすぐに雲海の上に。今日は曇りで雲が低く垂れ込めているようだ。風景が見えないこの方が私には精神的に楽。安定飛行状態に入るとpomeraを持ち出してこの原稿執筆。

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搭乗率は半分というところ

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この高度が滅茶苦茶嫌

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こうなってしまった方が気が楽

 青森空港へは1時間半程度で到着。右手に八甲田山、左手に岩木山が見えてくると間もなくである。八甲田山の山頂付近には積雪があるようだが、酸ヶ湯温泉は大丈夫だろうか? もし周辺に積雪があるようだと、車で到着するのに問題が生じる。

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八甲田山には雪が

 空港着陸は直前になって高度を下げてくる時が一番気持ちが悪い。ようやく降り立った青森空港はさすがにヒンヤリしているが、思っていたほどではない。寒さ対策として冬用ダウンジャケットを持参しているが、この程度の寒さで終わるのなら、今着込んでいる合い物用ジャケットで十分そうだ。

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青森空港に到着

 空港からはレンタカーでの移動である。オリックスレンタカーでノートを借り出す。しかし車を見るとなぜか山形ナンバー。えらく遠くから来た車のようだ。

 

美術館がまさかの休館でやむなく三内丸山を再訪

 最初の目的地としてはこの近くの青森県立美術館に立ち寄る・・・つもりだったんだが、いざ現地に到着すると駐車場が閉鎖してある。頭の中は「?」で一杯。確か事前に休館曜日は調べていたはずなのに・・・。急遽調査すると、何と展示替えでの休館らしい。ピンポイントでまさかのものを当ててしまった。

 こうなったら仕方ない。このまま弘前に直行するのもマヌケなので、このすぐ近くにある三内丸山遺跡に立ち寄ることにする。実のところ、かなり以前に一度立ち寄っているので今回はパスするつもりだったのだが、この際だからここで時間をつぶしていくことにする。

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一大観光施設となっている

 三内丸山遺跡は土産物屋まで含めた一大観光施設になっている。遺跡見学の前にレストランで栗ソフトを頂くことに。栗の味がしっかりしていて栗が好きな私にとっては非常にうれしいソフト。

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栗ソフトはなかなか美味

 ソフトを頂いてから三内丸山遺跡の見学に向かう。時空トンネルを抜けると目の前には遺跡・・・という記憶だったのだが、実際はここからかなり左手に歩く必要がある。どうもこの辺りが記憶と食い違っている。

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通路にある遺跡の模型

 しばし歩くと復元建物が並んだ集落が見えてくる。竪穴式住居の中にはどうやら地元の小学生が作ったとみられるものもある。ただその手はどうしても入口が狭いのでかがんで膝をつかないと入れず、膝を痛めているせいで堅い地面に膝をつくと激痛が走る私には無理。

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集落が見えてくる

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竪穴式住居群

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復元された竪穴式住居

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内部は狭い

 

 ところどころにある金属製の建物は発掘された遺跡を公開しつつそのまま保存しているもの。多くの土器などが見つかった盛土や墓地の跡などが残されている。

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この建物の中には

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盛土の断面が見える

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これは子供の墓

 ここの復元建築の目玉ともいえるのが、三内丸山市民文化センターこと巨大建造物と、三内丸山スカイツリーこと高層タワー。巨大な柱跡と、実際にそこに残る柱の断片が発掘されたことからの推定だとのこと。もっとも復元タワーは強度のためにほぞを切って柱を組み合わせているが、恐らくこの時代の木材加工技術ではそこまでの細工は出来ないのではないかと推測するので、植物の蔓などで縛り付けることで巨大建造物を作ったのだろうか? メンテナンスをしょっちゅうしていないと経年劣化で自然倒壊とかしそうだが。

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三内丸山市民文化センター(嘘)

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内部は結構広い

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そして高層建築

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こういう柱跡が発見されたらしい

 後は定番の高床倉庫などもあり。昔から倉庫はネズミとの戦いであり、そのためにネズミ返しなどが仕込まれているのだが、それでも器用なネズミはそれを乗り越えたとか。

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高床倉庫

 

 遺跡を一回りすると館内展示の方を見て回る。ちょっとした博物館になっていて出土品などを展示してあるが、土器の破片を埋め込んだ縄文ウォールはなかなか壮観。また常設展示コーナーもこれでもかとばかりに土器を並べているが、実際にはそれ以上の土器が一般収蔵庫に収められている。出土品の物量に圧倒されたのは出雲の銅剣以来である。

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出土した土偶

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これでもかとばかりの土器展示

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土器片を埋め込んだ縄文ウォール

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これが一般収蔵庫

 いざ見学してみると、ものの見事にほとんど忘れていたということが判明し、考えていた以上に楽しめてしまった。よくよく考えると昔に各地を回っていた時は、とにかく時間に追われながら目的地をスケジュール通りに次々こなしていく強行軍の連続で「スタンプラリー」などと揶揄されたこともあるぐらい。やはり見方がやや浅かったのかもしれない。

 

弘前に向かう途中で昼食にする

 三内丸山を後にするといよいよ弘前を目指すことにする。東北道を黒石ICで降りると弘前方面へ。ただ弘前到着前にどこか昼食を摂る店を見つけたい。今朝は朝食は間に合わせにおにぎりとパンしか食べていないのでとにかく腹が減っている。正面に岩木山が見えてきたところで「道の駅」の表示があったのでそこに立ち寄ることにする。道の駅いなんだて弥生の里に入ると「レストランジャイゴ」(ジャイ子かと思った)という施設があったのでそこに入店。メニューは見渡すと「弥生うどん」とかがある。恐らくこれが定番と思われるのでそれにしようかと思ったのだが、「ビーフシチュー(1200円)」というのが目に飛び込んできて、やけにそれに心惹かれたことから直感でそれを選ぶ。

 

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レストランジャイ子・・・でなくてジャイゴ

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ビーフシチュー

 ことさらに特別なものは感じないのだが、何か無性に美味い。正直なところ皿を舐めたくなるほど美味い。体が求めていたんだろうか? 昼食を満足して終えると物販コーナーの方に立ち寄ってそば饅頭を夜のおやつに購入する。

 ようやく昼食を終えると今日の宿泊地でもある弘前を目指す。