教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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番組リスト

9/27 TBS系 世界遺産「赤道直下のアンデス 氷河と火山の絶景」

赤道直下の火山と氷河の公園

 赤道直下のエクアドルのサンガイ国立公園は活火山を抱える公園である。


『世界遺産』9/27(日) サンガイ国立公園 〜 赤道直下のアンデス 氷河と火山の絶景【TBS】

 特に活発な活動を続けているのが標高5000メートルを超えるサンガイ山で、現在も続いているその噴火活動が山容を変貌させている。斜面は常に火砕流や溶岩などが流れているという。今は噴火によって深い谷が削られている。これらの火砕流は麓にも影響を与え、麓の森では火山灰が付着した木々が枯れたりしている。

 アルタイル山も火山だが、最後の噴火は1万年前であり、現在は赤道直下にもかかわらず氷河がある。

 

高地の独特の生態系

 サンガイ山の西側の麓の20キロほどの場所には標高3500メートルの高地が存在する。ここには独特の巨大な草が生えている。堆積した火山灰の土壌はミネラル豊富なために、高地でも植物が生育できるのだという。

 ここからさらに上がった高度3800メートルの地にはなんと森林が存在する。雲霧林だという。ここの木々にはコケが生えている。この森を生む大量の雨はアマゾンの湿った風によってもたらされる大量の雨によって賄われているという。山を西側に回り込んで、そこで雨を降らせ、乾燥して空気が麓に流れるので麓は草原となるのだという。

 独自の生態系を持つサンガイ山の高地には絶滅危惧種のバクが生活している。ヤマバクは標高4000メートルの高地で新芽などをたべて生きている。視力は弱いが鼻が利くのだという。体毛が多くて寒冷地に対応している。これらの絶滅危惧種の生息地であることと、火山が生んだ多様な地形からこの地は世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・エクアドルのサンガイ国立公園は火山の公園である。
・その中のサンガイ山は現在も活発な火山活動を続け、そのことが山容を変化させている。
・一方、1万年前が最後の噴火であるアルタイル山は現在は赤道直下に珍しい氷河が存在する。
・サンガイ山の麓にはアマゾンからの湿気を帯びた空気による雲霧林が存在し、またこれらの高地にはヤマバクなどの絶滅危惧種が棲息している。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・サンガイ山って確かにフォルムに富士を思わせるところがありますが、5000メートルを超えているだけあって、傾斜が富士よりももっと急です。曽我蕭白なんかが書いた富士が良く似ているような気がする。

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