現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

投資初心者が資産運用に抱く3つの誤解|おすすめの投資法とは?


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資産運用を始めようと思った時に初心者が持ってしまう誤解があります。誤解を抱いてしまったがために資産運用に踏み出せない方も多いと思います。

 

投資初心者の方は資産運用に対してどのような誤解を抱いてしまうのでしょうか?その誤解をどのように払拭すべきでしょうか?

 

 

誤解①:大きな資金がないと資産運用は始められない

資産運用を始めようと思う多くの方がイメージするのが株式取引ではないでしょうか?

 

株式取引というと、最低でも100万円単位の資金が必要と考える方も多いと思います。

例えば、任天堂の株を買おうと思うと、約400万円もの資金(2020年2月現在)が必要となってしまいます。

 

確かに株価の高い企業の株を買う場合、大きな資金が必要となってしまいます。しかし、株の買い方には、累積投資(るいとう)という方法もあります。

一般的な単元株取引では、大きな額の資金が必要となりますが、累積投資(るいとう)であれば、1万円程度から投資することが可能です。

 

また、株式を買うだけが、資産運用ではありません。

投資信託を買うという方法もあります。投資信託であれば、100円から買える証券会社もあります。つまり、小さな額からでも資産運用は始められます

 

例えば、100万単位のまとまった資金がなくても、数万円程度のお金があるのであれば、その数万円から資産運用を始めることも可能です。

現在、出せる額で資産運用を開始することを考えてみてはいかがでしょうか?

 

毎月数千円程度しか投資に回せるお金がないのであれば、数千円からでも投資を始めることができます。数千円から初めて余裕が出てくれば、投資に回す資金を増やしていけばいいでしょう。

 

大きな資金が準備できてから資産運用を始めようと思うと、なかなか資産運用が始められないと思います。であれば、今ある資金で始め、投資額を増やしていけばいいでしょう。

 

つまり、資産運用は、大きな資金を準備してから始める方法以外にも、毎月数千円程度の積立方式で運用を始めるという方法もあるということを知って頂ければと思います。 

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誤解②:投資は短期で利益を狙うもの

投資というものは、短期で大きな利益を狙うものだというイメージを持っている方が多いと思います。世の中で話題になる投資の話といえば、短期的に大きな収益を出した方の話でしょう。

 

メディアなどでは話題性がなければ、注目されないので、どうしもて奇抜な話が取り上げられることになります。

 

短期で大きな利益を狙いにいくと、どうしてもリスクも高くなってしまいます。

勘違いで始めた投資が、短期の値上がり益を狙う方法であれば、大きな損失を抱え、二度と資産運用をしようという気力を失ってしまう可能性もあります。

 

やはり、資産運用初心者の方は、長期の視点を持って運用を開始するべきです。短期間の価格の変動に惑わされることは、非常にストレスになります。

 

資産運用では、資産の値上がり益であるキャピタルゲインだけでなく、株などの配当金であるインカムゲインを得ることもできます。

よって、資産運用初心者の方は、インカムゲインを得ながらキャピタルゲインを狙うような長期的な戦略を持って運用を開始することをおすすめします。

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誤解③:海外への投資はリスクが高い

ホームカントリー・バイアスといって、自国の資産に注目するのは自然なことです。日本人であれば、日本企業の株式に目がいくのは自然なことではあります。

 

一方、海外企業の情報は、日本で得ることは難しいので、海外企業への投資は、どうしてもリスクが高いと思ってしまいます。

 

確かに、海外の株式を買うということは、価格変動リスクだけでなく、為替リスクも負うことにもなります。

 

しかし、今後の日本を考えると、少子高齢化が進展し、大きな経済成長は望めない可能性が高いと思います。そのような日本市場に全ての資産を入れておくことこそ、逆にリスクとなるのではないでしょうか?

 

海外企業の情報を得るのが難しいのは間違いありません。

よって、海外株式で運用されている投資信託を買うという方法もあります。手数料(信託報酬)はかかりますが、個人では難しい海外株式の銘柄選択などをプロに任せるという方法もあるわけです。 

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投資初心者の方におすすめの運用方法とは?

