【サッカー本】「サッカー」とは何か

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こんにちは!今回は最近発売された林舞輝著の『「サッカー」とは何か』をご紹介したいと思います。

僕もですがこの本を買う方の半数以上が、もはや「戦術的ピリオダイゼーション」とは何かに興味があってこの本を手に取っているのではないのかという気がしています。戦ピリだけではなく、構造化トレーニング、そして林監督へのインタービューも盛り込まれたサッカーの新たな視点が間違いなく得られる一冊を読んだ感想を残したいと思います!

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. 「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論 【著者】林舞輝 【出版】footballista 【発行】2020年5月12日 第1刷 JFLの奈良クラブで今シーズンより監督に就任した林舞輝氏によるサッカーの実用書。戦術的ピリオダイゼーションと構造化トレーニングの二大トレーニング理論を紹介する一冊。 戦術的ピリオダイゼーションとは一体どういうものなのか。その存在を知ってはいたものの、その情報を得るにはフットボーリスタでの記事を読むくらいという方は僕以外にも多かったのでは。情報を得ていく中で「もしかして戦ピリとは恐ろしく難解で奥深い”学問”なのではないか」と勝手に結論づけてしまっていた。この本を読んでもその印象に変化はないのだが(笑)、その全貌は知れるのではないかと感じる。 著者が述べているように、この理論が絶対的に正しいということではなく、知っているかどうかが大事であり、指導者にとって雲泥の差という部分にはすごく共感しました。サッカー指導に関われている方でこの本の内容をすぐに現場で実践的に役立てわれるような環境にいる方は少ないと思いますが、欧州で考えられているサッカーの捉え方の知識としてはものすごく価値のある内容であると思います。 どんどん熱くなって長くなりそうなので、ブログにまとめたいと思います(笑) #サッカーとは何か #林舞輝 #footballista #ソルメディア #戦術的ピリオダイゼーション #バルセロナ構造主義 #構造化トレーニング #奈良クラブ #ビトールフラーデ #モウリーニョ #グラウディオラ #セイロール #サッカー #サッカーコーチ #指導者 #サッカー本 #本 #読書 #トレーニング #フットボール #本の力を信じたい #コロナに負けるな #ピリオダイゼーション #プレーモデル

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戦術的ピリオダイゼーション

この本の構成としては、戦術的ピリオダイゼーション(以下、戦ピリ)、構造化トレーニング、林監督へのインタビューの3部構成になっています。

指導者のみなさんの興味の的である戦ピリについては、雑誌footballistaでこれまで取り上げられてはいましたが、結局それ自体がどういったものなのか正体がわかりませんでした。

プレーモデルを基にサッカーの4つの局面において、主原則、準原則、準々原則を定めて選手にプレーさせる。僕自身は雑誌で読んだそれくらいの知識での理解でした。

この本ではそれよりもより深い部分で戦ピリのことを理解できるのではないのかなと思います!ちなみに著者の林氏がどこかのインタビューで答えていたのですが、本当の意味で戦ピリを理解できているのは、ヴィトール・フラーデ教授本人だけではないか。とのことでした…(苦笑)

構造化トレーニング

2章目で解説されるのが『構造化トレーニング』です。

こちらはフランシスコ(パコ)・セイルーロという人物が考案したトレーニング理論と方法になります。彼は1978年からFCバルセロナで働き始め、バルサの礎を築いたとさせる人物です。

構造化トレーニングとは「構造主義」、つまり「全体は要素の総和ではないし、要素を組み合わせても全体にはならない」という考え方を基にしたトレーニングになります。ざっくり言うと。(本ではもっともっと丁寧に説明してくれています!)

僕にとっては、戦ピリに対して構造化トレーニングの方が、知っていることが少なかったので、こちらの方が興味を引かれる内容でした。ちょうど最近のクラブでの研修で出てきたような内容と結びつく部分があったこともあり、僕の中で勝手に色々つながって面白かったです。(どうでも良いことですみません…)

その指導に根拠はあるのか

指導者として子供たちの前に立ち始めたばかりの頃、僕自身の中で「間違ったことを教えてはいけない」というようなある種の強迫観念のようなもの(そんな重いものではないですが)があり、あまり具体的な内容をいうことを避けてしまっているような自分がいました。

勉強と経験不足によるものであることは間違いなく、目の前の選手たちを改善するという指導者の役割の一つを全く果たすことがない練習となってしまっていました。

その時にまず思ったのは、指導の背景にきちんとした根拠があるということがすごく重要であり、決して自分自身のこれまでの経験や考えだけでは良い指導とは言えないのではないかということでした。

さまざまな見方や考え方、またそこまでの背景が現場にはあるので、どれが正しいというものはないのですが、ひとつ自分の基準となる指導に他の人が納得するような根拠やロジック(理論)があることが大事だなと、戦ピリと構造化トレーニングについて学んで感じました。

知っているのかいないのかの差

本書の中で著者も書いていましたが、理論を知っていて実践するのと、知らずに実践しているのとでは指導者として大きな差があるという視点が大事なんだと思います。

一つのメニューであれば、それをやることでのメリット・デメリットを指導者がすべて理解した中でTRに取り入れることで、その先のことを予測することができるのだと思います。またそれによって現れた現象についても、適切な分析ができるので、次の改善もより適切な手段を選ぶことができるのではないのかなと思いました。

この2つの理論を知ったところで、僕自身の指導現場にすぐに実践できるようなものは少なかったのは事実ですが、これらを知ることによって僕自身のサッカーの知識が広がったので、どこかでそれがつながって活かせる(もしくは無意識に活かされている)場面が出てくるのだと思います。

小さなプレミアリーグ

本の最後は著者である林舞輝氏へのインタビューが載せられています。著者自身の指導者としてのスタートからイギリス・ポルトガルでの留学時の話が知れる内容で面白かったです!

特に印象的というか割と衝撃だったのは、チャールトンのU-10を指導していた時のカルマーニ君のエピソードです。10歳の子たちの試合であるのに、周りで見ている大人のサポーターたちは、プレミアリーグと同じように選手に対してヤジをとばすという…(苦笑)

イングランドサッカーはU-10カテゴリーでもすでにイングランドサッカーになっているという部分に当時の著者同様に僕自身も考えさせられる内容でした。ぜひ読んでもらいたいと思います。




以上で、紹介はおしまいになります!
いつもそうなのですが、こちらで紹介している本は僕が指導者として、参考とさせてもらったり、勉強させてもらったりしているものを取り上げさせてもらっています。

サッカー指導者として日々現場に立たれている方へのひとつの参考してもらえると嬉しいなと思っていますし、僕自身もここでアウトプットすることによって自分の力を上げてながら、記録として残すという面もありますので、よろしければまた見に来てください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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