【ドイツ連邦憲法裁判所】自殺ほう助は合憲【死ぬ権利】

こんにちは、ピースケです。

今日は、ドイツ連邦憲法裁判所が安楽死に対しての判断を下したことについて考えていこうと思います。

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死に関する自己決定権

引用: AFPBB News

記事によると、

・ ドイツ連邦憲法裁判所は、職業上の自殺ほう助を禁じる法律は末期患者らの

「死に関する自己決定権」を奪うものだとして、違憲と判断

・ この判断は、原告である末期患者や医師、自殺ほう助の合法化を目指す団体にとって大きな勝利となった

・ 2017年には下級裁判所が、極端な事例において安楽死のための処方を拒むことはできないとする判断を下したため、法的な不確実性が強まり、医師らの間に混乱が生じていた。

日本とは異なり、ドイツの自殺ほう助は2015年の「 職業上の自殺ほう助を禁じる法律 」施行以前は特に違法行為ではなかったということです。

自殺自体が違法ではない(これについては日本と同じ)ので、自殺ほう助も違法でなかったというのは、ある意味当然と言えるのかもしれません。

ではなぜ禁止されたのか。

日本でも指摘される、重病者、要介護者等が家族に負担をかけな いために自殺幇助を依頼しなければならないのではないかという気持ちを持ってしまう、といった社会的風潮を抑制するという目的だったらしい。

ただ今回、自殺ほう助禁止が違憲と判断されたことで、5年でリセットされたことになる。

「死に関する自己決定権」は、侵すことのできない基本的人権

として既に確立しつつある、確立している、ということなのだろう。

安楽死の定義

日本では、まだ安楽死は非合法なのですが、世界ではどうなっているのでしょうか。

まずは言葉の定義をしていきましょう。安楽死に関して統一した言葉の定義は決まっていないようなので、自分が一般的と思うものになりますのでご了承ください。

積極的安楽死

『医師が患者に投薬することなどにより死に至らしめること』

他人(医師など)により行われるものなので、刑法の殺人罪、嘱託殺人罪等に問われる可能性がある。

消極的安楽死

『終末期患者に延命治療をしないことにより死期を早めること』

患者の意思 (患者の意思が確認できない場合には親族の意思 )が確認できる場合には刑法の殺人罪、嘱託殺人罪等に問われない。

医療的幇助自殺

『医師が薬物を提供することなどにより患者の自殺を手助けすること』

投薬は患者自身で行うため、医師が刑法の殺人罪、嘱託殺人罪等に問われることはないが、自殺幇助罪に問われる可能性がある。

「積極的安楽死」と「医療的幇助自殺」を「安楽死」

「消極的安楽死」を「尊厳死」

と呼ぶのが日本では一般的と思われます。

海外での安楽死

では、海外での安楽死はどうなっているのでしょうか。

「積極的安楽死」 「医療的幇助自殺」 が認められている国

オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストラリア(ビクトリア州)

「医療的幇助自殺」 が 認められている国

スイス、カナダ(ケベック州)、コロンビア

アメリカ(オレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、バーモント州、ニューメキシコ州、カリフォルニア州、ハワイ州、コロラド州、ニュージャージー州)

ドイツもここに入ることになるでしょう。

自分で調べた限りです。各国で「積極的安楽死」 「医療的幇助自殺」の捉え方もそれぞれで微妙な表現もあるため完全に正確とは言えません、ご了承ください。

個人的考察

自殺ほう助は、政治、宗教、社会通念や倫理観といった価値観とどうしてもぶつかってしまいます。

今回のドイツのケースでは、それら価値観よりも 死に関する自己決定権 という基本的人権の方が重要と判断されたのだということができると思います。

この世界的な拡がりを考えると、日本で安楽死合法化が実現することも現実的になってきているのではないでしょうか。

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