投資初心者の方におすすめの運用方法は、月並みですが、「長期・分散・積立」です。そして、税制優遇措置がある個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)つみたてNISAの活用がおすすめです。

 

iDeCo(イデコ)やつみたてNISAを利用すれば、投資信託を積立で購入することになり、「長期・分散・積立」投資をすることになります。

「長期・分散・積立」は利益を出しやすい運用方法です。

 

iDeCo(イデコ)やつみたてNISAといってもどのような投資信託を選んだらいいか分からないという方も多いと思います。

そこで、参考までに私のiDeCo(イデコ)のポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)をご紹介したいと思います。

 

外国株式型(先進国)|掛金配分割合:60%

ホームカントリー・バイアス(運用商品が自国の資産に偏ること)があるので、外国株式というと、非常にリスクが高いと考えられがちですが、逆に私は、これからの日本を考えた時に、日本の株式を多く保有する方がリスクが高いと考えています。

今後、日本が大きく成長する市場であるとは考えにくいですが、世界はこれからも成長していくことは間違いないと考えていますので、掛金の60%は外国株式型(先進国)の投資信託に配分しています。

 

外国株式型(新興国)|掛金配分割合:20%

ハイリスクではありますが、ハイリターンを期待できるのが新興国株です。リスクもありますが、今後、新興国は大きな経済成長を期待できます。

 

短期の利益を狙って新興国の1企業の株式を買うことは恐ろしくてできませんが、投資信託で複数の国や銘柄に分散投資する、かつ長期で運用するという前提であれば投資可能と考えています。

長期の積立投資なので、短期の利益は全く狙っていません。

 

なお、新興国とは、下記のような国を指します。

新興国とは、日欧米などの先進国に対し、現在の経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた国々のことをいいます。新興国はエマージングカントリーとも呼ばれ、具体的には、中南米、東南アジア、中東、東欧などの国々を指します。 特に注目される国々は、BRICs、VISTA、ネクスト11といったグループで表されています。
(出典:SMBC日興証券

  

海外不動産投資信託(RIET)|掛金配分割合:20%

不動産投資は昔からやってみたいと思いながら、自分で物件を持つことは断念しました。その代わりに不動産投資信託(RIET)に投資をしています。

日本のRIETではなく、外国のRIETを選んだ理由は下記の通りです。

 

日本の不動産市場は少子高齢化の流れの中で、今後、長期的に考えると利益を出すことは難しくなると思います。しかし、世界に目を向ければ、人口は増加し、チャンスとなる市場は沢山あります。

しかし、私が世界の不動産市場を調べて、直接そこに投資をするのは、手間などを考えると現実的ではないと考えています。

 

RIETであれば、信託報酬(手数料)は必要になりますが、手間はなく分散投資が可能です。

 

日本の株式には全く投資しないのか、と思った方もいらっしゃると思いますが、私は下記のような考えで、iDeCo(イデコ)のポートフォリオを決めました。

 

私は40代前半なので、iDeCo(イデコ)の積立期間は残り20年以上(iDeCo(イデコ)は65歳まで掛け金を拠出できるようになる予定)あります。 

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運用できる期間が長いので、ある程度リスクを取って資産が増えるような攻めのポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)にしています。

 

また、私のiDeCo(イデコ)のポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)には日本株が入っていません。

その理由は、一般NISAや一般口座(課税口座)で約10銘柄の日本株式を保有していて、これ以上、日本企業の株式をポートフォリオの中で増やすつもりがないとうのが1点。

 

もう1点が、今後の日本市場を考えた時に右肩上がりの上昇はあまり期待していないという点です。 

これからの日本経済は少子高齢化の影響で、右肩下がりは避けられたとしても、下り坂になる可能性が高いと考えています。

いかに積立投資がドルコスト平均法でリスクを下げ、利益を出しやすい方法だといってもこれから下がる可能性がある市場で積立投資を行えば損失を出す可能性が高くなります。 

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iDeCo(イデコ)の運用状況

ちなみに、運用を始めて1年経過後のイデコの運用状況は、下図の通りです。

iDeCo(イデコ)の運用状況

資産の元本(拠出金累計)は276,000円で、評価額は290,392円なので、含み益は14,392円(+5.2%)という状況です。

 

現在は含み益がある状態ですが、これから長い運用期間を考えると、含み損になることもあるでしょう。しかし、運用期間が長いので、短期間での上げ下げに一喜一憂する必要はありません。 

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まとめ

資産運用初心者は、上記のような勘違いを持っている方が多いと思います。私も資産運用を始めた頃は、上記のような勘違いを持っていました。

投資と投機の違いを理解できていませんでした。 

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今回ご紹介したような勘違いがあると、資産運用を始めるのが遅くなったり、大きな損失を被ったりしてしまう可能性があります。

 

是非、投資に対する間違った認識を排除して、資産運用を始めていただければと思います。