教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

"スーパーコンピュータ富岳を使ってコロナ治療薬開発に挑む!" (7/5 サイエンスZERO「徹底分析!コロナ新常識&治療薬最新研究」から)

 今回は治療薬開発のための最新研究動向とコロナ対策のためのポイントを紹介・・・とのことなんですが、後半は以前にガッテンの枠で放送した「可視化でまるわかり!新型コロナ対策の新常識」を完全に使い回ししてます。まあNHKでよくある放送素材の有効活用です。大体NHKでは、まずNHKスペシャル辺りで始まって、その映像を最低でも3回ぐらいは使いますね。だから極端なこと言えば、全く新映像がなくてもアーカイブをひっくり返すだけで番組の1本なんて簡単にできてしまう(笑)。

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富岳を使った治療薬開発最前線

 まず前半の最新研究動向ですが、これは富岳を使った取り組みを紹介してます。要はウイルスが生成するタンパク質にガッチリとはまり込む薬を見出せば、タンパク質の機能を停止させてウイルスの働きを阻害できるのではという考え(製薬で非常に一般的な考えです)。そこでウイルスが作り出すタンパク質の構造をコンピュータに描いて、そこに様々な薬を配置して分子動力学シミュレーションを実施しているようです。これ自体は創薬でごく普通に行われる解析ですが、富岳のパワーに物を言わせて手当たり次第に計算しているところが特徴的か。この結果、数種の候補が出てきているとのこと。その中には寄生虫用の薬なんかもあるという(最近「サナダムシのための薬がコロナに効く?」という記事を目にした記憶がある)。またタンパク質の構造を解析するのに、世界中のコンピュータを接続して計算を分担するなんて試みも行われているという。

コロナ対策の紹介

 で、次がコロナ対策なんだが、これは完全に先の番組の流用になるので、細かい内容はそちらを見ていただいた方が分かりやすいと思います。要はポイントの1つは、まず接触感染については多くの人が触るハイタッチサーフェイスを介して想像以上に広がってしまうので、そういう部分を重点的にアルコール消毒などを行えばよいということ。また水道の蛇口やトイレ回りなんかも要注意なので、特にトイレでスマホを操作するというのはよろしくない

 さらに換気についてだが、二カ所換気がもっとも効率がよいのだが、一箇所しか出入口がないような場合は、出口のところに扇風機を置いて外に向けて噴き出す。さらにサーキュレイターもあれば、高低差をつけて扇風機で外に噴き出し、サーキュレーターで外気を室内に取り込むという形に置くのが最も効率的というお話。

 そこでサーキュレーターは私も使用している以下の安価なものをお勧めします(笑)。

     

 実際にエアコンと併用したら換気だけでなく、部屋の温度を均一化するのにも役立ちます。風量は三段階で静音運転も可能(さすがに風量最強にすると結構音はします)。空調の効率を上げることで省エネにもつながりますので、一台いかがでしょうか? なお換気にだけ使うのだったら、首振り機能がない分価格の安いこちらもあります。

     


忙しい方のための今回の要点

・コロナに効果のある薬を見つけるために、富岳を使用してウイルスが産み出すタンパク質に結合する薬の構造を探索している。
・さらにウイルス関係のタンパク質の構造決定のために、世界のコンピュータで計算を分担して解析する取り組みも行われている。
・コロナの感染予防には多人数が触るハイタッチサーフェイスを重点的に消毒する。
・部屋の換気は二箇所換気が理想的だが、換気口が一箇所の場合には、そこに扇風機を外向きに、高低差をつけてサーキュレーターを部屋に吹き込むように設置するとよい。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・NHKは全般的に使い回しが多いですが、この番組って特に使い回しの回が多いですね。後はNHKスペシャルとか他の番組の大型企画の予告内容。やっぱり制作とかに結構制約が多いのかな。

次回のサイエンスZERO

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